○ 小さな春の足音 ○

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最近は、だんだんとドイツも春の兆しを感じるようになってきました。

 

外の気温は氷点下なのですが・・・小さな庭を突っ切ると

 

木々の枝に小さな芽がでていたり

 

地面から昨年植えた球根の芽がでていたり。

 

凍るような空気の中でも

 

(あぁ、もうすぐ春になるんだな)ってほっとした気持ちになるのです。

 

地面の中では 球根や種は 布団から伸びしながら

 

手をだすみたいに すこしずつ すこしづつ 根っこを伸ばして・・・・

 

そしてお日様が明るく、温かい空気が生まれる頃に

 

小さな可愛い新芽を出すのだなと思うだけで、幸せなのです。

 

静かに 大地の中で ゆっくり眠って、春がくるのを待っている。

 

そんな気持ちになります。

 

人間は、本来は四季のうつろいとともに 暮らしてきました。

 

でもいつしか季節は関係なく、お天気すらも、大地すらも関係のない日々を

 

とくに都会の暮らしでは、送るようになったのは、ここ数十年の話ではないでしょうか。

 

スーパーマーケットにいっても、春の野菜も、冬の果物も、年中並んでいます。

 

ドイツのスーパーでもそれは同じです。

 

でもすこしだけ違うのは、ドイツの暮らしのほうが、もっと大地が近いことかもしれません。

 

都会に住んでいても、電車にすこし乗れば

 

散歩に出かけたり、近所のBIO農場にでかけたり・・・自然が手に届く場所にあります。

 

わたしは神戸に以前、暮らしていましたが

 

日本は山と川の国です。

 

ですから・・・

 

本来は、もともと自然と生きてきた民なのです。

 

本当は、もっともっと自然と生きていける民でもあるのです。

 

しかしながら、ドイツに暮らしてからのほうが、わたしは自然をもっと身近に感じるようになりました。

 

積極的に自然の中に身を置いてみること。を意識するようになりました。

 

で、

 

日本の中で「当たり前」とか、今のドイツでの生活でも「当たり前」と思っていることって、

 

本当に当たり前なんだろうか?と考えるようになりました。

 

スーパーマーケットに行って、買い物をする

 

って、ふつうに思えますが、本当に当たり前??

 

ドイツでは自給自足でBIO農家とかしているコミュニティや、

 

家庭菜園でいろんなハーブや野菜、果物を作っている家族なんかもいます。

 

週末別荘といわれる菜園などでも、

 

すべては無理でも、なるべく自分たちの手で。

 

そう考えていくと、今後は

 

農薬や除草剤を使うのは当たり前なんだろうか?という疑問の壁にもぶつかりますよね?

 

わたしもハーブを育てたり、友人や知人とともに、BIO農家の一画を借りて畑に挑戦していますが、

 

その野菜たちは、ほんとうに美味しいのです。

 

エネルギーが満ち溢れている味というのでしょうか?

 

そして それなりにお世話していると、

 

農薬も除草剤もいらないのです。

 

そういう世界があるのは知っていたけど、実際にするのと、知っているのは違うな、とも思います。

 

無農薬の野菜は元気なんです。 

 

スーパーの野菜も買いますが、なんか疲れている感じがするのは 気のせい???ではないかも。

 

「じゃ、なんで農薬いるんかな?」

 

そんなことを考えながら、

 

「当たり前」って思っていることは、実は「あたりまえ」でなかったんだな、と。

 

世間の常識やしきたり・・・・

 

もちろん大切なものもたくさんあるけど、

 

常識と思っていて、している習慣は

 

時に

 

自分たちの体だけでなく。。。

 

精神に心に、本来の生き方を忘れさせていることもあるのかな、と思いました。

 

わたしの実践している自然療法だってそうです。

 

病気=薬 という考え方も・・・どうなのかな?

 

昔、おじいちゃん、おばあちゃんの世代は寝て治すのが フツーだったけど、

 今は、薬がフツー、の世の中になっています。

 

「これも本当にフツー?」

 

本来もっている、自然に治ろうとする力が無視されています。

 

それは前述の野菜でも同じですよね。

 

日本では夜でも高速道路には電灯が灯され、コンビニはいつまでも煌々と光をはなっています。

 

でも、ドイツの道は・・・くらい。

 

高速道路も電灯がついているのは一部で、基本的には暗いのです。

だから わたしはまだ苦手ですが。

 

その人間の作り出す不自然な明るさが、動物たちの脳にも影響を与えていたり・・・もするんですよ。

 

日曜日には、飲食店を除けば、お店はたいがいしまっていますし・・・・

 

不便か?といわれれば、そうかもしれませんが、

 

ショッピングできないと死にそうになる・・・なんてことはなく(笑)

 

・・・別に生命の危機でもないし・・・困らないんですよね。

 

今の現代人に必要なのは、

 

自然に、もういちど たちかえってみるということ。

 

こぶりだけど、味がつまっているドイツのリンゴをかじりながら

 

はやく、春がこないかな・・・なんて、暖炉の火をみながら思いました。

窓の外は氷点下の世界が広がっています。

 

でも、どんなときも、心はいつも、暖かくいたいですね。

 

では、今日も良い1日を!

 

ドイツの森から祈っています。