大和国周遊の旅 明日香村の風景③「橘寺」 | 果てなき旅路

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明日香村へと訪れたならば、幾つか訪れたい古寺がありますグラサン





◯橘寺


橘寺は聖徳太子建立七大寺の一つとされ、聖徳太子が祖父の欽明天皇の別宮・橘の宮を寺に改めたのが始まりと伝わります。





入山(拝観)料はこちらの西門から支払い、門をくぐるとすぐ右手には本堂(太子堂)ですキョロキョロ




橘寺の境内から通りを挟み、川原寺(弘福寺)跡を望む光景ですが…





聖徳太子はこの辺りで誕生し、幼少期を過ごしましたと伝わります。




聖徳太子の愛馬 = 黒駒号と本堂(太子堂)…


創建当初は広大な境内に、四天王寺式伽藍配置の建物が多数並ぶ大寺院でしたが、ほとんどを焼失…



本堂(太子堂)


1864(元治元)年に再建された本堂(太子堂)には、木造聖徳太子35才坐像(重文)がご本尊として祀られています。



護摩堂


この木造聖徳太子35才坐像は、606年に聖徳太子が推古天皇の命を受けて、勝鬘経の講義をされた際のお姿とされ…





伝説ではその講義の素晴らしさに、天から美しい花びらが舞い降り、冠が “日 月 星” の光を放ったと伝わります。



観音堂


こちらの観音堂は、1777(安栄6)年に本堂として再建されましたが、1864(元治元)年に本堂が再建されたため、建物を今の場所に移動し、観音堂として現在に至るとのこと。





柔和な表情の如意輪観音像が印象的です。



経堂

一方、こちらは経堂、賓頭盧尊師像が何とも堪らない良い表情を浮かべています🤭




賓頭盧尊師像は病気を治す力があるとされ、撫でるとその部位の病気が治るという信仰があり、「撫仏(なでほとけ)」とも言われています。





こちらは「三光石」…


聖徳太子が勝鬘経の講義をされた時に、冠が “日 月 星” の光を放ったと前述をしましたが、ここで聖徳太子について、軽く触れたいと思います。





「マリアは忽然と現れた天使ガブリエルから、やがて神の子を産むことになると告げられ、処女のまま懐胎した。そして旅先のベツレヘムで臨月を迎え、馬小屋で男の子を産んだ」 



阿字池

これはよく知られている…

救世主イエス・キリストの降誕伝説で…


東門

イエスの降誕伝説は厩 = 馬小屋の戸の辺りで生まれたという聖徳太子の誕生譚となんとなく似ているので、両者には何か関係があるのではないかと、こう考える人は多いことでしょう。 


五重の塔跡

そもそも救世主として、人々の信仰を集めたという点では、キリストと聖徳太子は根本的に共通する性格を持ってると言えます。


弁天堂

キリストと聖徳太子の類似を早くから指摘したのは、明治・大正時代に活躍した歴史学者久米邦武です。





久米は『上宮太子実録』 (1905年刊行)のなかで、 この問題に言及し、飛鳥・奈良時代に中国に渡った僧侶が、当時西域を経て中国にまで伝わっていたキリスト教のことを知り…




『聖書』のイエス伝を太子伝に付会(こじつける)したと考えるのは、決して荒唐無稽なことではないと指摘しています。 



こちらは以前、私が聖徳太子にの伝説に関して記したものです。

参考にお読みいただければ幸いですm(_ _)m


二面石

明日香村は “謎の石” で有名ですが、橘寺の境内にも、二面石と呼ばれる謎の石造物があり、左右に人の顔が彫られています。


左右それぞれ表情が異なり、右は善面、左は悪面と呼ばれています!?びっくり





橘寺の最後は往生院へと向かいます。





阿弥陀三尊像を本尊とする往生院は、聖徳太子の精神を今日に生かそうと、念仏写経研修道場として1997(平成九)年に再建され、多目的道場として活用…





天井を見上げると、260点もの美しい花の絵が描かれています目




美しい “花の寺” としても知られる橘寺…

特に酔芙蓉は9~10月に大きくキレイな花を咲かせるとのことで、この寺院を囲む田園に咲く彼岸花と同様に、秋に訪れたいですねウインク





因みに、聖徳太子の誕生の地の石碑は、橘寺から若干離れた場所にありますが、画像中央付近に見える日本瓦の屋根は橘寺の本堂です。





さて、橘寺を後にして、レンタサイクルで明日香村を疾走しますあせるあせる





次の目的地へのその途中、『万葉集』に23首(一説ては21首)詠まれているという飛鳥川ですが、こちらにはその石碑が建てられています照れ





橘寺からのんびりと、レンタサイクルで移動すること10分、こちらにも日本史の教科書に掲載されるほどの古墳が控えていますグッ




遥か古代のロマンを求め、飛鳥の地を巡礼…


旅はまだまだ続きます…🌠