復活の常磐線 ~E657 特急ひたち14号 乗車記~ | 果てなき旅路

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旅、温泉…たまには歴史。時の徒然に、好きな事を綴っております。

再び、青春18きっぷの旅 東北編…

この日の出発は松島駅




“松島” と名があるのだが、“松島海岸” とは違って、どこか裏寂れた郷愁の漂う松島駅…




新幹線のホームでは感じることが出来ぬ、旅情かきたてる東北の駅…




9:09発、「東北本線」仙台行きに乗車…




仙台駅に到着後は、本来であれば、9年ぶりに全線開通となった常磐線ルートを…




“青春18きっぷ ” を利用して、のんびり帰路へと楽しむ予定ではあったのだが…




そのプランを立てた直後に、仕事ではないが横浜での所用が出来てしまったために…

“青春18きっぷ” の旅はこれにて終了…




実は、前日の山寺駅から松島海岸駅までの区間も、“青春18きっぷ” の一回分よりも運賃が安いので、suicaを利用していますが…

それは、さておき…




新幹線で帰るのはつまらないので…?




階段の壁には…

 “つながる常磐線” 

の大きな広告が設置されており、この旅のラストを飾る…




E657HITACHI

初乗車…




ホームの柱回りには、常磐線沿線の観光名所の “みどころ” を紹介…

因みに、常磐線とは、上野駅から仙台駅までを、千葉県、茨城県、福島県の太平洋側を経由して結ぶ路線ではあるが…

現在、「上野東京ライン」の開通によって、常磐線の多くが品川発着となっている…




2011年3月の東日本大震災の影響で、多くの区間で線路が寸断されたため、代行輸送などが行われていた常磐線…




最終的に2020年3月13日までは、富岡駅~原ノ町駅の間が代行輸送となっていたのだが…

3月14日のダイヤ改正をもって、この区間もつながり…




9年ぶりに上野・品川~仙台までが全線開通となり、最後の不通区間であった浪江~富岡が復旧したことによって、東京方面から仙台への直通運転が復活…




常磐線のシンボル特急…

「ひたち」

が、仙台に帰ってきた…




「ひたち」は、品川・上野からいわき・仙台までの長距離を結び、E657系の同型車両を使用する「ときわ」は、勝田・水戸までの茨城県を結んでおり…

運転本数は多く、日中時間帯でも品川駅や上野駅から、「ひたち」と「ときわ」が交互に30分ごとに発車している…
 

 


2012年にデビューした「ひたち」&「ときわ」は、10両で編成された比較的新しい車両で、各席にはコンセントや wi-fi などを装備しており…




“E657系” の普通車には、ブラックのリクライニングシートが並ぶ、 2+2列 の往来線特急としては標準的な配置がなされており…

霞ヶ浦のうねりを表現したという模様が入っている、黒いシートのヘッドレスト(座席上部の白い枕部分)は、上下に動くタイプ…

因みに、座席の下は空いており、足元はそれほど窮屈さを感じさせず、シートの作りが良いのか、3~4時間の乗車であれば、それほど疲れを感じることはなかった…




各座席の上には、ランプが備えられていて、このランプの色で、その座席が空いているのか人が乗ってくるのかが分かる…

左の緑は指定席券を購入済み、中央の黄色はもうすぐ指定席券を持った人が乗車する予定、右の赤は空席…




また、各座席の肘掛けには、コンセントが付いており…

列車によっては、窓の下や前の座席の下についてるものが多いのだが、肘掛けのコンセントはテーブルを下ろしていても使いやすく、スマートフォンを充電しながら利用するのにも向いている…

さらに、「ひたち」と「ときわ」の車内では、JR東日本の wi-fi サービスで、JR EAST Free wi-fi を利用することができる…

利用時にメールアドレスを登録する必要があるのだが、一度利用登録をしてしまえば、180分利用でき、1日に何度でも利用が可能…




10時13分、定刻に仙台駅を発車すると、自動放送の後、車掌による肉声放送で、終点・品川までの全停車駅と停車時刻が案内された…

在来線屈指の “長距離特急” の旅立ち…





東北本線と別れるとすぐに、阿武隈川の河口近くにかかる長い鉄橋を通過…

亘理駅を通過し、次の浜吉田駅から3駅先の新地駅付近までは、津波の被害が甚大だった区間であったと記憶している…




10時51分、最初の停車駅である相馬駅に到着…




すでに県境を越え、宮城県を抜け…

福島県に入っている…





11時06分、原ノ町駅に到着…

時刻表では、原ノ町の次の停車駅は浪江駅なのだが…

途中の桃内駅にて運転停車し、下りの「ひたち3号」と行き違う… 




「ひたち」の大半は、福島県の “いわき” までの運転となるのだが、上下線ともに、1日3本が “仙台” まで直通している…

そして今年の3月14日

9年ぶりに列車が停車した…




11時25分、浪江駅へと到着…

私はただただ、復旧を祈るだけしかできなかったのだけれど、この9年間、その復旧に携わった人たちの気持ちや想いを考えると、ホームに足がついた瞬間…

自然にこみ上げてくるものを隠すことができなかった…




人はどんな困難な人生を歩もうとも、決して諦めてはいけないということを教えてくれる常磐線の風景…

まだまだ、殺伐としている風景ではあるが、間違いなく…

未来へと向かい、前進し続けている…

 

次回、長々と続いた…

“青春18きっぷの旅” 2020 夏   東北編

最終回です…☆