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9は菊池さんが某歌番組でたった一度一位を取ったときの曲です。そのときのパフォーマンスはスタジオに観客を入れて盛り上げて菊池さん祝福するものでした。この曲が菊池桃子の曲のなかで最も盛り上がらなくてはならない曲だと言っていいでしょう。
10はスタジオ録音と違って最後の「メリークリスマス」をささやかずに歌っていました。
当時ラジオ番組などを聴いていた実感として、この曲が菊池桃子最大のヒット曲、まちがいなく真のヒット曲だと言える曲だと思います。理由はベストテン番組でもそうでしたけど、少しずつヒットするほどにさらに一般リスナーの心をつかんで盛り上がってヒットを続け、7週、8週と10位以内にランクインし続けたからです。それ以前の二曲のシングルで固めた固定ファンの数は少なく、一般リスナーにとってはまだまだ「菊池桃子?誰やそれ」という感じで無名だったので、この曲が一般リスナーの心によほど響いたのでしょう。もちろんその前の二曲で業界内のディレクター、プロデューサーの高い評価をすでに得ていて、ラジオ番組などでヘヴィーローテーションしてもらうなどの応援もあったのかもしれません。でも、このヒット曲にめぐりあわなければ、今の菊池桃子はこの世に存在しません。この曲のあと菊池さんは固定ファンの力でオリコン一位を取れるようになりますが、しかし、10ほどに息の長いヒット曲は出ませんでした。
さて、二回目の公演では、「BOYのテーマ」のあとのMCで菊池さんに「照れても、目が合ったら逸らさないでください」と最前列中央に座っていた私がいじられました。
しかし、私の反応が誤解されています。
私は桃子さんと目が合ったときに「桃ちゃんのやさしい気持ちわかってるで、伝わってるで」という意味で大きく数回うなずいたのです。しかし、菊池さんは私が意志をもって目を逸らせた、視線を外したと受け取ったのでした。自信がなく不安なままそれでもやってきた菊池桃子らしい気弱な反応でした。
私は人間同士の意思疎通は難しいことをはっきりと思い知りました。しかし、野球にたとえれば、こっちは渾身の一球を投げ込んでいるのに捕逸、後逸されたような嫌な感じを残すような言いぐさでは指摘しないのも菊池桃子らしいと思いました。だから、この点について私にはわだかまりはありません。
菊池桃子を目の前にしているのに、帰ったらどういうふうにブログの記事を書こうかななんて、私は心のどこかで考えていたのかもしれませんから、菊池さんのご指摘は菊池さんの慧眼にもとづいているのかもしれません。
私が最前列の中央に座れたのは幸運でした。私の二回目のチケットの入場整理番号はすでに申し上げたように2番でした。ですから、まさか1番を追い抜いて自分が最初に席を取るなんてはしたないことはできないし、自分はまん真ん中には座れないと思っていたのです。しかし、入場整理番号1番をもっていたかたが同じ最前列でも三席ぐらい手前、右側に腰掛けたのです。大本命のこのまさかの自主的な"落馬"のおかげで私が無風状態のはずだった最前列のまん真ん中争いで先頭に躍り出て見事に一等賞をつかむことができました。
私個人としては、30周年記念の品川ステラボール公演にも行きましたが、ようやく、青春時代に菊池桃子を通して味わった喪失感から解放されたという思いに浸っています。
アイドルの末路はみんなそうだとはいえ、菊池桃子に関してはドラマ『恋はハイホー!』は低視聴率に終わり、シングル『ガラスの草原』はオリコン4位にとどまり、日本テレビ系の所属レコード会社バップのエゴでアイドル末期はTBS『ザ・ベストテン』は出演辞退をさせられました。菊池桃子からラ・ムーに移行するに当たって、ソロ・プロジェクト終了のはっきりとした告知もありませんでした。都会になじめずバスに乗って去っていく『恋はハイホー!』の「桃ちゃん」さながらであったアイドル菊池桃子を永瀬正敏ーーほどの美男子では私はありませんがーーのように悔しく悲しい思いで見送った思い出が私にはありました。今回、その喪失感からも解放されるほどに楽しいライヴでした。
さて、一回目の公演では、菊池桃子さんと左手と左手とでタッチできました。
本当はもっと中の座席に入りたかったのですが、しかし、男女のカップルに先を越されてしまいました。しかたなく左の通路側に座りました。ところが、その左通路を使って出演者が入退場しました。退場時に菊池さんの前に左の手の平を差し出すと、タッチして去って行ってくれました。菊池さんの手の指はとにかく熱かったです。今までハイタッチをした手、握った手のなかでも芸能人だけではなくすべての他人のなかでいちばん熱かったです。人生で一度も「この手を洗わずにいたい」と思ったことはなかったのですが、しかし、菊池さんの手に触れて初めてそう思いました。しかし、さっそくトイレに行ってしまったので、公衆衛生を最優先して、すぐに手を洗いました。
二回目の公演で11に入るまえに「次が最後の曲です」と菊池さん。「えー」という反応を求めていました。私は菊池さんに「一回目も来たから、(次が最後の曲なのは)知ってる」と言うのはやめておきました。