AKB48最近の卒業発表について思うこと | 不条理に抗う:女性アイドル最高評議会

不条理に抗う:女性アイドル最高評議会

不条理な経験について記します。その逆も書こうかな。
「アイドル最高評議会」とは「ジェダイ最高評議会」のパロディ。
記事を投稿するにあたっては時間をかけて推敲しています。しかし、まちがったこと、書き忘れたことをあとから思い出して加筆修正しています。

こんにちは。

 

大森美優に続き、川原美咲が卒業を発表しましたね。その前に発表したのが左伴彩佳、小林蘭、石綿星南、清水麻璃亜、平野ひかる、濵咲友菜、永野恵でした。

共通するのは、みなさん、選抜メンバーではないことです。入ったこともなかったように思います。

 

私は元々"辞める理由""転職する理由"を話させるのが嫌いです。だって、そのほとんどは成功しなかったから辞めるのですから。

しかし、アイドルがマス=メディアでしか活動ができず、仕事がなくなって自然に姿を消していく、スタッフとのあいたで"プロジェクト終了"の話し合いはあっても、世間には知らせない時代と違って、現代の「会いにいけるアイドル」は加入と脱退が制度として存在し、ファンとの関係が強く、SNSも利用できるので、気がついたら、芸能界からいなくなっていたというわけにもいかず、発表させるわけです。

破れて去っていく理由を敗者自身に語らせるのは野暮で残酷なようです。それでも、卒業公演をやってもらってオーダーメイドのドレスも着せてもらい、ファンに卒業をお祝いしてもらううことが敗者自身にとっても喜び、動機づけなのでしょう。敗者に対するケア、いたわりとしても必ず生誕祭もあるわけですよね。

 

もちろん、前田敦子、大島優子のように、卒業が芸能界への"勝ち抜け"である場合もあります。(前田敦子ですら七年も在籍しなかったことはとても大事なことをわれわれに教えてくれます。五年ぐらいアイドルをすれば、ファンがつく人にはつくし、上の人に引っ張り上げてもらえる人はもつ引っ張り上げてもらえるし、もう結果は出るのです。)しかし、それはグループの全盛期のみにできることです。今現在のAKB48は勝者でも勝ち抜けはできない状況です。たとえば、小田えりなによると、AKB48の仕事を除くと、移籍した事務所から彼女に入った仕事は三か月間で三つしかないそうです。

 

上記のメンバーとは対照的に、そろそろ生誕祭で卒業発表をするのではないかと思われていた村山彩希は卒業を発表しませんでした。卒業したからといってAKB48の活動以外に新たにすることがない、人気メンバーが卒業するとますますグループの人気が落ちるなどいろんな理由でたとえ辞めたくなっても辞められないのでしょう。勝ち馬に乗りたいタイプのファンは非選抜のメンバーに「運営に必要とされていない」と言いたがりますが、はたして選抜のメンバーの何人が芸能界に必要とされているのでしょうか。

 

岡田奈々の卒業は"敗退"でもなく、"勝ち抜け"でもなく、"引責"というアクシデントでした。そういうケースもありますが、勝者はずっと居座ることができるようになっています。

 

もちろん一回は選抜に入ったことのある"中堅"の卒業もあります。こういう"中堅"も卒業後は多難でしょうが、多少の利益を上げ続けているのなら、クビにはしにくいでしょうね。チーム制の休止も手伝って、この先、選抜を諦めた"敗者"はどんどん辞めていって、"敗者"よりはましでも順風満帆で勝ち抜けできる見込みのない"勝者""中堅"ができるだけ残ってAKB48は延命を図るのでしょう。