2、囚われ過去と、解き放つ未来・・・2
僕はまだ旅を終わりにしてはいけないと思う。
4
2006年、夏
夢から覚めた僕は夜勤の支度をしている。寝癖だらけの頭をなでつかして半分寝惚け眼でシャツのボタンを留めている。
鏡に写る姿は疲れている。
僕の朝食は夕方の四時。
とりあえず腹が減っているので適当に食べ物を口に入れる。
その後、後悔するほど胃がもたれる。
外には夏の太陽がまだ高いところにとどまって地上を見下ろしている。
そしてセミが騒いでいる。
日に焼けた小学生がプールのバッグを振り回し楽しそうに走っている。
不規則な生活は、いろんな所で支障をきたしていた。
好きなコーヒーを飲む回数が減った。
変わりに昼でも夜でも関係なく酒を飲むようになった。
疲れているのは病み上がりの体のせいだけではない。
最近あまり夢をみれなかった俺。昨日の夢にザックリナイフでやられた胸の傷跡を指でなぞっている。
蒸し返す暑さに傷が膿んでしまわないように気を使いながらシャツの襟を直す。
いくつかの人生の分岐点を通過して俺は今、ここに立っている。
ケイン、そっちはどうだ?
近年の異常気象は様々な所で影響を及ぼしている。
記録的な降雨量、土砂災害、富士山の早い雪解け、クラゲの大発生。
地球の病もかなり末期まで進行してまさにここ数年が峠なんだろうなと感じてしまう。
ビルの間は陽炎が揺らめき立ち、揺れた空気の中を汗だくの人達が行き交う。
ビルの中の人達はクーラーの効きすぎたオフィスでカーディガンを羽尾っている。
奇妙な光景。
そして僕もまたこの人生という奇妙で不可思議な物語の主人公である。
目的が定まらない放浪は放浪ではない。単なる浮浪。
僕はここらで小休止をいれてまた旅に出ることに決めた。
そう、フリダシに戻って一から始める事に決めたんだ。
この日はバイクに跨り出社した。
ようやく傾きかけた太陽に向かってヒマワリが揺れていた。
つづく
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2006年、夏
夢から覚めた僕は夜勤の支度をしている。寝癖だらけの頭をなでつかして半分寝惚け眼でシャツのボタンを留めている。
鏡に写る姿は疲れている。
僕の朝食は夕方の四時。
とりあえず腹が減っているので適当に食べ物を口に入れる。
その後、後悔するほど胃がもたれる。
外には夏の太陽がまだ高いところにとどまって地上を見下ろしている。
そしてセミが騒いでいる。
日に焼けた小学生がプールのバッグを振り回し楽しそうに走っている。
不規則な生活は、いろんな所で支障をきたしていた。
好きなコーヒーを飲む回数が減った。
変わりに昼でも夜でも関係なく酒を飲むようになった。
疲れているのは病み上がりの体のせいだけではない。
最近あまり夢をみれなかった俺。昨日の夢にザックリナイフでやられた胸の傷跡を指でなぞっている。
蒸し返す暑さに傷が膿んでしまわないように気を使いながらシャツの襟を直す。
いくつかの人生の分岐点を通過して俺は今、ここに立っている。
ケイン、そっちはどうだ?
近年の異常気象は様々な所で影響を及ぼしている。
記録的な降雨量、土砂災害、富士山の早い雪解け、クラゲの大発生。
地球の病もかなり末期まで進行してまさにここ数年が峠なんだろうなと感じてしまう。
ビルの間は陽炎が揺らめき立ち、揺れた空気の中を汗だくの人達が行き交う。
ビルの中の人達はクーラーの効きすぎたオフィスでカーディガンを羽尾っている。
奇妙な光景。
そして僕もまたこの人生という奇妙で不可思議な物語の主人公である。
目的が定まらない放浪は放浪ではない。単なる浮浪。
僕はここらで小休止をいれてまた旅に出ることに決めた。
そう、フリダシに戻って一から始める事に決めたんだ。
この日はバイクに跨り出社した。
ようやく傾きかけた太陽に向かってヒマワリが揺れていた。
つづく