11、囚われし過去と、解き放つ未来・・・
そして今に至るってわけ・・・。
ガヤガヤとする店内の中で、サカキさんの低い声だけがしっかり耳に届いた。
そしてサカキさんが話した中で、旅では無く観光に言葉が変わったことを僕は聞き逃さなかった。
「・・・旅の目的地は、場所とか土地だけではないんですね。希望が出来たらそれが旅の終わり…てこともある…ってことですね。」
「そうだね。初めてだったんだ、明確な目標が自分の中で生まれたことが。」
サカキさんは瓶コーラを飲み干して、煙草に火をつけた。
吐き出された煙が回想の跡を包み込んでいるように見えた。
明確な目標・・・リアリティのある夢。
二十歳の僕には沢山の夢があって、いつも~がしたい~でありたいと思っていた。
ただそう思っては釈然としないしがらみの中でもがいているように見えて少し自分が情けなかったりも感じたんだ。
僕の周りには分厚い防音の壁があって、周りに一切届かない僕の声。
わめき散らしても誰も気づかないんだろうと諦めもあったし、ただ、そのしがらみの中を暴れてる一匹の猿のように独りよがりだったのかもしれない。
カウンターから店のご主人が顔を覗かせて微笑んでいる。
「先生は本当に立派になったよ。この辺りじゃ知らない人はいないくらいだからね。今じゃなく子も黙る名獣医って名わけだ。ははははっ。」
大きな声で笑うご主人をよそに僕とケインはすっかり神妙になってしまった。
僕はおもむろに席を立ち背伸びをした。
「サカキさん。ありがとうございます。なんか・・・僕らも前に進まなきゃいけない気がしてきました。」
そういうと、サカキさんはやさしい笑みを浮かべた。
「なぁ、前に進むのは、そのラーメンを食べ終えてからだぞ。」ケインが茶化すようにそういうとサカキさんとご主人が今度は声を上げて笑っていた。
なぁケイン。これだけ沢山の人がいて、僕らは出会った。
いつか言ったよな?
出会いは偶然なんかじゃない、きっと意味があるから出会うんだ。
だから、僕らの出会いというのは必然的だ。
つづく
ガヤガヤとする店内の中で、サカキさんの低い声だけがしっかり耳に届いた。
そしてサカキさんが話した中で、旅では無く観光に言葉が変わったことを僕は聞き逃さなかった。
「・・・旅の目的地は、場所とか土地だけではないんですね。希望が出来たらそれが旅の終わり…てこともある…ってことですね。」
「そうだね。初めてだったんだ、明確な目標が自分の中で生まれたことが。」
サカキさんは瓶コーラを飲み干して、煙草に火をつけた。
吐き出された煙が回想の跡を包み込んでいるように見えた。
明確な目標・・・リアリティのある夢。
二十歳の僕には沢山の夢があって、いつも~がしたい~でありたいと思っていた。
ただそう思っては釈然としないしがらみの中でもがいているように見えて少し自分が情けなかったりも感じたんだ。
僕の周りには分厚い防音の壁があって、周りに一切届かない僕の声。
わめき散らしても誰も気づかないんだろうと諦めもあったし、ただ、そのしがらみの中を暴れてる一匹の猿のように独りよがりだったのかもしれない。
カウンターから店のご主人が顔を覗かせて微笑んでいる。
「先生は本当に立派になったよ。この辺りじゃ知らない人はいないくらいだからね。今じゃなく子も黙る名獣医って名わけだ。ははははっ。」
大きな声で笑うご主人をよそに僕とケインはすっかり神妙になってしまった。
僕はおもむろに席を立ち背伸びをした。
「サカキさん。ありがとうございます。なんか・・・僕らも前に進まなきゃいけない気がしてきました。」
そういうと、サカキさんはやさしい笑みを浮かべた。
「なぁ、前に進むのは、そのラーメンを食べ終えてからだぞ。」ケインが茶化すようにそういうとサカキさんとご主人が今度は声を上げて笑っていた。
なぁケイン。これだけ沢山の人がいて、僕らは出会った。
いつか言ったよな?
出会いは偶然なんかじゃない、きっと意味があるから出会うんだ。
だから、僕らの出会いというのは必然的だ。
つづく