4、囚われし過去と、解き放つ未来・・・4 | ジャックオールロックのブログ

4、囚われし過去と、解き放つ未来・・・4

バスの窓からはこれから始まる放浪への不安と期待と秋の夜露で輝いて見えた。



空港から郊外へ進むにつれ、空を覆っていた雲は次第に厚くなっていき、ポツリポツリと雨がバスの窓を濡らしていた。

ケインは窓の外をぼんやりと眺めている。
「…やな天気だ…さすがに傘まではもってない・・・。」

そうだな、確かに、
僕「ああ、仕方ない、さい先悪いが、早速寝床を探そう」

もうすでに所持金は半分、カプセルホテルにしても体力のある初日から利用するのは気が引けてしまう。


バスは国道235号に乗り、苫小牧から海岸線を通り日高に行き先を向けていた。

乗り合い客も入れ替わりが無くなり、僕はバスの利用客を暇つぶしに観察していた。

ふと窓の外を見ると閑散とした夜の町がそこにあった。まだ、生活の明かりが残る海辺の町を通り過ぎる前にと、どちらからともなく僕らは席を立ちバスを降りた。

そこのバス停で降りたのは僕ら二人だけだった。

走り去るバスの窓から、手を振る子供の姿が見えた。
少しだけ肩の力が抜けた。


雨は本降りにまではならなそうだ。
ただ風が少し強くなってきている。

ひんやりと湿った風は、これから始まる放浪の向かい風となって襟元に入り込んでくる。

右手にズタ袋をにぎり、左手に酒瓶をもち、時々それを口に含む。
二人は走り去るテールランプを眺めながら東へ進んだ。

どのくらい歩いたのだろう、夜なので距離感がよくわからない、大体1時間ぐらい歩き続けたと思う。

目の前に沙流川という河川名が書かれた標識が見えた。

僕らは、海と川がぶつかる少し広くなった河川敷まで降りて、まだ乾いている木を探してあるいた。
僕「今日の寝床はここだ・・・とりあえず雨はしのげる」
ケインは少し疲れた表情で「・・・雨はな(笑)」と言い放って僕らは顔を見合わせて意味も無く笑った。

決して途方に暮れるわけでもなく、刻一刻と気温と体温が下がってくるのが、指先の震えでわかったので、とりあえず片っ端から木を集めた。

集めた木に火を放ち、沙流川の橋の下で火の粉が飛び交うのを眺めている。
火は温かい。

日が沈んだ今、その何処からか流れ着いたであろう流木の火は気持ちと体を充分に温めてくれた。

なんとなく流木が好きになった。


少し濡れてしまった地図を丁寧に広げてる。


そして赤い火に照らされる中、今の現在地、沙流川に印をつけた。




つづく