生理があるからといって安心しないで!子宮や卵巣の病気に気をつける方法
子宮や卵巣の病気に気をつける方法は、以下のようなものがあります。
■定期的に婦人科検診を受ける。
卵巣腫瘍や卵巣炎などは、初期の頃は自覚症状がないことが多いので、早期発見・早期治療が重要です。
婦人科検診では、子宮頸がん検査、経膣エコー検査、性感染症検査、女性ホルモン検査、AMH検査などを受けることができます。
■生活習慣を見直す。
過度なダイエットや激しい運動、ストレスなどは、卵巣の機能を低下させる原因になることがあります。
栄養のバランスの良い食事をとり、十分な睡眠をとるなど、健康的な生活を心がけましょう。また、カラダが冷えやすい飲み物やファッションは、子宮や卵巣を冷やしてしまうので避けるようにしましょう。
■性感染症に注意する。
クラミジアや淋菌などの性感染症は、卵管炎や卵巣炎の原因になることがあります。性行為の際には、コンドームを着けることで予防することができます。もし性感染症にかかった場合は、必ずパートナーと一緒に治療しましょう。
以上の方法を実践することで、子宮や卵巣の病気を予防したり、早期に対処したりすることができます。ご自身の健康に関する不安や疑問がある場合は、必ず医師に相談してください。
生理が毎月起こるということは、子宮や卵巣がしっかりと機能しているということではありません。
生理は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという女性ホルモンの働きによって、妊娠に備えて子宮内膜が厚くなり、妊娠しなかった場合にはがれ落ちて体外に排出される現象です。
しかし、生理があっても、子宮や卵巣に病気がある可能性はあります。
例えば、子宮筋腫、子宮頸がん、子宮内膜症、卵巣嚢腫、卵巣がんなどは、生理があっても見つかることがあります。
また、卵巣の機能は年齢とともに低下し、40代半ばぐらいからは、月経があっても無排卵月経が増え、妊娠する力もなくなっていきます。
したがって、生理の周期や量、痛みなどに異常がある場合や、妊娠を希望する場合は、定期的に婦人科検診を受けて、子宮や卵巣の状態をチェックすることが大切です。
婦人科検診では、子宮頸がん検査、経膣エコー検査、性感染症検査、女性ホルモン検査、AMH(抗ミュラーホルモン)検査などを受けることができます。AMH検査は、卵巣予備能を見る検査で、妊活を急ぐべきかどうかの一つの目安となります。
通常であれば、規則正しい生活をしていると生理も順調にやって来ます。
しかしストレスや病気などで体に異常があると、生理がおくれたり、止まったりして体の不調を訴えてくれます。
「妊娠などまだまだ先のことだし、生理がないことをラッキー」くらいに思っている若者もいます。 生理ががないということが、女性にとってどれだけ危険なことか理解しているのでしょうか。
生理が長い間止まっていると、たいへんなことになるんですよ。
どうなるのかというと!女性ホルモンが限りなく減ってしまうのです。
これは、閉経と同じ状態なのです。
この状態では、50代位から現れる更年期障害と似たような症状まで出てきます、 1度機能を休止したものを、またもとのように動かすことは、とても難しいです。
生理が止まったままにしておくと!子宮内への血流が減り、子宮が萎縮してしまうのです。そうなると卵子も使われるこよなく、そのまま干からびたかのようになってしまうのです。
こんな風になると、いざ妊娠しようと思っても、その時では、もうどうすることもできないのです。遅すぎるのです。 生理が来なかったり、不規則な場合は、できるだけ早く産婦人科へ行くことをおすすめします。
男性は、普段から、体の調子をはかるバロメーターがありません。どこかが痛くなったときには、「時すでに遅し」という状況にも成りかねません。 そういった意味では、女性には事前告知機能が備わっているのでそれをフル活用した方がいいですね。
基礎体温にも妊娠のヒントがいっぱいある
基礎体温とは、安静時の体温のことで女性の体のサイクルを知るための重要の指標です。
一見面倒くさそうですが、簡単にできます。
やることといえば、朝起きてすぐに体温を測るだけです。
しばらく計測を続けていくと、体温の高い時と低い時があることがわかります。
体温が低い時は、月経開始とともに12日~18日間ほど続きます。
その後、卵子が卵胞から飛び出し着床へ向けて子宮の内膜も厚くなります。
その間が最も高温期になり、これも12日~16日ほど続きます。
その後月経がはじまり体温も下がっていきます。 低温期のみで高温期がなかったり、合っても極端に短かったり、低温期と高温期の差が0.3度以下だったりした場合は、なんらかのホルモン分泌分泌機能不全を疑うべきです。
早めに医者のいくことをおすすめします。 自分の体のことは、自分で守ってあげなければなりません。
生理によって、体調の管理ができるので、赤ちゃんを産める体を維持するためにもしっかりと管理をしてあげてくださいね。
生理がつらいときにピルを使うといい
生理がつらいと感じる方は、多くの女性にいらっしゃいます。生理痛や月経前症候群(PMS)など、生理に伴う不調は、ホルモンバランスの乱れが主な原因です。特に、排卵から月経に向けて起こる、女性ホルモンの大きな変動が、身体的・精神的な不安定さを引き起こします。
そこで、生理がつらいときにおすすめなのが、ピルです。ピルとは、生理周期を調整している2種類の女性ホルモンを含む経口避妊薬のことです。ピルを服用することで、体内のホルモンバランスを安定させ、生理に伴う不調を改善する効果が期待できます。
ピルには、以下のような効果があります。
- 生理周期の正常化や調節
- 生理痛の改善
- 月経前症候群(PMS)の改善
- 子宮内膜症の症状改善
- ニキビや多毛症の改善
- 貧血の改善
- がんのリスク軽減
ピルの効果について、詳しく見ていきましょう。
■生理周期の正常化や調節
生理不順は、ホルモンバランスの乱れが主な原因です。特に、ストレスや急激なダイエットにより、生理周期が崩れやすくなります。ピルを服用することで、女性ホルモンのバランスを整え、正常な生理周期へと促します。また、ピルの服用時期をずらすことで、生理を移動することも可能です。
■生理痛の改善
ピルは避妊目的だけでなく、生理痛の軽減にも効果があります。ピルに含まれる女性ホルモンが、生理痛の原因となる子宮内膜の増殖や子宮の収縮を抑えて、生理痛を緩和させます。また、経血の量や、生理の回数を減らすことで、身体の負担を軽減できます。
■月経前症候群(PMS)の改善
月経前症候群(PMS)とは、月経の数日前(3~10日前)から続く、さまざまな身体的・精神的な不調のことをいいます。
下記のような症状が毎月あらわれ、月経開始とともに症状が減る、または消失するのが特徴です。
身体的な不調(胸・下腹部の張り、下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気、むくみ、肌荒れ、食欲増進・減退、眠気など)
精神的な不調(情緒不安定、イライラ、不安、落ち着かない、抑うつ気分など)
月経前症候群(PMS)は、排卵から月経にむけて起こる、女性ホルモンの大きな変動が原因だと考えられています。ピルを服用することで排卵を防ぎ、体内のホルモンを安定した状態に保つことで、症状の軽減が期待できます。
■子宮内膜症の症状改善
子宮内膜症は、子宮内膜や子宮内膜に似た組織が、子宮の内側以外に発生し発育する病気です。子宮内膜症の主な症状は、以下のとおりです。
- 痛み(下腹部痛や腰痛、性交痛など)
- 経血量が多い(過多月経)
- 不妊
子宮内膜症には、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく影響するとされています。
ピルを服用し、ホルモンを一定にコントロールすることで、病気の進行や病巣が広がるのを防ぐことが可能です。
■ニキビや多毛症の改善
ピルに含まれる女性ホルモン(エストロゲン)には、皮脂分泌を抑えたり、男性ホルモンの働きを抑える作用があります。ピルを服用することで、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を抑え、肌トラブルの改善が期待できます。
また、女性ホルモンを補充し、ホルモンバランスを整えることで、多毛症の改善も期待できます。
■貧血の改善
ピルの服用は、子宮内膜が厚くなるのを防ぎ、経血量を減らします。結果的に、血液中に含まれる鉄分の流出が抑えられ、貧血の改善につながります。
■がんのリスク軽減
ピルを服用して卵巣を休ませることで、卵巣への負担が減り、卵巣がんなどの発生リスクを軽減できます。また、子宮の内側以外で発育してしまった異常な子宮内膜も、定期的に剝がすことができるため、子宮体がんのリスクも軽減できます。
以上、生理がつらいときにピルを使うといいということについて、産婦人科医の立場から解説しました。ピルには、避妊だけでなく、生理に伴う不調を改善する効果があります。
しかし、ピルには種類や副作用もありますので、服用する前には必ず医師に相談してください。自分に合ったピルを見つけることが、快適な生理を送るための第一歩です。