言葉を捻じ曲げて人格攻撃をする。それを「誹謗」という | 偕楽園血圧日記

言葉を捻じ曲げて人格攻撃をする。それを「誹謗」という

 いやはやなんとも。

 昨日取り上げた上川外相の「うまずして」発言。
 文字通りに取ればこれは「女性の力が新知事を誕生させるのだ!」という鼓舞でしかないのだが、それがなぜか、

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文脈上出産ではなく知事を誕生させるという意味だから今回のは切り取りって意見があるけど、仮にそうだとしても要は「大村氏を応援しないようなヤツは女性ではない」って言ってるんでしょ。
真意と違う形で批判されてるのはそうかもしれないけど真意通り受け止めても明確に問題発言。
普通に「女性の皆様も応援していきましょう」くらいに言っとけば問題ないのになんでこういう対立を煽るような「強い言葉」を使うんだろう?
その表現センスのなさが「真意と違う形で」の解釈を生み批判を呼ぶことに気づいてないのかな。
まあこれは外相だけでなく岸田派ひいては自民党議員全般に言えることな気がするが…

 ヤフージャパン配信 共同通信5/19(日) 10:04「上川外相が静岡知事選巡る発言撤回」コメント欄より

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「応援しない女性は女性じゃない」というふうに脳内変換される人間がいる。
 もう「キャシャーンがやらねば誰がやる」も理解されない時代になっているのだな。

 というかこの「○○でなければは排除だ!」論は左がいちゃもんをつける時によく使う手。やくざの因縁付けにも通じるものでもある。

 そしてそれに便乗する、

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 外相としての資質疑われる発言と立民代表

 立憲民主党の泉健太代表は19日、上川陽子外相の静岡県知事選を巡る発言に関し「冷静に言葉を伝えなければ、外交上の問題も発生する。外相としての資質も疑われる発言だ」と記者団に語った。
 共同通信 5/19(日) 19:40

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 政治レベルの低い野党第1党と、それを嬉々として報じる「火付け元」。

 やれやれ(ため息)。

 そもそもこれは女性支援者の会での発言なのだから、そこで「女の力を見せましょう! ここでやらねば女が廃る!」といってなにが問題なのか。

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 蓮舫氏は、上川氏の発言を報じたネットニュースを引用した上で「女性は『産む』との前提。『比喩』だとしても、もう、やめてほしい。本当に痛い」と、厳しい言葉をまじえて投稿。「産む産ま>ない、結婚するしない。別姓を主張する。どれも『ワガママ』という時代を終わりにしたいのに総理候補と言われる方がこの発言。産む機械と言った方も静岡の自民党代議士でした」ともポストし>た。

 日刊スポーツ 5/19(日) 13:38配信「蓮舫氏、上川陽子外相『うまずして何が女性』発言を元厚労相の「産む機械」発言と重ねて批判」より

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 と、「生む」の日本語が分からず噛みついている人間や、

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 立憲民主党の小西洋之参院議員が19日までに、X(旧ツイッター)を更新。静岡県知事選(5月26日投開票)で自民党推薦候補の応援演説に入った上川陽子外相の発言について批判した。
(中略)
 小西氏は上川氏の発言を伝える記事を添付し「『この方を私たち女性が生まずして何が女性でしょうか』と述べたという」と記述。「女性であることと自民候補を当選させることは何の関係もない。とすると、上川外相に『子どもを生まずして何が女性か』という偏見、差別意識がなければ生まれない暴言だ」とつづり「外相失格というほかない」と批判した。

 日刊スポーツ 5/19(日) 17:24配信「小西洋之氏『うまずして…』発言の上川陽子外相批判『偏見、差別意識がなければ生まれない暴言』」より

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 と騒いでいる人間は、自分たちの何にこそそういう「差別偏見意識」があるからだと知れ!


 まったく。
 テレビでは「山口真由氏『自民党なんだと思う』上川氏『うまずして発言』が口をつき、受け入れられた要因分析」(日刊スポーツ 5/20(月) 11:25配信)と、今まで菅(直)総理がなにを言ってきたかも忘れて一方的な「政治的」決めつけを垂れ流すし。

 こんな「悪意を持った捻じ曲げ」と「レッテル貼り」で、

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 首相「誤解を招く表現は避けるべきだ」 上川外相発言に苦言

 岸田文雄首相は19日、上川陽子外相が静岡県知事選の応援演説で自民党推薦候補の当選に向け「この方を私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」と発言したことを巡り、「誤解を招く表現は避けるべきだ」と苦言を呈した。視察先の山形県酒田市で記者団に語った。
 上川氏は18日、女性支持者らが集まる集会で発言。出産したくても困難な状況にある人への配慮に欠ける発言ではないかと一部で受け止められ、上川氏は19日午前、発言を撤回していた。【内田帆ノ佳】
 毎日新聞 5/19(日) 14:06

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 総理から注意を受けて、

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 上川外相が「生まずして何が女性か」発言を撤回…「指摘を真摯に受け止める」

 上川外相は19日、静岡県知事選の自民党推薦候補を応援するために行った18日の演説で「この方を私たち女性が(知事として)生まずして何が女性でしょうか」などと発言したことについて、「真意と違う形で受け止められる可能性があるという指摘を真摯に受け止める」と述べ、撤回した。静岡市内で記者団に語った。
(後略)
 読売新聞オンライン 5/19(日) 11:00

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「発言撤回」となるのだから、なんというメディア主導の言論封殺社会なのだろう、今は!


 本日の奇祭シリーズ。

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 踊る3匹の青鬼 紫式部ゆかりの石山寺で800年前から続く祭り


(写真、朝日新聞デジタルより。山門で「青鬼踊り」を披露する青鬼=2024年5月19日午前10時36分、大津市の石山寺、林敏行氏撮影)

 大津市の石山寺で19日、約800年前から続く「青鬼まつり」があった。
 死後に青鬼の姿となり、民衆を守ったとされる寺の僧侶、朗澄律師(ろうちょうりっし)をしのぶ法要。地元住民が扮する3匹の青鬼は、寺の関係者らと新緑が彩る参道を練り歩き、山門前の広場に登場。杉の葉で作った高さ5メートルの青鬼像の前で法要を執り行った。その後、三味線の音色にあわせ「青鬼おどり」を披露した。
 石山寺は紫式部が「源氏物語」の構想を練ったとされ、現在放送中のNHK大河ドラマ「光る君へ」にちなんだ展示も行われている。(林敏行)
 朝日新聞デジタル 5/19(日) 18:30

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奈良の當麻寺では黄金の菩薩が行進し(2024/04/18の記事、「『耳を疑った』のはこちらだよ」参照)、こちらは鬼が。
 いろいろ歩くなぁ。

「青鬼」といいながら体が緑なのは、昔の日本語では青と緑の区別がされなかった名残りだろうか? 着ぐるみのデザインや素材は現代的だが。

 僧侶が死後鬼になったというのは珍しい伝承だな。六道では普通そういう転生ルートはないのだが……。
 鬼は邪鬼・餓鬼のように人に仇成したり公卿に落ちたりするものを指す一方で、地獄では亡者を更生させるための監督官として仏法の守護者としても描かれる。
 西洋の「悪魔」がもうただ単純に「人の敵」になっていることと比較すると、なかなか面白い。

 そして西洋かぶれの人間は分かりもしないが、仏教は「哲学」。
 これが広く普及している日本は、決して西洋に思想で劣ることはない。