日本を「謝ったら負け」社会にしてはいけない | 偕楽園血圧日記

日本を「謝ったら負け」社会にしてはいけない

 昨日のエントリー、上げたと思っていたが忘れていた。
 再送しておこう。


 またいきなり気温が低下、合布団では寒いぐらいだ。
 なんなのだろうか、まったく。


「なんなのだろうか」といえば、

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 伊藤環境相が直接謝罪 水俣病団体のマイク遮断で 熊本


(写真、時事通信より。水俣病の被害者団体に謝罪する伊藤信太郎環境相(右)=8日午後、熊本県水俣市)

 環境省職員が水俣病の被害者団体との懇談でマイクを切り、参加者の発言を妨げた問題で、伊藤信太郎環境相は8日、熊本県水俣市を訪れて関係団体と発言者に面会し、「心からおわび申し上げる。深く反省しており誠に申し訳ない」と直接謝罪した。
 これに先立ち、伊藤氏は同日、環境省で記者団の取材に応じ、和田篤也事務次官と神ノ田昌博環境保健部長を厳重注意したと説明。「大変遺憾で、発言されていた方に申し訳ない。省の責任者である私自身が出向いて謝罪することが必要だと判断した」と話した。
 時事通信 5/8(水) 17:23

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 この件もまた「なんなのだろうなぁ」と思えてしょうがない。

 なるほど確かに、人の発言中にマイクを切るなど、例え持ち時間制でやっている中でも「失礼」なことである。
 そこは穏便に「時間なので次の方にマイクをお渡しください」と促すようにすべきだった。

 今回、いつもの「切り取り」ばかりしている新聞が、、

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 どんな流れでマイク消音に? 環境相と水俣病患者の懇談要旨

 熊本県水俣市で1日にあった水俣病の患者らでつくる8団体と伊藤信太郎環境相との懇談で、発言途中にマイクの音が消された水俣病患者連合の松崎重光副会長の発言要旨と、一連の主なやり取りは以下の通り。

松崎さん こんにちは。忙しい中、本当に申し訳ございませんが、私は水俣病患者連合の副会長をさせてもらっている松崎重光と申します。
 私の家内は去年の4月に「痛いよ、痛いよ」と言いながら死んでいきました。結果としては、これは水俣病やと私は思っています。(妻は)魚が好きで、私は漁師だったので、2人で仕事をしていました。(原因企業の)チッソさえ水銀を流さなければ、死ぬことはなかったと思っております。それを、国が「水俣病ではない」と棄却ばっかりして、やっぱり、水俣病だったんだろうなと思っております。
(妻は)苦しんで、苦しんで死んでいきました。私は病院に連れて行き、どうにかできませんかと(話したら)「モルヒネ打ってみなさい」と。「少しずつ入れていきよるばってんね、止まってくれれば良いけどね」と言われました。海に生きて、海で死んで、私は本当に悲しいです。
 私はいつも思っているんです。やはり水俣の会社が水銀をたれ流さんと、こういうことにはならなかったんだがね、と。私はいつも家内と話していました。
(発言開始から約5分経過)
環境省職員 申し訳ございません、お話をまとめてください。
(※マイク切れる)
会場の声 スイッチが切られた。
会場の声 あんたら、本当に水俣の被害者のことを考えたら、しゃべらせたら良いのに。
会場の声 理不尽や。
会場の声 聞いてやれーな、大臣。
(※マイク入る)
松崎さん 苦しんで、苦しんで死んでいった者の気持ちをくんでいただけませんか。お願いします。以上です。
 毎日新聞 5/8(水) 17:29

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 こんな「実況」を書いてくれていて、この「促した」だけで済ませておけばよかったのだ。

 なんとも不味いやり方だが、私が知っている中央官庁の官僚の「価値観」的には「やりそうだな」と思えるもので、実際これをやった官僚にしても「なにが悪い。そういうルールが決まっていたのだし」としか思っていないだろう。
 その結果大臣が頭を下げることになっているのに、彼らとしては特に何も感じていないはずだ。

 とはいえ、それでも相手の代表である大臣が頭を下げているのだ。被害者側としても「うん、まあ、私らの方も初めにいわれた時間を守らなかったし。次はもっと時間をとって自由討論みたいな感じでやりましょう」ぐらいのことをいって握手しておけばいいのに。なんだかやたらと高圧的で。

 そしてこれを伝えるメディアが、たとえばNHKでは、

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(画像、NHK NWWSWEBより)

「水俣病被害市民の会」の代表らと面会
 伊藤大臣はこの対応について「不適切な対応でおわびしたい」として、8日水俣市を再び訪れて、午後5時すぎからマイクを途中で切った団体のひとつ「水俣病被害市民の会」の山下善寛代表らと面会しました。
 冒頭に伊藤大臣は参加者ひとりひとりに対し頭を下げ「大変申し訳なく心からおわび申し上げたい」と謝罪しました。
 山下代表が「被害者の声を聞く場を再度、設けてもらいたい」と述べ、要望書を大臣に手渡しました。
 参加したほかの団体のメンバーからは「患者や患者団体を極めて愚弄し、非常に乱暴なやりかたで運用された」などの声があがっていました。
 伊藤大臣は「環境省全体の責任でありまた環境大臣の責任だと思って深く反省している。3分という時間は十分ではなく、もっと長く皆さんがお話できる場を作るべきだと考えている」と話していました。

 NHK NEWSWEB 2024年5月8日 20時42分配信「発言中にマイク音切り 環境相が水俣病患者団体などに直接謝罪」より

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 という絵を流しているのに、新聞媒体の中には、


(写真、朝日新聞デジタル 5/8(水) 18:08配信「環境相、水俣で当事者に直接謝罪 マイクオフ問題で『反省したい』」より)

 こんな写真を掲載しているところがある。

 上の時事の記事でも頭を下げる大臣に患者団体側が座ったままの写真をつけているが、心臓に持病のある私としては「体調の具合もあるのかもしれない」という見方もしてしまう。
 が、これはいただけない。
 少しも頭を下げていない瞬間を「切り取った」のか、それともずっとこういう態度だったのかはわからないが、朝日が「そういう意図」を持ってやっていることだけはよくわかる。

 見出しもまた、

「環境相謝罪も患者に渦巻く不信感 『自ら重大性に気付いたか疑問』」(共同通信 5/8(水) 20:30配信)
「伊藤環境相が謝罪 被害者側『団体を愚弄して乱暴な運用された』」(毎日新聞 5/8(水) 21:44配信)
「『向き合わない姿勢こそ問題』マイクオフ、患者らが国に訴えたいこと」(朝日新聞デジタル 5/8(水) 22:15配信)


 感情を煽るようなものが並べば、いつものヤフコメには、

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あの場面は見ていて心が凍った。
大臣出席の上での懇談会であった。
懇談会とは何か。
お互いが自分の意見を交換する事である。
大臣は被害者の会の生の声を聞く面談だった。
3分の時間制限、しかも事前に何も言ってない。
意見を言う人たちの年齢は相当の高齢者と見た。
その様な人たちに意見をまとめて3分で終われと言う非常さ。情けない。
あの室長は担当者として懇談会の趣旨を理解していない様だった。
大臣が来て形式だけの顔合わせ。
懇談会をやりました。大臣も喜んでいました。大臣の行動に対して高く評価
されました。等のやった感だけの懇談会であった。
被害者の声を聞くなどの暖かい気持ちはゼロ。単にやったんです。
こんな無神経な室長はいらない。降格左遷させろ。
あまりにもひどい仕打ちだった。官僚とはこんなものか。

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何回映像を観ても身が凍ります。
税金から給料を貰い、環境省の職員でまさに水俣の担当者でありながら、まともな仕事をしないのです。
後の謝罪もどれだけ心ある謝罪か疑わしく感じてしまいます。
頭がよくても、人間として何か足りないのではないでしようか?
被害者の方々が話してらっしゃるマイクの音量を消すとは異常な行為で、驚嘆しております。寒々した日本になり悲しく思います。

 共同通信5/8(水) 16:01配信「伊藤環境相、水俣で直接謝罪 マイク遮断問題で被害者に」コメント欄より

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 あまり一般的には使わない「心が凍る」という表現のコメントがつき、そういう「空気」が作れるとなると、野党の人間が、

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 マイク切り「人の道に反する」 野党、環境省を一斉批判 水俣病

 環境省が水俣病の被害者団体と伊藤信太郎環境相の懇談会でマイクを切るなどして団体側の発言を遮った問題で、野党は8日、「人の道に反する」(立憲民主党の安住淳国対委員長)などと伊藤氏や環境省を一斉に批判した。
 
後半国会で追及を強める構えだ

 安住氏は国会内で記者団に対し、前身の環境庁が創設されたのは公害対応のためだったとした上で、「経緯を考えたら、あんな態度を取れるわけがない。志が全くなくなったのだろう」と指摘。「聞く耳を持つ内閣のやることなのか」と述べ、「聞く力」をアピールする岸田文雄首相の見解もただす考えを示した。
 日本維新の会の藤田文武幹事長は記者会見で「都合が悪そうなことがあるから(マイクを)切ったとすれば良くない」と語った。国民民主党の古川元久国対委員長は「考えられない行為だ。厳しく問われなければいけない」と強調した。 
 時事通信 5/8(水) 17:11

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「人として~」という人によってスケールが違うので基準にならない道徳の問題にして攻撃を始める。
 また「大臣の首狩り」が成功するまで騒ぐつもりなのだろう。馬鹿らしい。

 さっそく、

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 水俣病発言制止、法案に波及 岸田首相、環境相を厳重注意

 自民、立憲民主両党の参院国対委員長は9日、国会内で会談し、参院環境委員会で同日予定していた再資源化事業高度化法案の採決を見送ることを決めた。
 環境省職員が水俣病被害者団体との懇談で発言を遮った問題を受け、立民側が採決に反対。自民が来週以降への先送りを受け入れた。
(後略)
 時事通信 5/9(木) 14:00

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 こんなことをやっているし。

「安倍政権下での改憲がどうたら」もそうだったが、 万民・社会が対象の法律案をただ「あいつがいるから」という属人的要素で止めようとするなど、まったくくだらない。

 もう一度書くが、発言中にマイクを切るなどまったくとんでもない失礼な行為で、担当職員は譴責処分を受けてしかるべきもの。だが大臣が頭を下げている時点で、関係者は寛容さを発揮して「次」に進むべきである。
 メディアや野党の態度は、その「次」をなくす方向にしか働かない


 なんだか彼らのやっていることを見ていると、韓国社会のようでなんとも辟易する。

 彼の国では、先日の総選挙で勝利した野党がさっそく、

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 梨泰院事故調査の法案可決 韓国、真相や責任究明へ

【ソウル共同】韓国国会は2日、本会議を開き、ソウル・梨泰院で日本人2人を含む159人が死亡した2022年の雑踏事故の真相究明を目指す法案を賛成多数で可決した。事故原因や責任の所在を改めて調べる特別調査委員会の設置が柱。
 議席の過半数を握る野党「共に民主党」主導で1月に一度可決した後、尹錫悦大統領が拒否権を発動し、遺族らが反発していた。与党「国民の力」が求める修正が加わり、成立する見通し。
 事故を巡っては、安全対策を怠ったなどとして警察署長や区長らが起訴されたが、遺族らは徹底した原因究明や政府の責任追及を要求。
 共同通信 5/2(木) 18:38

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 特定の群衆事故に限って政治責任を問うものにする法律を作ろうとしているし、一民間企業の起こした事故でも、

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 セウォル号遺族の国家賠償確定…韓国法務部が上告放棄

 韓国法務部は先月31日、セウォル号沈没事故の遺族が国を相手に起こした訴訟で大法院(最高裁)への上告を放棄することを決めたと明らかにした。ソウル高裁は先月12日、チョン・ミョンソン4・16民主市民教育院長らセウォル号事故遺族228人が国と清海鎮(チョンヘジン)海運を相手取り起こした損害賠償訴訟の控訴審で原告一部勝訴の判決を出した。
 法務部のこの日の決定でセウォル号遺族らは国を相手に訴訟を起こしてから8年ぶりに総額868億ウォン(約91億円)の賠償額を受け取ることになった。ソウル高裁は国軍機務司令部(現国軍防諜司令部)の違法調査など2次加害による被害も追加で認めた。
 法務部の韓東勲(ハン・ドンフン)長官は「刑事処罰が確定するなど国の責任が法律的に認定され、金額に対しても法原則基準から大きく外れていない以上、大法院まで行って確定を先送りするよりも速やかに被害回復を確定するのが良いとみたもの。国民被害回復の問題は保守と進歩の問題ではない」と説明した。
(後略)
 中央日報日本語版 2023/2/1(水) 8:37

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 なぜか「国が賠償せよ」という判決が出されたりする。


 「慰安婦問題」などに見るように、「被害者は道徳的に上」という社会文化が、こういうことを「正当化」させているのだ。
 今回の水俣病での会合で騒いでいる勢力を見ていると、この韓国人たちを見ているようで。
 日本社会が「韓国的」なものになってきている気がして、なんとも暗い気持ちになる。


 本日のお宝。

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「おもちゃのハローマック」まさかの模型化! “お城屋根”は新規金型で再現 東京靴流通センター版も発売


(写真、乗りものニュースより。「ロードサイドショップ(おもちゃのハローマック)」のイメージ(画像:トミーテック))

「マックライオン」も再現
 トミーテックは2024年5月8日、鉄道模型ブランド「TOMIX」の新製品として「おもちゃのハローマック」などの建物模型を発売すると発表しました。

 おもちゃのハローマックは、1985(昭和60)年から2008(平成20)年まで存在した玩具店です。建物は“メルヘンなお城”をイメージしたギザギザ屋根が特徴で、白とピンクの外壁にオリジナルキャラクター「マックライオン」が描かれていました。
 閉店後のハローマックの一部店舗建物は、同じチヨダ運営の東京靴流通センターなどに改装されて使われています。

 今回の新製品「ロードサイドショップ(おもちゃのハローマック)」は、Nゲージスケールで登場。特徴的な屋根形状を新規金型で再現したほか、屋根の看板は印刷済みです(一部はシールで再現)。
 さらに店内のレジ台や什器は、ある程度自由に配置できるといいます。駐車場や歩道は取り外しが可能です。
 また、同様の建物で新製品「ロードサイドショップ(東京靴流通センター)」も登場します。ハローマックの特徴的な屋根形状を継承しつつ、赤地に大きく白い字で「靴」「東京靴流通センター」と書かれています。
 発売はどちらも2024年11月を予定。予価は各5940円(税込)です。
(後略)
 乗りものニュース 5/9(木) 11:12

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 いいなぁ。これ。

 昔は水戸にもこの看板があったな。
 それがトイザらスができて靴屋になったかと思えば、そのトイザらスも本家アメリカではAmazonに押されて潰れてしまった。
 ビジネスの世界は無情だ。

 Nゲージか……「/148 - 1/160」という半端な規格だな。
 どうしてもこういうストラクチャーは鉄道模型ファンの方を向いて作ってしまうのだろうが、ここはきちんと「1/144」とすれば、「ガンプラ」や「航空機」や「AFV(ガルパン含む)」のモデラーも視界に入ってくるのになぁ。
 日本では「Nゲージは1/150」というのが一般的だというから、これを「1/144」とするのはそれほど難しいことではないと思うのだが。

 まあ、昔はAFVに「1/72」と「1/76」という二つのラインナップがあって、中学生頃の私は「その他程度の縮尺の差など問題ない」として一緒に並べてジオラマとか作っていたから、今でも「150と144くらいなら」と思ってしまうけど(笑)。