また「政界の常識」からは目をそらすのか | 偕楽園血圧日記

また「政界の常識」からは目をそらすのか

 いやはや。連日NHKがニューストップで「安倍派が安倍派が」と攻撃しているパーティー券の話。

 とうとう、

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 答弁回避「やましいから」 田中真紀子氏が松野氏批判


(写真、共同通信より。国会内で記者会見する田中真紀子元外相=8日午後)

 田中真紀子元外相が8日、国会内で記者会見し、自らの政治資金問題の説明を避ける松野博一官房長官を批判した。「答弁を差し控えるのはやましいからだ。それなら国会議員になるのを差し控えた方がいい」と皮肉った。
「11年ぶりに永田町の土を踏んだ。相変わらず空気がよどんでいる」と政界の現状を批判。その上で「野党がだらしないからといって、自民党に投票するのは駄目だ」と述べ、政権交代を可能にする「立派な第2政党をつくるべきだ」と訴えた。
 田中氏の父角栄元首相は「ロッキード事件」で逮捕された。今月は角栄氏の没後30年に当たる。
 共同通信 12/8(金) 22:07

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 こんな人間までしゃしゃり出てきたよ。

 呆れるなぁ。
 そもそも政治資金に関する法律が三木内閣で大幅改正されたのは、彼女の父親である田中角栄による「金権政治」への反発があったからではないか。
 それでもリクルート事件のようなものが起きたので「政治家個人への企業献金禁止」という形になり、その代わりにと「政治資金パーティー」という「抜け道」ができた。
 ならば今回はその「抜け道」をどう防いでいくかを考えていかなくてはならないのに、やられていることはただひたすらの「安倍叩き」

 枝野前立民代表も、国会という公の場で、

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 立憲民主党・枝野氏「われわれもかつての政党ではキックバックあった。問題は不実記載だ」

 立憲民主党の枝野幸男前代表は8日の衆院予算委員会の集中審議で、自民党派閥パーティー券をめぐる裏金問題に関して「
キックバック(還流)を否定するわけではない。われわれもかつての政党では、そうしたパーティーはあったし、褒められたことかどうかは別として違法ではない」と述べた。
 枝野氏は、問題はキックバックを政治資金収支報告書に記載しなかったことにあると強調。「政治資金規正法の意図的な不実記載という大変、重い犯罪になる」と指摘した。

 枝野氏は「ノルマを超えた売り上げがあった場合、(収支報告書に)パーティー収入として計上する。頑張って売ったから、その一部または全部を、何らかの名目で事実上、売った人に戻す。戻した資金の移動も収支報告書に載せる。われわれもかつての政党では、そうしたパーティーはあった」と明らかにした。
 そのうえで、自民党派閥のケースについて「売り上げをパーティーの収支として報告しない、キックバック分の収支も載っていない。それは裏金になる」と指摘。「裏金で政治資金として報告されていない金は、一般的には雑所得だ。報道されているような1000万円レベルであれば、所得税申告していなければ脱税になる」との見解を示した。
 産経新聞 12/8(金) 11:38

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 と「資金還流はやっていた。別に犯罪ではない」といっているのに、この発言はまるで大きく取り上げられない。

 ただ、「かつての政党では」どころか昨日取り上げた「立憲民主党の田中福岡市市議」に見るように「今でもやっている」。
 こんな話は「議員個人が資金管理をしない共産党以外の党はみんなやっている話」なことぐらい容易に想像つくだろう。

「政治資金の不記載」は、

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 日本維新の会・梅村みずほ参院議員、寄付金300万円を記載漏れ…「初歩的なミス」と謝罪

 日本維新の会の梅村みずほ参院議員(45)(大阪選挙区)の関連政治団体「梅村みずほ後援会」が、2020年と22年に同党国会議員団から3回にわたって受け取った寄付金計300万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことがわかった。このうち20年分の2回については21年5月に収支報告書を訂正していたが、22年分で再び記載漏れをしていたという。
 梅村氏は読売新聞の取材に対し、「初歩的なミスで、指導監督が行き届いていなかった」と謝罪した。22年分の不記載は今年11月29日に訂正したという。
 読売新聞オンライン 12/2(土) 8:47

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 維新の議員もやっているし、テレビニュースでうれしそうな顔で厭味ったらしく「自民がー」を繰り返している安住立民国対も、

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 立憲・安住氏もパーティー券収入を不記載 政治資金収支報告書を訂正


(写真、朝日新聞デジタルより。取材に応じる立憲民主党の安住淳国会対策委員長=2023年11月10日午後0時43分、国会内、里見稔氏撮影)

 立憲民主党の安住淳国会対策委員長は29日、自身の資金管理団体の2022年分の政治資金収支報告書に、30万円分のパーティー券収入を購入した団体名と金額を記載していなかったことを明らかにした。
 安住氏によると、22年4月に開いたパーティーで仙台市の団体から30万円の収入があったが、総務省に提出した報告書では団体名や金額などを記したページが欠落していたという。政治資金規正法は、パーティー1回につき20万円超を支払った人や団体の名前、金額などを報告書に記載するよう義務づけている。
 報告書の訂正は28日付。自民の派閥や東京都連などのパーティー券収入の不記載問題を受け、自身の事務所に点検を指示し、判明したという。安住氏は「私の責任だ。(追及で)先頭に立つ私が(訂正すべきだと)わかった段階で公表することは義務。申し訳ない」と記者団に語った。(里見稔)
 朝日新聞デジタル 11/29(水) 18:00

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 やっている。

 だから収支報告の厳格化とともに、規制の緩い「政治資金パーティー」に切り込まなくては

 パーティー券はその導入時から「誰が買ったのかわかりにくい」ということが指摘されてきた。

 はじめの頃はNHKも冷静に、

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 パーティー券 購入団体関係者「複数議員から依頼 別々に購入」

 自民党の派閥の政治資金をめぐる問題。収支報告書への記載が義務づけられている政治資金パーティーで、1回20万円を超える支払いを受けた団体の名前などを記載していなかったケースが相次いで明らかになっていますが、派閥のパーティー券を購入してきたという団体の関係者がNHKの取材に応じ、「同じ派閥の複数の議員から依頼され、同じパーティーで、議員ごとに別々 に購入していた」などと証言しました。
(中略)
 政治資金規正法は、同じ人や団体から政治資金パーティーで1回20万円を超える支払いを受けた場合に、収支報告書への記載を義務づけていますが、この男性の政治団体のパーティー券購入の支払いの一部が派閥側には記載されていなかったことがわかっています。
 男性の政治団体には、毎年、つきあいのある複数の国会議員の事務所から政治資金パーティー開催の案内が届くほか、秘書が事務所を直接訪ねてきて「よろしくお願いします」などと、パーティー券の購入を求めてくるということです。
 それぞれの求めに応じ、一口2万円のパーティー券を議員ごとに購入し、口座への金の振り込みも別々にしているといいます。
 議員ごとの支払いでみると、派閥側に記載義務のない20万円以下が多かったものの、複数の議員への支払い額を合計すると50万円を超えることもあったということです。
 NHK NEWSWEB 2023年11月25日 18時19分

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 こんなこともあるとやっていた。

 だから、もう一度書くが、政界全体でこの「昭和の遺物」のパーティー券問題の改革に取り組むべきであるのに、ただ「安倍派の力をそぎたい」という自民党内の権力闘争に矮小化され、その周りで野党やマスメディアがお祭り騒ぎできゃほきゃほ騒ぐだけの政局騒動にされてしまったのだ。

 上の安住国対の話など、

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「サンモニ」青木理氏、パーティー券疑惑「激震が走る」と予言 立民・安住氏の不記載問題には触れず

 ジャーナリストの青木理氏が3日、TBS系「サンデーモーニング」に出演し、自民党・安倍派のパーティー券について「激震が走る」可能性を示唆した。
 番組は「安倍派パーティー券“裏金”疑惑」と題して問題を解説。派閥がパーティーのために所属議員にノルマを課し、議員がパーティー券を販売。ノルマ以上の販売数があれば、超過分を不記載にして“裏金”とし、議員にキックバックしていた可能性があると指摘した。
(中略)
 青木氏は「検察関係者等々」に聞いた話として「年末から年明けにかけて激震が走ると、政界にね」とコメント。会計責任者だけでなく「派閥のトップ」や「キックバックを受けた個人の議員」も刑事責任を追及される可能性があるとした。

 ただ、政治資金パーティー収入の記載漏れは、自民党議員だけでなく立憲民主党の安住淳国対委員長も同様に指摘された。2022年4月に開いたパーティーで30万円の収入があったが、総務省に提出した報告書では団体名や金額などを記したページが欠落していた。安住氏の資金管理団体は11月28日、訂正を同省に届け出たという。安住氏は同月29日、「私の責任だ。申し訳ない」と国会内で記者団に述べたが、公式ページのブログなどでは触れていない。
立憲民主党のX(旧ツイッター)でも安住氏の問題には触れていない。
「サンモニ」でも安住氏については触れなかった

 デイリースポーツ 12/3(日) 9:28

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 ワイドショーでは「なかったこと」にされてしまっているし。
 ここで安住国対が議員を辞職して「さあうちは辞めたぞ。自民はどうする?」とやれは支持率爆上がりになるだろうに。

 そんなこともできない。

 さすがにこの流れを見ている人の中には「なんか引っかかる」と立ち止まる人も出てきているだろう。
 出てきていないならば、心配だ。「派閥をまとめて期間を長く」取ってやたらと大きな金額を出すという「ポーカーではじめにどんとチップを積んで相手を動揺させる」作戦に見事に引っかかってしまっているということだから。

「キックバックだ!」「裏金だ!」と連日ヒステリックに煽られるが、

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 自民党最大派閥の清和政策研究会(安倍派)の政治資金パーティーをめぐり、所属議員が販売ノルマを超えて集めた1億円超の収入を派閥が裏金として議員側にキックバックしていたとされる問題で、議員の側がノルマ超え分をそもそも派閥に納めずに裏金化する手法もあることが、安倍派関係者への取材でわかった。違法性が疑われる資金処理が2パターンで常態化し、政治資金収支報告書の不記載額はさらに膨らむとみられる。
 朝日新聞デジタル 12/2(土) 5:00配信「安倍派の議員側も裏金化 パー券のノルマ超え分、派閥に納めない手法」より

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 この朝日が書いている「そもそも派閥に収めない」例ならばパーティー券の売り上げ自体を記載してあれば「裏金」とはいえないのではないのか?

 そういう収支報告書自体の分析がほとんど今回出てこない。
 いつも収支報告が公開されると目を皿のようにしてページを繰っている人間たちは、なにをしているのだろうか?

 産経新聞など、

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<独自>安倍派、数十人が不記載か パーティー収入、他派閥は2~7割還流記載

 自民党の派閥のパーティーを巡り、最大派閥・安倍派(清和政策研究会)を除く主要4派閥がパーティー券の販売ノルマを超過した分に応じて5年間で10億円弱を所属議員の2~7割にキックバック(還流)していたと推計されることが11日、政治資金収支報告書の分析で分かった。

 産経新聞は、平成30年~令和4年分の安倍派▽志公会(麻生派)▽平成研究会(茂木派)▽宏池政策研究会(岸田派)▽志帥会(二階派)-の収支報告書を、関係者への取材に基づき分析。
 各派から所属議員の関連団体に支出された寄付金のうち、金額も時期も毎年一定のいわゆる夏の「氷代」、冬の「モチ代」は除外した上で、
パーティー開催後、数カ月以内に関連団体ごとに異なる金額で一斉に支出されたものを議員側への還流分と推計、算出した。
(中略)
 同時期の安倍派を除く主要4派閥のパーティー収入は総額40億2953万円で、パーティー収入の約4分の1が還流されたとみられる計算になる。一方、安倍派の収支報告書には氷代、モチ代の記載はあったが、還流分とみられる記載はなかった。
 産経新聞 12/12(火) 1:26

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 自分で作った設定で「この金は還流分に違いない」とやっているが、それはあまりに強引に過ぎる。
 産経が設定した「期間」から外れたその「もち代」として還流金が使われている可能性もあるぞ?


 今日は岸田総理の記者会見が行われ、質問に映った冒頭で記者が「自民党の体質が」といっていた。
 が、何度も書くように、この話は共産党以外すべての党が抱える問題なのだ。
 これをただの自民叩きの道具にしてしまうようでは、さらにはただの「安倍派潰し」の道具にしてしまうようでは、「政治と金」の問題など彼らにとっては「その程度のもの」でしかないということ。
 そんなものたちの叩く太鼓に踊らされるなど、なんと馬鹿らしいことか。


 おまけ。

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 石破氏、首相対応に苦言 安倍派パーティー問題

 自民党の石破茂元幹事長は12日のBS日テレ番組で、安倍派の政治資金パーティー裏金問題を巡る岸田文雄首相の対応に苦言を呈した。松野博一官房長官ら安倍派の4閣僚を交代させる方針について「国民の理解や共感が得られる振る舞いが十分できているとは思えない」と述べた。「どうすれば理解が得られるか、沈思黙考する機会が必要だ」と注文を付けた。
 共同通信 12/12(火) 21:37

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 やれやれ。ここぞとばかりにまた「後ろから弾を撃つ男」がしゃしゃり出てきたか。
沈思黙考する機会が必要だ」って、それでどうすればいいかは、この男は絶対に言わない。

 岸田氏は今回の事態収拾のために閣僚やら党やらの人事で矛先をそらすつもりのようだが、そこでふと思った。いっそこの石破氏を官房長官にしてみたらどうだろう?
 機密費の金庫を預けるのは業腹だが、あの「ネチャネチャした」喋りで官房長官会見をやってくれたら、あっという間に記者たちの気力が萎えるに違いない。

 と思ったら、

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 旧石破派でもキックバック 収支報告書に記載

 自民党の石破茂元幹事長は12日夜のBS日テレ番組で、同党安倍派の政治資金パーティー収入の裏金化疑惑を巡り、自身がかつて率いた旧石破派(水月会)でも議員へのキックバック(還流)が「あった」と明らかにした。
「出も入りもきちんと載せているので確認すれば分かる」とも述べ、政治資金収支報告書への記載は問題ないと強調した。
(後略)
 時事通信 12/12(火) 21:38

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 やれやれ。

 だから枝野氏の言うとおり、こんな話は「政界の常識」なのだ。
 それを打ち破るための議論を進めなくて、どうする!


 本日の鬼笑い。

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 ローソン2024「恵方巻」予約スタート、「鮨 由う監修 炙りほたての海鮮恵方巻」「賛否両論監修 銀鱈西京焼の恵方巻」各880円など


(写真、食品産業新聞社ニュースWEBより。ローソン「賛否両論監修 銀鱈西京焼の恵方巻」「鮨 由う監修 炙りほたての海鮮恵方巻」)

 ローソンは12月12日、2024年の節分に向けた「恵方巻」や節分デザートなどの予約受付を開始した。
 予約はローソンアプリと全国のローソン店舗(「ローソンストア100」を除く)で受け付ける。ローソンでは食品ロス削減のため、恵方巻などの催事商品は、原則予約販売としている。
 ローソンの2024年「恵方巻」は、一般的な定番の恵方巻に加え、有名店や人気店監修の恵方巻、規格外食材を使った「もったいない恵方巻」などを取りそろえる。
 予約期間は、店頭とアプリで異なる。店頭予約は、恵方巻・節分そばが1月28日まで、節分デザート・節分和菓子が1月26日まで。アプリ予約は、全ての節分向け商品が1月24日まで。
 店頭での引き渡し期間は、店頭予約・アプリ予約ともに、2024年1月31日から2月3日まで。
(後略)
 食品産業新聞社ニュースWEB 12/12(火) 18:37

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 やあ、もう恵方巻の話題が出てきたぞ。

規格外食材を使った『もったいない恵方巻』」か。
 かつてはこの恵方巻のごり押し販売そのものが「もったいない」の象徴になっていたのになぁ。
 変われば変わるものだ。

 ついでに「丸かぶり」の風習もそろそろ変わってこないかな?
 変な俗習は捨てて、きちんと食べやすく切って。ご飯として太巻きを食べる習慣にした方が「売れ行き」はよくなると思うのだが。