集会を目的にしてはいけない | 偕楽園血圧日記

集会を目的にしてはいけない

 明日は関東でも雪の予報。
 東京では5年前にも湾岸のトンネルでバスが立ち往生するということがあったな。
(2018/01/23の記事、いやはや大混乱だ)で書いたように、午前中は「自己責任」という人の映像を流していたものが午後には責任論を言い出していたようだが、誰かを叩いても雪は消えないから、個人で気をつけないと。


「気を付ける」といえば、新聞記者にはもっと言葉の使い方に気を付けてもらいたいなぁ。

 朝日新聞の、

+++++++++++++
 比収容の4容疑者、7日に2人帰国へ 裁判結果次第で4人同時も

 フィリピンを拠点とする特殊詐欺グループの幹部らだったとして警視庁が逮捕状を取っている4人のうち、少なくとも2人の身柄が7日にも日本側に引き渡される見通しとなったことがわかった。残る2人についても、6日の裁判結果次第で同時に送還される可能性がある。日本側は6日に約15人の捜査員を現地に派遣し、移送の準備に入る。
 4人はいずれも住所不定で職業不詳の渡辺優樹(38)▽小島智信(45)▽藤田聖也(としや)(38)▽今村磨人(きよと)(38)の各容疑者。捜査関係者によると、このうち藤田、今村両容疑者はフィリピン国内で続いていた裁判の公訴が棄却されており、7日にも送還される見通し。渡辺、小島の2容疑者についても、6日の裁判で公訴の取り下げが認められれば7日に同時に送還される可能性があるという。
(後略)
 朝日新聞デジタル 2/6(月) 5:00

+++++++++++++

 この見出し。

 この場合は自分の意思で返ってくるわけではないのだから「帰国」ではなく「送還」だろう?
 記事の中ではちゃんとそう書いているのに、なぜ見出しを「帰国」としてしまったのだろう。

 そんなマスメディアは相変わらず「差別発言」「差別発言」と大騒ぎ。
 ヤフコメでも「口にしてはいけない」と平気で荒井前秘書官を叩く人間がいるが、そもそもこれは(2023/02/06の記事、「正義のリベラル」は内心の自由を許さない)で取り上げた愛知県議のように「公言」したものではない。オフレコという、いってみれば顔見知りの記者との雑談の中で「同性婚どう思います?」と問われて内心を吐露したところ毎日新聞などが「騒げ!」とやり始めたもの。
 今「差別禁止法作れ!」とその手の団体が騒いでいるが、そんなものができたら一般人が仲間内で話したことですら「チクリの対象」になって糾弾されることになる、その先例なのだ。
(2008/02/14の記事、利権と強権で縛られる社会)がまた衣を替えて現れようとしている。


 それにしても、先日2/7は「北方領土の日」だったのだが、この「差別あげつらい」と比べてメディアの扱いの小さいことと言ったら。

 返還要求大会では、

+++++++++++++
 北方領土「政府と国民一丸で」 岸田首相、返還要求全国大会に出席

 岸田文雄首相は7日、東京都内で政府など主催の北方領土返還要求全国大会に出席した。
 首相はあいさつで、ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ「日ロ関係は厳しい状況にある」と指摘。「領土問題を解決し、平和条約を締結する方針を堅持している。政府と国民が一丸となって取り組むことが不可欠だ」と訴えた。
 また、墓参など交流事業に関し「今後の日ロ関係の中でも最優先事項の一つだ。一日も早く事業が再開できるような状況になることを強く期待する」と語った。
 大会はウクライナ侵攻後初めて。事務局によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響で過去2年はオンラインで行われ、元島民や返還運動関係者ら聴衆が参加するのは3年ぶり。 
 時事通信 2/7(火) 12:51


 北方領土「不法占拠」の文言が5年ぶり復活 返還大会で強い姿勢表明


(写真、毎日新聞より。北海道標津町の上空から望む国後島の爺爺岳(左)。右奥は択捉島=本社機「希望」から)

「北方領土の日」の7日、北方領土返還要求全国大会(政府や民間団体など主催)が東京都内で開催された。大会では「北方領土が77年前、ソ連によって不法占拠されたまま今日に至っていることは決して許されない」とするアピール文を採択。「不法占拠」の文言を使うのは2018年以来で、ウクライナ侵攻を続けるロシアに強い姿勢で臨む意思を明確にした。
 大会に出席した岸田文雄首相はあいさつで「ウクライナ侵略によって日露関係は厳しい状況にあるが、領土問題を解決し、平和条約を締結する方針を堅持している」と政府の立場を説明した。元島民や家族による「北方墓参」などの交流事業の再開は引き続き「最優先事項」だとも語った。
「不法に占拠」との表現は18年まで毎年使われてきたが、19、20年は当時の安倍晋三首相がロシアとの領土交渉に意欲的だったことを背景に、この表現を使わなかった。交渉が停滞した21、22年も「法的根拠のないまま占拠」との表現にとどめていた。【菊池陽南子】
 毎日新聞 2/7(火) 16:41

+++++++++++++

 岸田総理は「とにかく外交」というような人たちの主張通りにしばらく封印していた「ロシアの不法占拠」という文言を口にしたという


 言葉は勇ましいが、どこまで本気でいるのだろうか。
 なんだかこの返還要求全国大会も、左巻きの反戦集会と同じく「大会開いてシュプレヒコール叫んでガス抜き」しているだけのような気がしてならない。

 本気で北方領土関係でロシアを動かしたいならば、総理も口にしているウクライナ侵略は「付け込むチャンス」。
 以前も書いたように侵略初期に海自の艦を北方領土沖に遊弋させただけでもロシアに影響を与えられただろうし、(2022/10/11の記事、歴史からまったく何も学んでいない)で取り上げたゼレンスキー宇大統領が「北方領土は日本の領土」といった時にこれを利用するように動くこともできただろう。なにしろ同エントリーでも書いたように、ウクライナはまさに北方領土を侵略した「ソ連」の構成員だったのだから。
 だがあの時反応したのは「親ロシア」の鈴木宗男議員だけで、日本政府は無視を決め込んだ。もちろん、そのことで政府に疑問を呈したマスメディアもなかった。

+++++++++++++
「北方領土の日に日本人と連帯」ウクライナ大統領が声明

 日本が「北方領土の日」を迎えた7日、ウクライナのゼレンスキー大統領は「北方領土の日において、われわれは日本政府や日本人と連帯する。日本とウクライナで国際法と正義が回復されなければならない」とする声明をツイッター上で発表した。両国の領土を不法占拠するロシアを念頭に、日本とウクライナの連携強化を訴えた形だ。
 ゼレンスキー氏はこれまでも、民主主義の価値観を共有し、先進7カ国(G7)の一員としてウクライナを支援する日本を「パートナー国」だと強調。ロシアによる侵略を受けて、昨年3月には日本の国会でオンライン演説し、支援に謝意を表明した。10月にも「北方領土を含む日本の主権を支持する」とした大統領令に署名。ロシアを敗北に追い込むことが領土の奪還につながるとし、日本に対露圧力の強化と支援の継続を求めた。
 産経新聞 2/8(水) 7:52

+++++++++++++

 ゼレンスキー大統領は再びこういっているのだが、前回のメッセージを受けてこれを政治利用する散弾ぐらいは考えているのだろうか、わが政府は?


 いったい本気で北方領土問題を解決する気は、我が国政府やマスメディアにはあるのだろうか?

 何年か前に、北方領土から泳いで北海道に来たロシア人がいた。
 その後牛久の入管に収容されたのだが、日本の立場でいうならば、彼は単に北海道の中を移動しただけ。根室から函館に在日外国人が移動したところでなんの罪にもならないように、本来ならば入管に送られるようなことではない。
 以前にも買いが、北方領土を自国領だと主張するならば、今そこに住んでいる「在日ロシア人」の扱いをどうするのかぐらいは、政府内で方針を作っておかなくては。
(2016/09/03の記事、相手をはめることもまた外交では必要だ)で引用した記事では「居住権を認める」方向でいると毎日新聞が書いているが、それは戦後朝鮮系日本人に行ったような形の「特別権を認める」というものになるのだろうか?

 普段なにかあると「戦争反対! 外交で!」という人間たちが、実際に外交で関係改善を図っていた安倍元総理の姿勢を「売国」と詰る。その安倍政権の時代には、その毎日の記事にあるようなことも政府は考えていた。
 今はいったい、どこまで「制度で追い詰める」ように考えているだろう?


 おまけ。

 先日アメリカで撃墜された中国の「スパイ気球」。
 2020年に東北地方で目撃されたものと類似しているということで、「もしあれがまたきたら」と問われた防衛大臣が、

+++++++++++++
 スパイ気球、日本も撃墜可能…浜田防衛相「国民守るため現行法でも状況次第で」

 浜田防衛相は7日の閣議後記者会見で、米軍が中国の偵察用気球を撃墜したことに関し、「国民の生命、財産などを守るために必要と認める場合には所要の措置をとることが可能だ」と述べ、日本に同様の気球が侵入した場合、現行法でも状況次第で撃墜は可能との認識を示した。
 浜田氏は「気球であっても日本の領空に許可なく侵入すれば領空侵犯となる」と指摘し、対処として「自衛隊法の規定では必要な措置として武器を使用することができる」と説明した。
 一方、林外相は記者会見で「いかなる国であっても他国の主権を侵害することは許されない」と強調し、気球を撃墜した米政府の判断について「立場を十分に理解している」と語った。中国に対しては、「十分な説明責任を果たすことが重要だ」と注文をつけた。
 読売新聞オンライン 2/7(火) 20:08

+++++++++++++

 こんなことをいっているのだが……実際どうなのだろう?
 スクランブルをかけても「警告射撃」ですらまともにできない「現状」で、「法的には可能」といわれても実際にそんなことができるだろうか?
 実際に撃墜できたとしても、相手国が文句をつけてきたら国内の左巻きが呼応して「大問題」と騒ぎまくるのではないだろうか。「雑談の場」の話で「差別禁止というつるし上げ法」を作ろうという流れができるわが国では。

 やはりここは、憲法論議を進めて「安全保障と自衛権行使の在り方」について議論を進めていかなくてはならない……のだが、

+++++++++++++
 立民、予算審議中の憲法審に応じない方針

 立憲民主党は7日、国会内で憲法調査会の会合を開き、予算委員会の審議を優先すべきとの過去の慣例を踏まえ、今国会では衆参両院の予算委の目途がつくまでは憲法審査会の開催に応じない方針を確認した。中川正春調査会長は「憲法だけ突出して予算委中に議論をする理由はない」と述べた。
 中川氏は、自民党などが立民に対し、憲法審の開催に応じないことへの説明を求めている8日の幹事懇談会に参加しない考えも示した。最近の憲法審は予算審議と同時並行で行われていたが、中川氏は「党内の『予算委に集中していくべきだ』という考えを尊重した」と説明した。
 調査会ではこのほか、憲法改正手続きにからむ国民投票法改正や性的少数者と憲法の関わり、政府が閣議決定した「安保3文書」に基づく「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の合憲性などの議論も深めるとした。
 産経新聞 2/7(火) 22:44

+++++++++++++

 また屁理屈こねて「さぼり」を決め込む政党がある。

憲法だけ突出して予算委中に議論をする理由はない」って、民主主義国では国家運営のルールである憲法については、常に議論をしていくべきものではないのか? 改憲護憲関係なく、憲法に疑問をぶつけていくのは、必要なことではないのか?

 憲法を「不磨の大典」であるかのように持ち上げてみたり「憲法だけ突出するべきではない」と言ったり、ご都合主義もいいかげんにしろよ(怒)。


 本日の「あの木」。

+++++++++++++
 冬の造形美「スノーモンスター」に観光客ら歓声 青森・八甲田


(写真、毎日新聞より。見ごろを迎えた八甲田山の樹氷=青森市で2023年2月6日午後2時55分、近藤卓資氏撮影)

 青森県の八甲田山で、冬の造形美である樹氷が見ごろを迎えている。針葉樹のアオモリトドマツに雪や氷が付着し、一体化しながら成長。「スノーモンスター」の愛称で親しまれている。
 標高約1300メートルの「八甲田ロープウェー」(青森市)の山頂公園駅付近では、スキー客らに交じって観光客も訪れ、「雪と氷の芸術」に歓声を上げた。
 八甲田ロープウェーによると、大きなものは4~5メートルに達するという。見ごろは2月下旬ごろまでで、気温が低い状態が続けば3月下旬まで楽しめるという。【近藤卓資】
 毎日新聞 2/7(火) 14:00

+++++++++++++

 巨大な樹氷は蔵王の名物だが、八甲田でもできるんだな。
「グレートトラバース3」で田中陽輝さんがアイスモンスターの森に迷い込んで方向を失っていたシーンがあったから、ゲレンデでも気をつけないと。

 それにしても、普段ならば八甲田山もこんなに穏やかなのに。「指揮の大切さ」というのがよくわかる。「戦争には政治家から行け」といって悦に入っている者たちの浅はかさも、
 そして装備。
 いくら二枚重ねにしても木綿の軍手は濡れたらお終いだ。
 あの頃、今のような撥水性のある化学繊維のオーバーコートがあれば……。