富ヶ谷殿の13人 | 偕楽園血圧日記

富ヶ谷殿の13人

 NHKで放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、13人がそろったと思ったらさっそく一人抜ける展開になっている。
 史実としての「ネタばれ」上わかっていることだが、展開が早いな。
 今まで梶原景時が「告げ口屋」だと非難されているようなシーンがあまりなかったので、なぜあれほどまでに嫌う御家人がいるのかが少々わかりにくいのではないだろうか。
 それ以上に、今までとは「空気」が変わった。なんとも陰湿なものが作品を支配するようになっているのがなんとも、
 これは、「大泉」頼朝が持っている「間抜け感(←誉め言葉である)」が権力争いの話を深刻に見せないようにしていたところが大きい。

 三谷氏は「頼朝が死んでからが本番。総集編ならばそこまでは切ってもいいぐらい」と雑誌インタビューで語っていたが、はじめからこういう展開と「空気」が一年続いていたら、とても暗くて「観ていられない」人も増えたと思うな。


 さて、昨日取り上げた国会での安倍元総理の追悼演説延期の話。
 野党がごねたことによる時間の関係上というところも大きいのだが、また一方、

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 甘利氏「誰一人カリスマ性ない」発言に安倍派反発 追悼演説に異論も

 自民党の甘利明前幹事長(麻生派)が会長の安倍晋三元首相を銃撃で失った安倍派(清和会、97人)について「誰一人、力もカリスマ性もない」などと指摘したことについて、安倍派が強く反発している。8月5日実施予定の安倍氏に対する追悼演説を、甘利氏が行うよう党が調整していることにも異論が出ている。

 甘利氏は20日、自身のメールマガジンで、安倍派について「『当面』というより『当分』集団指導制をとらざるを得ない。誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない」と述べた。そのうえで「今後、どう化けていくのかが注視される」と指摘した。
 これに対し、安倍派最高顧問の衛藤征士郎・元衆院副議長は21日の安倍派会合で「こんなに侮辱されたことはない。これを黙っていたら、清和会はそうだと思われる」と激しく反発。数人の派閥議員を指さしながら「うちには多士済々の総裁候補がいるだろう」と述べた。
 安倍派のベテラン議員は甘利氏が昨年の衆院選神奈川13区で落選し、比例代表で復活当選したことを指摘して「小選挙区で負けた人が外部からそんなことを言って、失礼な話だ」と憤った。他にも「自分が清和会の領袖(りょうしゅう)になってやるという意味か」「自分こそカリスマ性がない。発言が軽いと思われ、失笑、ひんしゅくを買っている」などと批判する声が相次いでいる。
(中略)
 安倍派からは「なぜ安倍さんが残した派閥をばかにする甘利氏に演説させるのか」「国民の気持ちは甘利氏ではない。岸田文雄首相か、安倍さんを支えてきた菅義偉前首相ではないか」「甘利氏がやんわりと断ればいい話だ」などの意見が出ている。【東久保逸夫】
 毎日新聞 7/28(木) 11:58


「残した派閥をばかに」 安倍派の猛反発で甘利氏の追悼演説頓挫

 自民党が8月の臨時国会で実施する予定だった安倍晋三元首相の追悼演説を先送りする検討に入ったのは、甘利明前幹事長(麻生派)が演説を行うことに対して与野党の反発が強まったためだ。特に銃撃事件で会長の安倍氏を失った自民党安倍派(清和会、97人)で批判が強まったことが大きな要因となった。

 安倍派が反発を強めたのは、甘利氏の20日のメールマガジンがきっかけだ。この中で甘利氏は安倍派について「『当面』というより『当分』集団指導制をとらざるを得ない。誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない」と指摘した。
 これに安倍派最高顧問の衛藤征士郎・元衆院副議長は21日の同派会合で「こんなに侮辱されたことはない」と激しく反発。派内では他にも「甘利氏こそカリスマ性がない」などと批判する声が相次いだ。
(中略)

 反発は安倍派のみならず党内の他派閥にも広がり、党執行部には「いつ甘利氏に決めたのか」など、再考を求める意見が寄せられているという。党内では、甘利氏に代わって第2次安倍政権で安倍氏を官房長官として支え続けた菅義偉前首相や岸田文雄首相による演説を求める声があり、野党からは野田佳彦元首相らを推す声が出ている。
【東久保逸夫、李舜】
 毎日新聞 7/28(木) 20:42

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 演説者として名の上がっている甘利氏の発言に安倍派の議員たちが反発しているという話もあるらしい。

 馬鹿らしい。
 甘利氏はそのメルマガで「誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない」と書いたことで「侮辱だ!」と湯気を立てている議員もいると毎日はいうが、有権者から見ていると「その通りじゃないか」としか言いようがない。「だからあんたたち『富ヶ谷殿の13人』やってるのだろう」と。
 2番目の記事で毎日は嫌らしくも隠してしまっている(だからこの記事だけ読んだ人には事態が正確に伝わらない)が、この発言の後に甘利氏は「今後、どう化けていくのかが注視される」とも書いているのだから、「さあ。誰がこの中から北条義時になる?」とエールを送っているわけで。これで足を引っ張ろうとするなど「そういうところだぞ」といわれるばかり。
 勢力拡大のためには二階氏を幹事長につけることまでした安倍氏の「手腕」に学ぶ者はいないのだろうか、この安倍派議員たちの中には。

 毎日新聞は「小選挙区で負けた人が外部からそんなことを言って、失礼な話だ」というベテラン議員の言葉を出してきているが、それが本当にあったものならば、結局は「比例は下」とみる議員の中のヒエラルキーで嫉妬しているだけの話ではないか。
「有権者の一票を無駄にしない」といって惜敗率を導入しておきながら「あれは比例復活」と見下すならば、そんな制度はさっさとやめてしまうがいい。私を含めて賛同する有権者は結構いると思う。

 まったく情けない。
 こんなところでつまらないメンツ争いをしているような議員たちに、安倍総理の「日本を守るという目的のためなら手段はいとわない」という考え方が引き継げるものだろうか。
 ただ元総理の下に集ったということで「安倍派」を名乗っているような集団に、「元寇」を押し返せる力が発揮できるとは。とても思えない。さっさと「足利尊氏」に一蹴された方が日本の未来のためになる。


 本日の分布。

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 昆虫学会、オオスズメバチの英名を変更 「アジアン」改め「ノーザン」に

(CNN) 米昆虫学会とカナダ昆虫学会は、オオスズメバチの英語名「アジアン・ジャイアント・ホーネット」を変更し、昆虫データベースに記録する共通名として「ノーザン・ジャイアント・ホーネット」の名称を採用することを決めた。
 オオスズメバチは北米などで「殺人スズメバチ」とも呼ばれる侵襲外来種。アジア系を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)や差別が急増する中、害虫の名称に「アジア」が使われていることで、意図せず反アジア感情を強めかねないと判断した。

 狩りバチは全てがアジア原産であることから、オオスズメバチのアジアン・ジャイアント・ホーネットという名称は、生態や行動に関する固有の情報を表していないと米昆虫学会は説明する。
(中略)
 米昆虫学会は2021年にガイドラインを改訂し、民族や人種に言及する名称や不安をかき立てる名称を禁止するとともに、特に侵襲外来種については特定の地域に言及する名称を非推奨とした。
 米昆虫学会のジェシカ・ウェア会長は25日に発表した声明で、「ノーザン・ジャイアント・ホーネットは科学的に正確で理解しやすく、不安や差別を生じさせない」と指摘した。
(後略)
 CNN.co.jp 7/27(水) 13:55

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 このCNNの記事、正しく日本語訳されているのだろうか?

「Invasive insect formerly known as 'murder hornet' gets new name」By Rachel Fadem, CNN(Updated 2301 GMT (0701 HKT) July 26, 2022)を見ると確かに、

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Since all wasps are native to Asia, the name Asian giant hornet does not convey unique information about the biology or behavior of the species, according to the ESA.
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 と書いてある。

 いや、「すべてのスズメバチはアジア原産」というならば、それこそ「アジアン・ジャイアント・ホーネット」の名の方が「生態や行動に関する固有の情報」を表すのではないのか?
「ノーザン」などというと「どこにいてどういう行動をとるのか」がぼやけてしまう。

害虫の名称に『アジア』が使われていることで、意図せず反アジア感情を強めかねない」というのならば、そんなことで人間に対してまで差別意識をもってヘイトクライムに走ってしまうアメリカ社会の方がおかしいのであって、それを解消するようにと努力すべきだ。名前を隠して目をそらしてOKとするのではなく。

 まったく。こんな「逃げ」でごまかしているような国が、いったいどうして他国に向かって「差別がー」などと上から目線で語ってくるのだろう。
 ふざけた「白人優越主義」だ。