学者はデータで話をするのだ
いやあ、すごいなぁ。
ツイッターを見ていたら、
https://twitter.com/aiko33151709/status/1400313992254418946
こんなものがリツイートで回ってきた。
「一流選手が出ない死のパンデミック五輪」とは、よくもまあそこまで口汚く罵れるものだ。
https://twitter.com/kunikoasagi/status/1400454629163290638
こんなことをいう人もいるが、彼らに代表される「オリンピックで日本人が犠牲に」と騒いでいる人たちには、いったいどういう「現実」が見えているのだろう?
今日はNHKでは野球中継がされているし、サッカーではガーナと国際試合をやっている。こういう人たちはそれを見てきっと「なんという地獄絵」と泡吹いて倒れているのだろうな。
(2021/06/03の記事、この人に「広報」させない方が党のためだと思うのだけどなぁ)で取り上げた尾身分科会会長の言葉尻に食いついた者たちが、まるで釣られた魚のようにビチビチと跳ね回っている。
上記エントリーでもリンクを張ったが、(衆議院インターネット中継 6/2「厚生労働委員会」)の4:25:00の当たりを見ればわかるように、尾身会長は「普通はこういう状況ではやらない。だからオリンピックは中止にすべきだ」などとはいっていない。
むしろ「こういう状況では普通やらない」は説明のための言葉のつけ足しで、メインとなる主張は「感染防止対策をきちんとすべきだ」である。
だから、
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尾身会長「判断できる立場にはない」野党から五輪開催可否を集中質疑
新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は4日午前の衆院厚生労働委員会で東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開催可否について野党から集中質疑を受け、「我々、専門家が判断するべきではないし、できる立場にはない」と明確な回答を避けた。
(後略)
日刊スポーツ 6/4(金) 13:13
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言葉尻をとらえてさらに食いつこうとする野党も、まともに相手にされていない。そこは学者なので「論点のすり替え」には厳しい。
そもそも尾身会長は、
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東京五輪・パラ「議論しっかりやるべき時期」尾身会長が答弁
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は28日の衆院厚生労働委員会で、今夏に予定されている東京五輪・パラリンピックについて「組織委員会など関係者が、感染のレベルや医療のひっ迫の状況などを踏まえて、オリパラ(五輪とパラリンピック)に関わる議論をしっかりとやるべき時期に来たと思う」との見方を示した。
立憲民主党の長妻昭氏への答弁。
東京や大阪など4都府県では現在、緊急事態宣言が発出されているが、長妻氏は「緊急事態宣言の下での五輪開催をどう考えるか」と聞いた。尾身会長は「そのことも含めて、オリパラに関する議論をもうそろそろしっかりと議論すべき」だと繰り返し述べた。
「五輪開催の是非について政府から尋ねられたか」との質問には、「個人的に、これは公式、非公式というのか分からないが、私には2、3度あって、つい最近もあったが、正式に分科会に意見を述べろという依頼は来ていない」と明かした。
それを受け、長妻氏は「(専門家として)積極的な提言、発信を政府に言っていただきたい」と求めた。
Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE 4/28(水) 20:15
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4月にも「五輪開催と感染防止対策できちんと話をしていかなくては」といっている。
今回も同じことをいっているだけだというのに「数学が嫌いだから文系」という人間たちが「俺たちが分かる単語が来た!」と騒いでいるのだから、呆れていることだろう。
雑誌メディアの中には、今までもさんざん尾身氏を「政府の手先」扱いしておきながら、
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「黙らせろ」尾身会長の”謀反”に菅首相が激怒 意地の張り合いで権力闘争が激化 〈dot.〉
「(東京五輪を)パンデミックの所でやるのは普通ではない」「やるなら強い覚悟で」
東京五輪・パラリンピック開催をめぐり連日、新型コロナウイルス感染リスクについて強い警告を発している政府対策分科会の尾身茂会長に対し、菅義偉首相が激怒しているという。
「『黙らせろ。専門家の立場を踏み超え勘違いしている。首相にでもなったつもりなんじゃないか』などと怒りを爆発させています。尾身会長を菅首相が最近、ひどく疎んじているのは間違いありません。もともと御用学者として側に置いていた尾身会長が謀反を起こし、自分の敵になったという意識が日に日に強くなっています」(政府関係者)
菅首相と尾身会長の対立が深まったのは5月14日、延長される緊急事態宣言に北海道などを追加で含めるか、否かを協議した時だという。
「自らの決定を尾身会長にひっくり返され、顔を潰された感が強いです。今回の緊急事態宣言延長でもショッピングセンター協会などから陳情を受け、百貨店などの休業措置等の緩和を狙う菅首相と、集中的な強い措置継続が必要と主張する尾身会長ら専門家との間で攻防がありました。結果的に今回は菅首相が押し切る形となりましたが、緊急事態宣言期間は延長しながらも措置は緩和>する、というチグハグな判断となりました」(同前)
(中略)
「尾身会長は元々、医師や感染症の研究者としての評価が高いというより、むしろWHOなどで権力ゲームを渡り歩いてきた人です。政府が約1年前に専門家会議を廃止して、新たに分科会を立ち上げた時、尾身さんは政府の方針を追従する専門家としての役回りを演じきり、専門家会議副会長から分科会トップに昇格しました。五輪に関する発言は、専門家としてまっとうなお考えなのですが、『五輪についての明確なビジョンがない』とより踏み込んだ発言が最近、目立っています。自分を『国を守るリーダー』のように少し思い込んでいる節も感じられます。そういう意味でどっちもどっちです。菅首相と尾身会長の対立は『決めるのは自分』とお互いが意地を張り合い、権力闘争になっている感があります。そんなことにうつつを抜かしている場合じゃないんですけど…」(官邸周辺者)
一方で五輪の組織委員会は「東京2020大会における新型コロナウイルス対策のための専門家ラウンドテーブル会議」を設置したが、メンバーにこれまで新型コロナウイルス対策を主導してきた尾身会長の名はない。
立憲民主党がヒアリングで「尾身先生もメンバーに当然、入っているのかと思った」と尋ねたところ、「入っていない」と素っ気なく回答した。
「専門家としてハッキリと意見するようになった尾身氏が煩わしく、菅首相に忖度し、外したんじゃないかという話を聞いた」(立憲民主党幹部)
尾身会長は国会で6月4日、東京五輪開催につい自身の考え方を近く示す方針を明らかにした。だが、田村憲久厚生労働相は「自主的な研究の成果の発表という形で受け止めさせていただく」とスル―した。菅首相に近い自民党の国会議員はこう語る。
「菅首相が絶対に東京五輪開催と舵を切っている時、尾身先生は何を言うんだ。何のための分科会なんだ、という思いです。田村厚労相は『専門家に引っ張られるな』と菅首相に叱責され、萎縮している。『今回の尾身発言で東京五輪・パラ中止という世論の流れにならないか、心配だ』と首相は周囲に愚痴っています」
(中略)
「今回ばかりは菅首相の怒りがすごい。『これ以上、厳しい意見が続くと分科会を開かせない』とストップがかかる危惧も出ています。首相の頭の中には、東京五輪を大成功させて、自民党総裁>選でも勝って続投を決める。その勢いで衆院解散して、勝利というイメージであふれている。そこに誰も口をはさむことができません。『野球もサッカーも、クラスターは出てないじゃないか』『専門性ある意見を聞くためであって、五輪開催はこっちで決めるんだ』と菅首相はよく言っています。だが、五輪をやったはいいが、感染拡大となれば、菅政権は退陣でしょう。勝負をかけるのはいいが、国民まで巻き込んでさすがにやばくないか、と党内でも心配する声が聞かれます」(自民党幹部)
菅首相と尾身会長の対立は今後、目前に迫った東京五輪開催にどう影響するのだろうか。
(今西憲之 AERAdot.取材班)
AERA dot. 6/4(金) 15:04
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存在するのかどうかもわからない「関係者・自民党幹部」や「うわさを聞いた」レベルの話を羅列したストーリーを開陳してくれているのだが、例えば同じ「菅が怒っている」を書いたものとして、
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「ダメだ。遅すぎる」声を荒らげた首相、ファイザーCEOに直談判…[政治の現場]ワクチン<2>
「おめでとうございます」
4月17日朝、米ワシントンの大統領賓客施設「ブレアハウス」。壁一面の窓から朝日が差し込む会議室に、首相の菅義偉の声が響いた。スピーカーフォン越しに語りかけた相手は、新型コロナウイルスワクチンの開発でリードする米製薬大手ファイザーの最高経営責任者(CEO)、アルバート・ブーラだった。
菅が祝意を伝えたのは、米有力財団が卓越した経営者に贈る賞を、ブーラが約1か月前に受賞したからだった。受賞を知った菅は、事前に祝電も送っていた。周到さが功を奏したのか、会話は和やかに滑り出した。
日本政府からの会談の打診に、ブーラ側は当初消極的だった。だが、菅側が「電話でも」とこだわった。菅には注目度が高い初訪米で「リーダーシップを示す」(周辺)思惑もあった。
「引き続きよろしくお願いします」。菅の言葉にブーラは「最大限努力します」と応じた。日本政府は既に、同社と1億4400万回分(7200万人分)の契約を結んでいたが、この会談で追加の5000万回分の供給が正式に固まった。
それでも、国産ワクチンを持たず、全量を輸入に頼る日本政府にとって調達は困難の連続だった。政府内で確保への取り組みが加速したのは、今年1月だった。
「ダメだ。遅すぎる」
年明け間もない首相官邸の執務室。菅は、「ファイザーのワクチンが日本に来るのは早くても4月」と報告した首相補佐官の和泉洋人に、声を荒らげた。
世界でワクチン争奪戦が激化する中、菅は交渉を、自らの腹心である和泉を中心とした厚生労働省のチームに任せていた。
ところが、交渉はつまずく。ワクチンの早期供給を求めた日本に対し、同社は「日本は、欧州より感染状況は悪くない」と主張し、「日本への供給は4月」との考えを譲らなかった。
そこで菅は、駐米大使だった杉山晋輔にファイザーのブーラとの交渉を命じた。「世界で最も忙しい経営者」(外交筋)と称されるブーラは当初、面識がない杉山の電話に応じなかった。
杉山は、トランプ米政権で厚生長官を務めていた旧知のアレックス・アザールを頼った。アザールは「製薬会社は連邦政府の言うことなんか聞かないぞ」とクギを刺してきたが、アザールとの電話後、ブーラはようやく杉山の電話に応じた。
(後略)
読売新聞オンライン 5/25(火) 9:54
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きちんと「誰が関わったか」の名前が出されているこの読売新聞の記事と比べてみてほしい。
読売の記事も「事実か否か」は分からないが、もし事実でなければここに名前が出ている人物のところに取材に行くこともでき、真偽が分かることだろう。
アエラの記事は「誰がいったかもわからない」話ばかりで、真偽の確かめようがない。
雑誌系ではこういう記事がやたらと多いが、こういうものをそのまま信じ込んで「菅はこう思っている」と刷り込まれている人は、どれだけいることだろう。
それが行き着くと、冒頭の引退学者のように「日本選手が大量にメダルを取れば、菅政権の支持率が上がる。その勢いで総選挙突入だという幼稚な展望の菅自民」などと勝手に妄想し、その妄想に基づいて人を罵るという恥ずかしい姿をさらすことになってしまう。
ネットでは「学者」を名乗りながらも結構この「刷り込み妄想」でものを語っている人が多くいるようで。
なるほど「反知性主義」というものが言われるようになるはずである。
ちなみに、尾身会長は、
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東京五輪で「途上国にウイルスわたる可能性」 尾身会長が指摘
政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の尾身茂会長は3日の参院厚生労働委員会で、東京オリンピック・パラリンピックで日本から発展途上国にウイルスがわたるリスクがあると指摘した。打越さく良参院議員(立憲民主)への答弁。
◇「IOC、政府は強い覚悟を」
尾身氏は「(ウイルスが)医療制度や検査体制が非常に脆弱(ぜいじゃく)な発展途上国にわたる可能性がある」と説明。選手ら大会関係者が日本で感染し、大会後に母国で感染を広げることを懸念したとみられる。
また、競技場外で人出が増えて感染が拡大するリスクがあるため、主催者の国際オリンピック委員会(IOC)に「最大限の努力をする責任」があり、大会規模の縮小などの対策を要求。感染症が>流行する中で五輪を開催する以上は「IOCも政府も強い覚悟でやってもらう必要がある」と語気を強めた。
(後略)
【原田啓之】
毎日新聞 6/3(木) 17:18
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こんなことをいったと報道されている。
これも「学者言葉」を切り取ったもので、会長は「可能性はゼロではない」からこういうことをいっているわけで、(参議院インターネット「厚生労働委員会」6/3)の0;34:00あたりでこの発言の動画を見ればわかるように、主眼は「ジャーナリストなどの関係者にきちんとルールを守ってもらわなくては。彼らに言うことをきかせるのは難しいだろうが」というもの。「ウイルスが変異して」は、学術的な説明をしているだけである。
「ジャーナリスト」などに問題があるといっているから「そこは伝えず」というのならば、なんと悪辣なのだろうか。
ついでに言えば、尾身会長はこのやり取りの中で「語気を強め」てなどいない。いつもの喋り方をしているだけで、この部分は記者の印象である。
(2021/01/21の記事、「いちからだ。いちから説明しないとだめなのだ」)で取り上げた昨年12/23に尾身会長が説明した「飲食店が感染拡大の上流になつている」という説明はまるで報道せず、「揚げ足が取れそう」な言葉があればそればかりがクローズアップされる。
尾身会長に関しての報道は、この手の「切り取り・誇張」が多いので、注意しなくては。
政局騒ぎに紛れて、肝心の「感染防止対策をしっかりしろ」「ジャーナリストなどは好き勝手するな」が見えなくってしまってはダメなのだから。
本日の猫耳。
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カップヌードルがフタ止めシールを廃止し開け口が“2つ”に 6月から順次切り替え
(写真、ねとらぼより。変更後のパッケージ)
日清食品が6月4日、「カップヌードル」のフタ止めシールを廃止すると発表しました。その代わりにフタの開け口が2つになった“Wタブ”を採用し、シールなしでもフタを止められるようになるとのこと。その発想はなかった。
フタ止めシールの廃止により、年間33トンのプラスチック原料の使用量を削減。フタの形状を変更するのは、発売以来初となります。
“Wタブ”パッケージへの切り替えは、2021年6月から順次開始。なお、ビッグサイズには引き引き続きフタ止めシールが付きます。
カップヌードルは、2021年で発売50周年を迎えました。2019年9月からは、カップヌードルを通して、地球と人の未来のためにすべきこと、できることに今すぐ取り組んでいく「カップヌードル DO IT NOW!」プロジェクトをスタートしており、今回のフタの変更もその一環としています。
ねとらぼ 6/4(金) 11:42
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33トンの節約というのはすごいが、ほかのカップ麺にはついていないのだから、ちょっと遅すぎた気もしないではないが。
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1971年9月18日に世界初のカップ麺として誕生した「カップヌードル」に、「フタ止めシール」が初めて採用されたのは1984年9月。今回の変更は約37年ぶりとなるが、当初はシールの主な役割はフタを留めることではなかったという。
同社によると、商品識別のために「JANコード」と呼ばれるバーコードを付けなければいけなくなったが、当時は容器が発泡スチロールだったため、表面に印刷すると読み取れない可能性があった。そのため、JANコードをシールに印刷し、容器を包むフィルムの底部に貼ることにした。また、当時の容器には高台(底の高くなっている部分)が無く、フィルムを剝(む)きにくかったことから、シールをはがすと一緒にフィルムも剝けるような仕様にしていた。
同社広報部は「もちろん、フタを留めるという役割もありましたが、本来の目的は商品管理とフィルムの剝きやすさを実現するためでした」。
それが変わったのが、2008年に容器が発泡スチロールから紙製に変更された時だった。
「紙製になったことで、JANコードを容器に印刷することが可能になり、高台もできました。また、フィルムに印字されていた賞味期限が底に書かれるようになりました」。そのため、シールは従来の白色から底が見えるように透明となり、「フタを留める」ということが主目的に変わった。
スポーツ報知 6/4(金) 19:41配信「廃止決まった『カップヌードル』のフタ止めシール、本来の目的は『フタ止め』ではなかった!?」より
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ということなので、13年前に手を付けられていたんじゃないかなぁ。
うん。そういえば昔あのシールは白かった。そしてラッピングが剥きにくかった。
カップが紙になっていたのは、しばらく買っていないので気が付かなかったなぁ。
まあ、遅れてきた分。ちょっとした「遊び心」も入っているようだし。新しいのが出たら久しぶりに買ってみようか、カップヌードル。