「溜飲下げ」では「ただの負け」 | 偕楽園血圧日記

「溜飲下げ」では「ただの負け」

 昨日のエントリー。上げたつもりだったのだがうまくアップされていなかったようだ。


 さて、選挙期間中は公選法のこともあるので情勢的なことは書かないようにしているのだが、これだけは買いておかなくては。

 明日は、

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 8日告示の参院補選・再選挙は次期衆院選の前哨戦、与野党総力戦

 参院長野選挙区補欠選挙と広島選挙区再選挙は8日、告示される。いずれも与野党対決の構図となる見通しで、25日に投開票が行われる。菅義偉政権発足後初の国政選挙となり、与野党は秋までに実施される衆院選の前哨戦と位置づけて総力戦で臨む構えだ。
 長野補選は、立憲民主党の羽田雄一郎元国土交通相の死去に伴って実施される。自民党は元衆院議員の小松裕氏(59)を立て、公明党が推薦。立民は「弔い合戦」と位置づけて羽田氏の実弟である羽田次郎氏(51)を擁立し、共産、国民民主、社民の3党が推薦する。
 広島再選挙は、公職選挙法違反で有罪判決が確定した河井案里前参院議員(自民離党)の当選無効を受けて行われる。自民は元経済産業省職員の西田英範氏(39)を擁立し、公明が推薦。立民、共産、国民、社民の4野党は無所属のフリーアナウンサー、宮口治子氏(45)に一本化した。「政治とカネ」の問題を受け、政治の信頼回復が争点となりそうだ。
 産経新聞 4/7(水) 18:00

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 この長野と広島の参院補選・再選挙や吉川元農水省辞職による北海道肉の衆院補選、他にも自治体の選挙などの投開票日になっている。

 これについて時事通信が、

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 青ざめる自民、楽観ムード霧散 「河井事件」の傷痕深く 参院広島再選挙

 与野党が次期衆院選の前哨戦と位置付ける参院長野選挙区補欠選挙、広島選挙区再選挙、衆院北海道2区補選の火ぶたが切って落とされた。
 中でも広島は自民党が必勝を期す重点区。しかし、2019年参院選をめぐる元法相、河井克行夫妻の大規模買収事件の傷痕は深く、厚い保守地盤を背景にした当初の楽観ムードは霧散。野党統一候補と激しく競り合う展開に青ざめる。(敬称略)

◇空気が一変
「本来なら楽勝でもおかしくないが、今回は本当に厳しい」。自民党の下村博文政調会長は18日、広島市での演説で危機感をあらわにした。二階俊博幹事長は19日の記者会見で「ヘッドスライディングのつもりで最後の最後まで戦わないといけない」と強調した。
 再選挙は買収事件で有罪となった前参院議員、案里の当選無効に伴う。案里は2月3日に議員辞職した。
 このころ、広島の情勢について自民党内で不安視する声は聞かれなかった。同党は広島で衆院7選挙区中5選挙区を占めるなど圧倒的な強さを誇る。党幹部は勝負の行方に「大丈夫」と絶対の自信を示していた。
 ところが、告示を待たず、党の調査で野党候補にわずか数ポイント差まで迫られていることが判明。公明党の調査で優劣が逆転したとの情報も流れ、空気は一変した。
(後略)
 時事通信 4/20(火) 7:14

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 こんな記事を書いているのだが……えっ? 長野と広島は野党候補が勝利して当然の情勢ではないのか?

 長野の補選は(2020/12/29の記事、さあ! 「ごっこ」は卒業しよう)で取り上げた羽田雄一郎氏の死亡を受けてその弟が立候補しているもので、いわゆる「弔い合戦」。
 広島の方はもうマスメディアが大声で「買収!」「不正選挙!」と大合唱した後を受けてのものである。
 北海道の衆院補選では自民党は候補を立てていないのだから、シャア・アズナブルの言葉を借りれば「これで勝てねば貴様は無能だ」。
 本気で自民党が「広島は楽勝」だと思っていたならば、「社会の空気」をなめすぎている。

 この選挙は羽田氏の弟が同情票を集めて大勝。広島も「カネカネ自民」が負けて「元アベガー・現スガガー」勢力が「ザマミロ自民」と嘲笑って留飲を下げ、マスメディアが「政治とカネに鉄槌が下された」としたり顔で述べ、

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 「広島ショック」なら菅首相も危機…政権の命運かかる再・補欠選

「少なくとも1つは勝たなければいけない」。
 国会議員の再選挙・補欠選挙を25日に控え、菅義偉内閣が緊張している。今回の選挙は菅政権発足後の最初の国会議員選挙であるうえ、秋の衆院選(総選挙)の前哨戦の性格を帯びるからだ。>結果しだいでは菅政権に打撃を与え、自民党内で菅首相を降ろそうとする動きが可視化するという分析が出ている。
(中略)
 読売新聞によると、2000年以降、不正腐敗などの不祥事を理由に行われた再選挙・補欠選挙13件のうち従来の政党が議席を取り戻したケースは5件にすぎない。勝率は40%にもならないということだ。
 中央日報日本語版 4/10(土) 13:48

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「官房長官時代から菅に袖にされ続けて恨み百倍」の国の新聞と同じようなメンタリティを持った者たちが「政権にダメージ」とはしゃいで「終わり」。
 立民党がかつて自民攻撃に使っていた「二世問題」などどこかに吹っ飛んで「政治とカネ」も、今まで何度も書いている「自民叩きの道具」で終わってしまうことになるのだろう。

 馬鹿馬鹿しい
「二世問題」も「資金供与」も、どちらも「地盤、看板、鞄」の「三バン」問題にかかわる話だというのに。

 河井案里氏の夫、河井元法相が、

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 河井克行被告、現金配った理由語る 「党県連の交付金が溝手先生のためにしか使われないと思い、自分で代行」

 2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(58)=衆院広島3区=の第51回公判が31日、東京地裁で開かれ、弁護側が被告人質問を続けた。克行被告は自民党の広島県議や広島市議に現金を配った理由について「自民党県連が党勢拡大のため(県議の党支部などに)出している交付金が溝手顕正先生のためにしか使われないと思って、自分で代行した」と語った。
(中略)
 自民党県連は年に2回程度、党勢拡大を後押しするため、党所属の県議や市議の党支部などに政治活動費を交付している。参院選では1人の党公認候補を支援し、その年の政治活動費を上積みしていたが、関係者によると、19年の参院選では党内が分裂選挙となった影響で県連内の意見調整などが難しく、上積みが見送られたという。
 一方で、党本部は参院選前に河井夫妻の党支部に計1億5千万円を提供。溝手氏側に出した1500万円の10倍に当たる額だった。
(後略)
 中国新聞デジタル 3/31(水) 12:24

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 こんな「非常に興味深い話」をしたという記事がある。

 そして記事の中で、今までも普通に「自民党県連は年に2回程度、党勢拡大を後押しするため、党所属の県議や市議の党支部などに政治活動費を交付している」と解説が入っているように、この手の「カネ」は何度も書いている「氷代・もち代」などの名目で中央から地方に流されている。
 今回河井元法相のいうことを分析すれば、それで支えられていた「溝手陣営」というシステムを「案里陣営」に塗り替えようとしたが、反発が起きて今のように「告発泥沼」に陥っているということが分かるだろう。

 これがたまたま、この時期にぶつけて、

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 菅原一秀氏から任意聴取 新たな現金配布疑いも 東京地検特捜部

 秘書が選挙区内の有権者に香典を渡したなどとして公職選挙法(寄付の禁止)違反容疑で不起訴処分(起訴猶予)となり、検察審査会から「起訴相当」と議決された前経済産業相の菅原一秀衆院議員(59)について、東京地検特捜部が再び任意で事情聴取したことが、関係者への取材で判明した。再捜査の過程で菅原氏の事務所が選挙区内の祭りなどで住民らに現金を配った疑いも浮上し、立件の可否を検討している模様だ。
(後略)
 毎日新聞 4/23(金) 11:18

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 こんな話をリークしてくるような検察によってフォーカスされたというなのだから、ここで河井夫妻や二階幹事長を叩いて留飲を避けるだけでは「なにも終わらない」。

 もう一度指摘しておくと、これは「二世問題」と同じく「三バン」の関わる話なのだ。
 この手の「地方組織が金でつながる」話は、自民党だけのものではなく、(2021/03/22の記事、嫌いなやつの悪口を言って遊ぶためのものじゃないぞ!)で書いたように、野党もやっていること。今でも「立憲民主党は社民党との合流などで地方組織の統一がまだだから選挙は」などという言葉が立民支持者の口から平気で出くるほど「一般的」なものになってしまっている。
 いわゆる「しがらみの関係ない都会育ちの人間にはよくわからないことだろうが、この「組織が支える三バン」というのは、地方においてはかなり選挙で大きなウエイトを占めるのだ。
 そしてこれが、(2010/01/24の記事、ずれてるなぁ……)などでも書いた「何かしたかったら俺のところに話を通せ」という地方の殿様の存在を存続させている。
 この「地方の殿様」によるカネの流れの支配が、地方においては自由な経済活動を阻害し、「外からの風」が入ってこない要因にもなっているのだ。
 このシステムにメスを入れていかなければ地方はすたれるばかり。

 何度も書いているように河井夫妻の事件はそこにメスを入れるいいとっかかりになるはずなのに、「政権にダメージだ」と喜んでいるようでは、(2010/01/24の記事、ずれてるなぁ……)で書いたように「国民の負け」なのだ。


 本日の焼き物。

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 たい焼きが真っ黒、ほんのり緑も 変わり種はいかが?


(写真、朝日新聞デジタルより。「黒鯛焼」とピーマン入り生地であんにウズラの卵が入った「子宝たい焼」=2021年4月13日午前10時30分、茨城県神栖市奥野谷)

 茨城県神栖市奥野谷の池田珍味食品が販売する「黒鯛焼(くろたいやき)」と緑色の「子宝たい焼(やき)」がひそかな人気だ。遠方からまとめ買いに訪れる客もいるという。子宝たい焼は市の「地域特産品」に認定された。
 池田平三郎社長(72)は都内の珍味会社で営業をした経験を生かし、約50年前に珍味問屋を始めた。たい焼きを売り始めたのは約10年前。数年前に「他との差別化」を考え抜いた末、以前イカスミを使った真っ黒な「さきいか」を扱っていたことを思い出し、たい焼きと組み合わせた。
 子宝たい焼は市特産のピーマンをすりおろして生地に混ぜているため、ほんのりと緑色をしている。さらにアピールするため、おなか部分にウズラの卵を入れて「子宝」と名付けた。
 普通のたい焼きは1個130円だが、黒鯛焼は140円、子宝たい焼は150円。妻の和子さん(69)によると「黒鯛焼は波崎地区や鹿嶋市など遠方からも買いに来る。10個くらいまとめて買う人もいる」。
 池田さんは「変わり種はまだ浸透していない。売り上げの7割ほどは普通のたい焼き。でも、いつも他と同じではダメ。また新たなたい焼きを開発したい」と話す。(村山恵二)
 朝日新聞デジタル 4/22(木) 11:40

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 クロダイ(笑)。

 いやしかし、色もさることながらすごい「テカリ」だ。まるで屋根瓦のよう。
 タイ焼きなのでこれで食べたら「ふっくら」しているのだろうから、感覚的に「びっくり」するだろうな。

「ピーマンとウズラの卵」入りの方は……う~ん。
 神栖の方に行く仕事があったら立ち寄ってみたいが、水戸駅ビルにある県産品ショップなんかで販促イベントとかやってくれないかなぁ。