今度は誰がブーメランを受けるんだ? | 偕楽園血圧日記

今度は誰がブーメランを受けるんだ?

 即位礼正殿の儀も終わり、「いよいよ時代も変わった」ことが実感されるようになったというのに。国会はいつになったら「昭和の時代」から進歩するのだろう。

 先週、国会で、

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 菅原経産相指示「この人はカニ、この人はイクラね」 立憲が元秘書の音声データ公開

 立憲民主党の杉尾秀哉参院議員は17日、菅原一秀経済産業相(衆院東京9区)が地元の有権者にメロンやカニなどを贈った疑惑を巡り、「贈答品リスト」を作成したとする元秘書に聞き取り調査した際の音声データを公表した。元秘書は贈答品の選定や配布先は「全部、菅原氏の指示だった」と証言した。
 音声データは、杉尾氏が10月中旬に元秘書とされる女性に約2時間面会した際のやり取りを録音したもの。2006年ごろに約2年間、国会事務所で私設秘書を務めたという。
 元秘書は、菅原氏が贈答品の選定にあたり、国会事務所のソファに座って「この人はカニ、この人はイクラね」などと指示したと証言。元秘書はその際、メモをとったが「手書きで読みにくかったので、事務所のパソコンでリストを作成した」と明かした。
 公職選挙法では、候補者らが選挙区内の有権者に金銭や物品を寄付することを禁じている。杉尾氏は贈答について「事実であれば公選法違反だ」と指摘している。
 立憲の本多平直氏は11日の衆院予算委員会で、このリストを基に菅原氏を追及。杉尾氏は15日の参院予算委員会で「リストを作成した元秘書に会った。(その時の)テープを委員会に提出してもいい」と迫っていた。【小山由宇】
 毎日新聞 10/18(金) 0:02

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 立民議員がこんなことをやっていた。

 毎日新聞の見出しだけを見ると、「菅原大臣が指示している音声データ」を元秘書が出してきたように受け止める人もいるだろう。ヤフーニュースのコメント欄でも「こんな決定的な証拠が!」と興奮している人間を見受けるが、落ち着け。これはあくまで「元秘書」とされる正体不明の人物が『こんなことを菅原氏が言っていた』と言った」というものである。
 いやはや、杉尾議員は「この元秘書に会った」といっているが、こんな出所不明な話を開陳することに何の意味があるのだろう?

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 元秘書証言に菅原経産相「どなたかわからぬ」 寄付疑惑

 公職選挙法が禁じる選挙区内での寄付行為をめぐる菅原一秀経済産業相の疑惑をめぐり、野党議員が菅原氏の指示でリストを作成したとする元秘書の証言音声を公開したことについて、菅原氏は18日午前の閣議後会見で「元秘書がどなたかわからず、その証言も見ていない。現状ではコメントできない」と述べた。
 立憲民主党の杉尾秀哉参院議員が17日、菅原氏の指示で贈答品と贈り先のリストをつくったとする元秘書の証言音声を公開した。この元秘書は、朝日新聞の取材にも「菅原氏の指示を受け、私がリストを作った」と証言している。
 菅原氏はこのリストについて「事務所を探したが、全く見当たらない。データもない」とした上で、リストにある送り先とされる有権者に事実確認をしているとした。有権者からは現時点で「もら>っていない」「十数年前のことなのでわからない」との返答があったとし、「ひとつずつ調査をしているところ。今後とも調査を進めていきたい」とも話した。
 杉尾氏は15日の参院予算委員会で、このリストを提示し、公職選挙法が禁じる寄付行為にあたるのではないかと指摘した。菅原氏はリスト作成について「命じたことがない」と否定している。(伊藤弘毅)
 朝日新聞デジタル 10/18(金) 11:34

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 朝日新聞ですらこう書かざるを得ない話なのに。

 杉尾氏や立民は、「リストがある」というならばこの大臣が「聞き取りをした」という人物に自分たちも聞き取りをして「もらった」という証言の一つでも取ってくればいいのに、そういうことはせずただひたすら週刊誌と結託して「お前が証明しろ」と「モリカケ縮小版」をやるばかり。
 これに限らず、新しい内閣が組閣されると、ここぞとばかりに週刊誌などが「大臣がカネを」とはしゃぎだす。
 が、そもそも十年前にそんなことがあったというならば、十年前に証拠をそろえて告発するべきなのだ。本当に「政治とカネ」問題をなんとかしようというのならば。
 だが彼らは「そんな問題解決の気などさらさらない。『政治とカネ』はただ政権叩きの道具だ」とばかりに、「こいつが将来政権に影響するようになるまで寝かせておこう」とやる。
 そんなゴシップハイエナレベルの「クズジャーナリズム」に、政治が踊らされてどうするというのだ!(怒)


 馬鹿馬鹿しい。
 立民が食いついたことに気をよくしたのか、またいつもの面々が「文春砲」と持ち上げてくれるからと驕ったのか、今度は、

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 有権者に香典や供花 菅原一秀経産相の新たな公選法違反疑惑をスクープ撮

 菅原一秀経産相(57)が、選挙区の住民に対しメロンやカニなどを贈っていた「有権者買収疑惑」。「週刊文春」がこの疑惑を報じ、国会で追及を受ける最中、有権者に対し、公職選挙法で禁じられた香典や供花・枕花を贈っていたことがわかった。
 10月17日午後6時過ぎ、菅原氏の選挙区である東京都練馬区内にある斎場に姿を見せたのは、公設第一秘書のA氏。A氏はエントランスを進むと、香典袋を取り出し、恭しい様子で受付に手渡した。
 斎場関係者が明かす。
「この日、斎場で行われたのは菅原氏の支援者である地元町会の元会長の通夜でした。菅原氏の代理として参列したのが、公設第一秘書のA氏だったのです。香典袋の中には2万円が入っていました」
 菅原氏と関係が深い後援会関係者は、「秘書たちは後援会関係者が亡くなると、必ず菅原氏に報告をあげ、金額のお伺いを立てています」と説明する。

 神戸学院大学法学部の上脇博之教授が解説する。
「議員の名前が書かれた香典袋を秘書が代理で持参した場合、公職選挙法で定められた『寄附の禁止』に抵触する可能性がある。冠婚葬祭について議員本人が出席することは認められていますが、秘書が議員の代わりに香典を配ることができれば、法律が骨抜きになってしまうからです。罰則規定は50万円以下の罰金。最長5年間の公民権停止となり、当選も無効となります」
 菅原事務所は、「週刊文春」の取材に対して、次のように回答。公設秘書が香典を渡したかどうかについては明言しなかった。
「故人は、後援会関係者であり、日ごろからお付き合いのある秘書が通夜に参列しました。菅原は翌日の葬儀に駆け付けその場で弔問し、香典をお渡ししました。香典は菅原個人からの支出です。お供え用の花は送っていません。(過去にも)選挙区内の葬儀に花は出していません」
 だが「週刊文春」は、公設秘書が香典を手渡す瞬間の写真を撮影していた。また、菅原事務所が、今回の葬儀に際して、お供えの花を花屋に発注したファックスを入手している。
(後略)
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年10月31日号)
 文春オンライン 2019/10/23 16:00

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 こんなことをやって鼻高々になっているが、そもそも「隠し撮りのような違法な手段で入手したものは証拠にならない」という犯罪捜査の大原則は別にして、「選挙区の後援者と香典」の話は、(2015/12/16の記事、弔問が選挙につながる土壌が問題なのだ)で書いたように、高木復興大臣にも持ち上がったが、すぐに「それを追求したいた高木民主党国対(当時)にも同じ問題が持ち上がり、うやむやになったものではないか。
 山尾民進党政調会長(当時)がやっていたことが明らかになった時には、同党が「党の見解では法律違反に当たらない」とトンデモ擁護をした(2016/05/13の記事、「隠してもらっている間に切ってしまった方がいいぞ、岡田さん」参照)。それをマスメディアが容認した時点で、もう香典や花代は「政治的には問題にできないもの」にされてしまっているのだ。

(2018/02/01の記事、「どぶ板」はさっさと外してしまおうよ)で取り上げた茂木担当相の時にもすぐさま立民党議員の「花代」が明らかになっている。
 何度も書くようにこれは「それを求める有権者」の側を問題にしない限り、いくらでも繰り返される話なのだ。そのためには「閣僚叩きの道具」に使うのではなく、与野党問わず「議員たちの行為」として問題にしていかなくてはならない。(その時、法の趣旨からすれば「はじめから支持者である後援会員の場合は買収になるのか?」というところも考えていかなくては)
 それなのに、メディアや野党がやることといえば「大臣のクビ狩りだー」「政権にダメージだー」。

「菅原経産相秘書が選挙区に香典=週刊誌報道、与党に危機感」(時事通信 10/23(水) 20:33配信)、「菅原経産相、地元で香典か 週刊誌報道、与党に危機感
「菅原経産相、地元で香典か 週刊誌報道、与党に危機感」(共同通信 10/23(水) 22:30配信)


「与党困惑だー」という大はしゃぎ。

 公職選挙法違反があったというのならば、検察に告発しろ。国会は探偵ごっこをする場所ではない。
 もう一度書くが、こんな「クズジャーナリズム」に、政治が踊らされてどうするというのだ!(怒)
「ジャーナリズム」を標榜する者たちも、議員と香典の話を問題にしたいのならば、すべての議員の地元に当たるがいい。そしてすべての付き合いを明るみに出せ。
 この程度の「選挙事情」すら問題化できない「ジャーナリズムには、関電幹部が金をもらっていた話の「本質解明」などできるはずもないぞ。


 おまけ。

 この香典問題で明日、

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 「菅原経産相隠し」を野党追及 25日に衆院経産委開催

 衆院経済産業委員会の与野党理事は23日の理事懇談会で、菅原一秀経済産業相(衆院東京9区)の所信に対する質疑を行うため25日に委員会を開くことで合意した。野党は、自身の選挙区内に住む有権者にメロンなどを贈ったとされる菅原氏の疑惑を追及する方針だ。
 経産委では、18日に菅原氏の所信聴取が行われた。これを受け、野党側は定例日の23日の質疑を要求したが、与党側は30日開催を主張。野党は「『菅原隠し』は許されない」と引き続き早期開催を要求していた。
 立憲民主党の安住淳国対委員長は理事懇談会に先立ち、記者団に「菅原氏の問題を質問されたくないから、経産委員会を開かない。憲法(審査会の開催)にも影響する」と与党をけん制していた。【東久保逸夫】
 毎日新聞 10/23(水) 19:18

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 菅原大臣が国会で説明を行うというのだが、野党はこのスケジュールに対して「菅原隠しだ!」と騒いでいる。

 なんだこいつ(←言葉は悪いが、あえてこう書く)ら?

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 経産相金品配布疑惑 与党、衆院委23日開催を拒否 立憲「菅原氏隠し」

 与野党は18日の衆院経済産業委員会理事会で、次の委員会開催日を決められなかった。野党は、自身の選挙区内に住む有権者にメロンなどを贈った疑惑のある菅原一秀経産相(衆院東京9区)を追及するため、定例日通りの23日の開催を要求したが、与党は「外交日程がある」と拒否した。与野党理事は週明けの21日に再協議する。
 野党側によると、与野党は定例日の23日に菅原氏への質疑をすることで大筋で一致していた。しかし、与党側が17日夜、菅原氏が22日の「即位礼正殿の儀」に合わせて来日する外国要人と会談するとして「23日の開催は難しい」と伝達。18日は理事会後も、与野党の筆頭理事が断続的に協議したが、与党側は「30日開催」などを主張し、物別れに終わった。
 立憲民主党は17日、菅原氏本人から贈答品を贈る指示を受けたとする元秘書の音声データを公表。公職選挙法違反の可能性があると攻勢を強めている。立憲国対幹部は「海外要人と接する外相が出席する外務委員会も23日に開くのに、開催日を30日にしなければならない理由はない。経産委は明らかに『菅原氏隠し』だ」と指摘した。【野間口陽】
 毎日新聞 10/18(金) 18:50

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「経産委員会を開け」だなんだというのだが、なにをいっているのだ。やりたいなら予算委員会でやってもいいじゃないか。実際はじめに引用した杉尾議員の質問は予算委員会でやられているのだし。

 こういう対応を見れば、昨年野党が大騒ぎしていた「予算委員会を開かない安倍内閣はなんたら」というのがいかにくだらないいちゃもんだったかがよくわかる。
 予算委員会を開いていれば別の委員会を持ち出し、別の委員会が開いている状況ならば「予算委員会がー」という。つまりはただ自分たちの中身がないことをごまかすために騒いでいただけ。

 熱心な支持者向けにパフォーマンスをしているのだろうが、おかげで一般人からどんどん見放されているということに、彼らはいつ気が付くのだろう?


 本日の二代目。

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 ヤマトHD、キャラクター一新 創業100年、シンボル変更せず


(写真、共同通信より。ヤマトホールディングスの新たなクロネコとシロネコのキャラクター)

 宅配便大手のヤマトホールディングスは23日、11月にグループ創業100周年を迎えるに当たり、販促品などに使うキャラクターのクロネコとシロネコを28年ぶりに一新すると発表した。広告やホームページなどでも活用する。親猫が子猫を口にくわえたシンボルマークは変更しない。
 デザインは、JR東日本のSuica(スイカ)のペンギンなどを手がけたイラストレーター、坂崎千春さんが担当。ヤマトの企業カラーである黄色と緑を、クロネコとシロネコのそれぞれの目に使った。
 現行のキャラクターは1991年に登場し、販促用のカレンダーやぬいぐるみなどに使われてきた。
 共同通信 10/23(水) 18:58

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 ヤマト運輸の猫たち、代替わりか。
 う~ん。なんだか個性が薄れてイラスト屋にでもありそうな……。

 猫たちの声が古川登志夫と平野文だったことを覚えている人、どれぐらいいるかなぁ。
 今度の猫は、なるほど今の若手声優が当てるならば「今風」なのかもしれない。