「国に属する」というのは大切だよ | 偕楽園血圧日記

「国に属する」というのは大切だよ

 祭日になるとNHKは夕方のニュースをやらなくなる。他人の人生を見せつけるような番組なんか流されてもつまらないだけなのだがなぁ。
 民放のニュースは「食べ歩き」のような内容のないものばかりやっているし。やれやれ。

 かといって「ゴーン逮捕」の話ばかりやられてもなぁ、だが(苦笑)。

 それにしても、早速のように、

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 社長報酬、中央値5552万円=ゴーン容疑者の13分の1―上場企業調査

 三井住友信託銀行とデロイトトーマツコンサルティングは21日までに、2018年度の日本企業の役員報酬に関する調査結果を発表した。東証1部上場431社の社長報酬総額の中央値は5552万円で、業績回復などを背景に前年度を2.2%上回った。
 売上高1兆円以上の41社に限ると、社長報酬は5.0%増の9855万円となり、02年の調査開始以来、最高額を更新した。しかし、報酬の過少申告の疑いで逮捕された日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者の17年度報酬(7億3500万円)と比べると、全体の中央値は約13分の1にとどまり、1兆円企業の社長報酬も7分の1に届かなかった。
 時事通信 11/21(水) 21:00

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 こんな記事を書いて「妬み、僻み、嫉み」煽りをする日本のメディアというのはどうしようもない。

 別にゴーン氏が高報酬を得ていようがいまいが、それは日産の株主が「それだけの働きをしてくれている」と判断しているのならば構わないことである。
 この記事には「高額報酬などとんでもない! そんな金があるなら社員に回せ!」というお約束のコメントが山ほどついているが、それもまた労組が頑張ればいいことで、日産には立派な組織があるではないか。彼ら場「安倍辞めろ! 憲法守れ!」などとやっていないで、しっかりと経営者と交渉すればいいだけの話だ。

 いま問われているのは、株主がそういう判断をするための資料をごまかしていたということである。
 そういう話なので、これから「公開資料をごまかしていたが、では所得の申告はきちんとされていたのか。脱税はなかったのか」というところも出てくるだろうが、今問題になっているのは、あくまで「日産の会社としての業務違反」の話で、「ゴーン氏がそれを指示していた」というものであることは忘れないようにしたい。

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 ゴーン容疑者に公正な裁判を=国籍持つレバノンが要請

【カイロ時事】レバノン外務省は20日、逮捕された日産自動車会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が公正な裁判を受けられるよう求める声明を発表した。
 両親がレバノン系のゴーン容疑者はレバノン国籍を保有し、少年期を首都ベイルートで過ごした。
 声明では、ゴーン容疑者が「海外でのレバノン人の成功を体現する一人」と功績をたたえた上で、「困難な状況にある彼が公正な裁判を受けられるよう力を尽くす」と強調した。バシル外相は駐日レバノン大使に、ゴーン容疑者と面会するよう指示を出したという。 
 時事通信 11/20(火) 22:37

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 わざわざこんな口を出してくる国もあるようだが、我が国は国民感情で裁判結果が左右されるような国ではない。「妬み、嫉み、僻み」記事を書いているようなメディアのおかげで、外国からこんな目で見られているというのならば、まったく残念なことだ。


 それにしても、私はゴーン氏はブラジル人だと聞いていたが、レバノン国籍も持っていたのか。さらには、

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 仏大使、ゴーン容疑者と面会=「領事保護受ける権利ある」

 フランスのローラン・ピック駐日大使が20日、東京・小菅の東京拘置所で日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者と面会していたことが分かった。
 在日フランス大使館が22日、明らかにした。
 大使館広報部は「外国で逮捕、拘置されたフランス人は領事保護を受ける権利がある」と強調。ピック氏は、家族との連絡などをめぐり便宜を図る用意があるとゴーン容疑者に伝えた可能性がある。 
 時事通信 11/22(木) 13:10

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 こういうことをやってくる国もあるわけで。

 蓮舫議員の二重国籍が取りざたされた時、それをかばうあまりに「多重国籍こそこれからの世界のトレンド」的なことを書いて称賛していた人間たちは、多重国籍者はこういうことになるというところをどう思っているのだろうか。
 これはつまり、「何かあっても主権の行使に他国との調整が必要になる」ということで、そんな人間が増えようものならば、国家の統治機構は動けなくなるだけ。
 まあ、「インターナショナル」をいまだに歌っているような人間からすればそれは「願ったりかなったり」というところなのだろうが、犯罪者を裁くのにいちいち国家間調整がされなくてはならないような状態の司法しか持てなくなる一般人にはいい迷惑である。


 おまけ。

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 東京入管の注意、ツイッター炎上


(写真、共同通信より。東京入国管理局の公式ツイッターの投稿)

 東京入国管理局(東京都港区)が、近くの歩道に「FREE REFUGEES(難民を解放せよ)」とスプレーで書かれたことに対し「落書きは止めましょう」と公式ツイッターに投稿、批判的なコメントが殺到していることが21日、分かった。「人権侵害への抗議を無視して落書きと言うのはおかしい」といった内容が多く、「炎上」状態となっている。
 東京入管によると、スプレー文字は職員が通勤で使う港南大橋の歩道など、少なくとも3カ所に書かれていた。
 19日朝に見つかり、東京入管は「表現の自由は重要ですが、公共物です」「少しひどくはないですか」と投稿した。
 共同通信 11/21(水) 20:03

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 不法滞在者を収容している入管に対する「嫌がらせ落書き」があり、それに対して疑問を呈した入管職員のツイッターが「炎上」している、と共同通信が伝えている。
 が、タイムラインで流れてくるものを見ていると、「炎上」しているのは入管職員のツイッターではなく、それを正当化している人間のものの方だと思えるがなぁ。入管職員のツイッターに文句をつけているのは「いつもの面々」だが、それに対する批判は、それ以上につけられている。「主張は自由だが、落書きは落書きであり、迷惑行為ということで違法である」と。
 共同のニュースはかなり「フェイク」臭い印象操作が入っているようだ。

 思い起こせば十年以上前になるか、トイレに「戦争反対!」と落書きをして有罪になった活動家がいた。
 この時にも「そっち系」の人間は「正しい主張をしているし、トイレは公共物なのだから犯罪ではない」という謎の擁護をしていた。
(2008/10/15の記事、この頃は「絵踏み」というらしい)では防犯カメラの付いた自販機に「監視社会」という落書きをしたものがいて、こちらは未だに犯人が捕まっていない。
 こういう「自分たちは正しいのだから法律違反をしてもいい」という人間が集まり、万が一権力を持つようになってしまうと、外には戦争を敷かれるし、内には弾圧を行うことになる。
 それを批判する声の方が大きい今の日本というのは、まだまだ「まとも」な国だろう。


 本日の「Engage!」。

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 可動部のない静音飛行機、「歴史的」飛行実験に成功


(図、AFP=時事より。帯電した空気中の分子を動力に飛ぶ飛行機の仕組みを示した図。)

【AFP=時事】SF世界の宇宙船の青い光を放つ推進装置が現実に一歩近づいた。米国の物理学者チームが21日、帯電した空気中の分子を動力に飛行する、可動部のないソリッドステート飛行機を発表した。
(中略)
 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、電気空気力学として知られる推進方式の開発に成功した。これまで、この方式を飛行機の動力源とするのは実現不可能と考えられていた。
 研究チームは翼幅5メートルの新型飛行機を、秒速4.8メートルで55メートル飛行させることに成功した。
 試作機を設計したスティーブン・バレット(Steven Barrett)氏は「未来の飛行機は、(SF映画)『スター・トレック(Star Trek)』に出てくるように青く発光する部分があり、空中を静かに滑る>ように進むものであるはずだ」と話す。
 バレット氏の飛行機には、プロペラやソーラーパネルはおろか、可動部品が何一つない。動力を供給するのはエンジンではなく、二つの主要部分から構成される推進システムだ。
 機体の前部にある軽量ワイヤーで構成された一連の平行電極でプラス2万ボルトの高電圧を発生させると、電極の周囲の空気に過剰なエネルギーが与えられ、イオンとして知られる正の電荷を帯びた窒素分子が生成される。
 機体の後方にある翼形の電極にマイナス2万ボルトの電圧をかけると、窒素分子イオンが陽極から陰極へと自動的に移動する。このイオンの動きによって大気中の粒子が同じ方向に引きずられることで、飛行機に揚力を与える「イオン風」が発生する。
 イオン風を発生させる技術は1960年代から存在するが、航空学にとって有益と証明されるほどの高効率には程遠いとこれまで考えられていた。
 研究チームは、イオン推進機の飛行が可能であることを示しただけでなく、電極部で生じる抵抗が比較的小さいため、飛行速度の上昇に伴い効率も向上することで、将来的に飛行機の大型化と高速化の道が開ける可能性があると予測している。
 今回の成果をまとめた論文は英科学誌ネイチャー(Nature)で発表された。同時掲載の解説記事には、静音のドローンや航空機、赤外線信号を発しない検知不可能なエンジンなどの開発を含む、考えうる軍事的用途が列挙されている。試作機の飛行は「賞賛と不安の両方を喚起するに違いない」と、解説記事は記している。
 ネイチャー誌は115年前、ライト兄弟の「史上初の有人動力飛行成功」に関する短い記事を掲載した。
 バレット氏と研究チームは今回の画期的な実験と、航空時代の口火を切ったライト兄弟の実験との間に喜ばしい共通点があると指摘している。どちらも飛行がわずか12秒間しか続かなかったことだ。【翻訳編集】 AFPBB News
 AFP=時事 11/22(木) 15:26

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 う~ん。面白い原理だけど、もしこれが実用化されて多くの機体が飛行するようになったら、余剰になって大気中に残されたイオンが気候に悪影響を及ぼすことはないのだろうか。今ですらジェットエンジンの排気ガスに含まれる微粒子などを問題にする研究もあるのに。
 イオン化した窒素は容易にNOx化するのではないのかな?(雷が起きるとそういうものが増えるという研究もある)

 AFPは「ソーラーパネルもなく」と書いているが、電圧をかける材料の電気を作るためには、パネルを積んだ方がいいのではないだろうか? 重い蓄電池など載せないで。

 この方式で離陸に必要な速度は得られるのかなぁ。
 この実験はどういう形で行われたのだろう。


(写真、「ジェットもプロペラもない「夢の飛行機」 MITで実現」朝日新聞デジタル 11/22(木) 5:10配信より)

 を見ると、降着装置はついていないようだけど。

 以前電気飛行機の時にも書いたように、こういう機体は離陸時と着陸時の重量が変わらないので、脚の強度を上げないと危ないという話にもなるから、競技用などならばともかく、荷物や人を運ぶものとしての実用化は、ちょっと難しいんじゃないかなぁ。