「気に入らないから叩く」が問題を作り出す | 偕楽園血圧日記

「気に入らないから叩く」が問題を作り出す

 昨日取り上げた麻生大臣の「セクハラ罪という罪はない」発言に、

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 「麻生大臣は反省して」 セクハラ罪ない発言に抗議

 麻生太郎財務相が「セクハラ罪っていう罪はない」などと発言したことを受け、麻生氏に抗議する街頭行動が7日夜、東京都内や大阪市、札幌市など各地であった。財務省前では弁護士や大学教授などでつくる実行委員会のメンバーら約100人(主催者発表)が雨の中、「麻生大臣は反省して下さい」と声を上げた。
 財務省は4月27日、福田淳一・前事務次官の女性記者へのセクハラ行為を認定して処分を発表した。しかし麻生氏は今月4日、訪問先のフィリピンでの会見で、セクハラの認定について「セクハラ罪っていう罪はない」「殺人とか強(制)わい(せつ)とは違う」などと述べた。
 この発言について、実行委メンバーで中央学院大の皆川満寿美(ますみ)准教授は「財務大臣は(次官の)セクハラそのものを認定していないのでは」と疑問を呈した。ジェンダーや性暴力の問題に取り組む「アジア女性資料センター」の浜田すみれさんは「『セクハラなんて大した問題ではない』と考えていることがよくわかる。『迷惑』とか『品位』以前に、被害者を傷つけている」と怒りの声を上げた。
 JR札幌駅近くの街頭にも約20人が集まり、麻生財務相の似顔絵や「セクハラは人権侵害」などと描かれたプラカードを手に、「こんな社会でどうやって女性が輝けるのか」「このような閣僚がいる政権を認めるわけにはいかない」などと訴えた。(吉沢英将、芳垣文子)
 朝日新聞デジタル 5/7(月) 21:48


 麻生氏発言に反発「セクハラ許さない」 京都でも抗議行動


(写真、京都新聞より。麻生財務相の発言に抗議の声を上げる女性ら(7日午後6時35分、京都市下京区四条烏丸交差点))

 麻生太郎財務相のセクハラをめぐる発言に対する抗議行動が7日夜、京都市内で行われた。雨が降る中、参加した女性らは、被害者に寄り添うといった意味を表す「With You」や「セクハラ社会を変えよう」と書いたプラカードを掲げて批判。東京・霞ケ関の財務省前や札幌など全国各地の活動とともに一斉に抗議の声を上げた。
 京都では同志社大大学院の岡野八代教授(政治思想史)の呼び掛けで下京区の四条烏丸交差点に約80人(主催者発表)が集まり、参加者10人がマイクを握った。
 
吉田容子弁護士(京都弁護士会)は、麻生財務相の「セクハラ罪はない」との発言について「確かにセクハラ罪はないが、侮辱罪に該当する可能性もある。そもそもセクハラは憲法が保障する人格権の侵害だ」と指摘した。性暴力被害の相談に応じる会社「ウィメンズカウンセリング京都」(中京区)のカウンセラー周藤由美子さん(54)は「セクハラ罪がないのが問題なのなら、率先して動くのが政治家の役割」と皮肉った。その後、参加者全員で「セクハラを許さない」とシュプレヒコールを上げた。
 京都新聞 5/7(月) 23:24

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 また「そっち系」の人間が音頭をとって街頭デモをやり、レッテル貼りをした「デマ」を人々に広げようとしている。

確かにセクハラ罪はないが、侮辱罪に該当する可能性もある」(吉田容子弁護士(京都弁護士会))って。麻生大臣と同じことを言っているというのに、いったいこの人たちは何を騒いでいるのだろう?
 この「同じことを言っているのに人を叩く」感覚が、セクハラ問題を難しくしているものだということは、わかっているのだろうか?

 今日も麻生氏は、

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 財務次官セクハラ 麻生財務相「セクハラ罪という罪はない、事実述べただけ」と改めて主張

 麻生太郎財務相は8日午前の記者会見で、福田淳一前財務事務次官のセクハラ問題に関連し、4日に訪問先のマニラで「セクハラ罪という罪はない」との発言が批判を受けたことについて「セクハラ罪という罪はない。事実を述べただけだ」と改めて主張した。
 麻生氏はセクハラについて「親告罪であり、訴えられない限りは罪にはならない」と強調した上で、改めて「セクハラ罪という罪はないと思っている」との認識を示した。
(中略)
 また、福田氏からセクハラを受けたと訴えたテレビ朝日の女性記者に謝罪する考えがあるかと問われると、麻生氏は「(財務省が謝罪文を送ったことで)女性からは誠意を持った返答だったとお礼を頂いている」と説明した。女性記者に対するコメントを求められると「申し上げることはない」と拒んだ。
 4月27日に福田氏のセクハラを認定し処分した理由については「調査に時間をかけることは被害者の保護という観点で問題がある」とし、「福田(前)次官から特段の反論、反証がない限り、テレビ朝日が明らかにしている内容を前提として事実認定し、セクハラ行為があったと判断して処分した」と述べた。
 産経新聞 5/8(火) 12:57

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 こういうことを言っているが、彼は初めから「麻生太郎財務相は13日の閣議後会見で『事実だとするなら、それはセクハラという意味ではアウトだ』」(朝日新聞デジタル 4/13(金) 11:33配信「次官セクハラ報道『事実ならアウト』麻生氏、処分は否定」より)と言っているのだから、「浜田すみれさんは「『セクハラなんて大した問題ではない』と考えていることがよくわかる。」というのはまったく自分で勝手に思い込んでいるだけの話でしかない。
 人の話をきちんと聞かず、「俺がそう思うんだからお前はそう考えているのだ」は左巻きがよく使う「案山子叩き」だが、こんな勝手な思い込みで人に「責任をとれ!」というなど、筋違いにもほどがある。

 だいたい、この「福田(前)次官から特段の反論、反証がない限り、テレビ朝日が明らかにしている内容を前提として事実認定し、セクハラ行為があったと判断して処分」というのですら、組織としてはかなり思い切ったものではないか。なにしろ、何度も書いているようにこの案件ではいまだに被害者がきちんと司法に訴えていないがために客観的な事実認定がされていないのだから。
 拙ブログでも何度か「迷惑禁止条例とか、極端な場合は強制わいせつに当たるとか、そういう認定をするためにも被害者の話は必要だ」と書いているが、京都新聞の記事に出ている吉田弁護士も「セクハラ罪はないが、侮辱罪に該当する可能性もある」というのならば、そういうことはわかっているのだろうに。
 ならばどうしていまだに有効な手を打たないテレ朝とその首脳陣に対する批判がないのだろうか。
 そういうところから、こういうことをやっている人間たちの主目的が「セクハラ撲滅」ではなく「それを使った政局騒ぎ」だとばれてしまうというのに。


 この流れに便乗して、

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 野田聖子氏、セクハラへの罰則「検討していけばいい」

 財務省の福田淳一・前事務次官のセクハラ問題を受け、野田聖子総務相兼男女共同参画担当相は7日、BS11の番組収録で、セクハラへの罰則を含めた法規制について「必要があれば検討していけばいい」と述べた。内閣府に有識者会議を設けて幅広く対策を検討する考えも示した。
 野田氏は、大型連休中に報道機関を含む民間企業で働く女性らから、セクハラ被害などの実態を聞き取ったという。具体的な内容には触れなかったが、収録後に記者団に対し「麻生大臣もセクハラ罪はないとおっしゃった。触ったらわいせつ罪などになるが、(セクハラの)言動はないとするならば議論しないといけない」と述べ、「(罰則が)あった方が抑止力になるのか、考えていきたい」と話した。会議の設置時期については「まだ考えていない」とした。
 朝日新聞デジタル 5/8(火) 0:40


 セクハラ、罰則検討も=再発防止へ議論―野田女性活躍相

 野田聖子女性活躍担当相は7日、福田淳一前財務事務次官のセクハラ問題をめぐり、「(セクハラ被害には)罰則がない。必要であれば、そういうことを検討していけばいいのかなと思う」と述べ、再発防止に向け罰則の検討も排除しない考えを示した。
 BS11の番組で語った。
 麻生太郎財務相は、福田氏がテレビ朝日の女性社員に対するセクハラを否定していることを踏まえ、「セクハラ罪という罪はない」などと発言した。こうした麻生氏の発言に対し、野田氏は番組で「『セクハラ』が存在しない時代に生きてきたから、私たちの感覚とはまったく違う」と指摘。「(セクハラ問題を)学んできた私たちが、そうではないということを言い続ける」と述べた。
 時事通信 5/7(月) 21:57

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「麻生叩き」をやる閣僚までいるというのだから、なんともはや。

 繰り返しになるが、麻生氏は初めからセクハラに対しては「許されない」と発言をしている。その上で彼は、「制度として定まったものがない以上、週刊誌が書いたというだけで人を貶めるのも人権上問題がある」と言っているのではないか。
 どうしてそれが「感覚が違う」という話になるのか。罪刑法定主義が「感覚的に違う」というようならば、そういう人間の方が大臣(どころか議員も)辞めてもらいたいと有権者としては思うところである。

 セクハラに対する罰則というのも、考えるのはいいだろう。

 


 こういうことを言う人間がいるのだから非常に難しいものになるだろうが、「できる」というのならば、頑張ってもらいたい。その前に「管轄違いだ」というところはおくとして、さて、こんな感覚の人間にそんなことをするだけの技量があるものだろうかとも思うが。

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 公明代表、セクハラ罰則に慎重

 公明党の山口那津男代表は8日の記者会見で、野田聖子女性活躍担当相がセクハラへの罰則を検討する考えを明らかにしたことに対し、罰則導入に慎重な姿勢を示した。
 山口氏は「すぐに刑罰を持ち出すのではなくて、国民にどういうことがセクハラに当たるか、(その基準を)どう守っていくかについて理解を促す必要がある」と述べた。
 麻生太郎副総理兼財務相が「セクハラ罪という罪はない」と発言したことに関しては「(財務省として)セクハラを認定した上で(福田淳一前事務次官の)懲戒処分を行っている」と指摘。「今後の規律と立て直しに麻生氏は最大の責任を果たしていただきたい」と語り、暗にくぎを刺した。
 時事通信 5/8(火) 12:27

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 公明党の代表の方が、よほどしっかりした法律感を持たれているようだが。

(しかしこの山口氏の「財務省の処分に対する賛同」に対して「釘を刺した」と感想付けしてしまう時事通信というのも、日本語の理解がなかなか不自由な会社のようだなぁ。これで通信社なんてやっていけるのかなぁ)


 本日の引っ越し。

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 庭のデゴイチ、観光施設に 1千万円かけ千葉から茨城へ


(写真、朝日新聞デジタルより。蒸気機関車分割の下準備をする作業員=2018年4月11日午前11時44分、千葉県白井市)

 千葉県白井市の山崎正夫さん(65)が維持費に困って引き取り手を探していた自宅庭の蒸気機関車(SL)が、茨城県の観光施設に引き取られることになった。夏にも1千万円かけて三つに分割されて運ばれるという。山崎さんは「ほっとしたような寂しいような複雑な気持ち」と話している。
 SLは「デゴイチ」の愛称を持つ「D51 1116号」。SLファンだった亡き義父が40年以上前に購入し、北海道からトレーラーなどで運んで庭に設置した。購入費用を含めて2500万円ほどかかったという。その後、計700万円ほどかけて2度塗装し直すなど手をかけてきたが、山崎さんは「これ以上は費用をかけられない」と手放すことを決断。メディアなどを通じて「庭を更地にする費用なども負担してくれれば無料で譲る」と呼びかけていた。
 反響は大きく、昨秋から数件の申し出があり、最終的に多額の輸送費用などを負担できる茨城県筑西市の企業に決まった。ゴルフ場や農園、バーベキュー場、美術館などを集めた観光施設を経営しており、すでにある寝台特急「北斗星」の機関車や寝台車などの9車両と一緒にSLを展示するという。
 移設は大がかりなものになりそうだ。同社から輸送を請け負った「アチハ」(大阪市)の島正男・鉄道事業部長(71)によると、分割・輸送の費用は約1千万円。庭に設けられているプラットホームや線路などを撤去して更地にするのに数百万円。筑西市で設置する費用も加えると総額2千万円近くになるという。
(中略)
 輸送日当日は、2台のクレーンで大型トレーラー3台に積み込み、交通量の少ない真夜中に運ぶという。(三国治)
 朝日新聞デジタル 5/3(木) 14:47

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(2017/10/24の記事、価値観のベースが違うことを知れ!)で取り上げた白井市のD51、無事に引き取り手が現れたのか。
 だけど、「三つに分割」という書き方が気になるなぁ。これではまるで輪切り三分割するように取れてしまう。
 これはきっと記者の書き方が悪いだけで、「運転台」「ボイラー部」「台車」の三つのパーツ部分に分けるということなのだろう。そうでなければ悲しい。

 そうそう、このD51に引き取り手が出たというのならば、同じく同記事で取り上げた琴平電鉄の踏切の方にも、買い取り手が出てきているかもしれない。
「売れた」という話は聞かないが、どうなっているのかなぁ。