「反抗期の壁新聞」では民主主義は維持できない | 偕楽園血圧日記

「反抗期の壁新聞」では民主主義は維持できない

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 <米イージス艦>コンテナ船と衝突 7人不明


(写真、毎日新聞より。コンテナ船と衝突した米軍のイージス艦=静岡県下田沖で2017年6月17日午前8時4分、本社ヘリから)

 17日午前2時20分ごろ、静岡県南伊豆町石廊崎の南東約20キロ沖で、米海軍横須賀基地のイージス艦「フィッツジェラルド」とフィリピン船籍のコンテナ船が衝突した。
 第3管区海上保安本部(横浜市)によると、イージス艦の右舷が破損した状態で、乗組員7人と連絡が取れていない。コンテナ船の乗組員は全員無事という。両船とも沈没の恐れはない状態で、海上保安本部が原因を調べている。
 フィッツジェラルドは長さ154メートル、8315トン、コンテナ船は長さ223メートル、2万9060トン。【堀和彦】
 毎日新聞 6/17(土) 8:35


 米イージス艦衝突 7人全員の遺体発見と米主要メディアが報じる

 静岡県の伊豆半島沖で米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を拠点とするイージス駆逐艦「フィッツジェラルド」とフィリピン船籍のコンテナ船が衝突した 事故で、7人全員の遺体が見つかったと米主要メディアが報じた。第3管区海上保安本部(横浜市)も18日、イージス艦内から複数人の遺体が見つかったと発 表した。米海軍から得た情報だといい、遺体は事故で行方不明になっている乗組員7人のうちの一部とみられる。
 乗組員の遺体は、イージス艦の右舷の真ん中付近にある居住スペースで見つかったとみられる。このスペースは、衝突によって大きく損傷、浸水しており、行方不明者が取り残されている可能性があるとして米海軍などが捜索していた。
 3管は、東京・大井埠頭に停泊しているコンテナ船の乗組員らを引き続き事情聴取しており、業務上過失往来危険容疑を視野に捜査している。
 産経新聞 6/18(日) 12:32

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 米艦船とコンテナ船が衝突するという事故があった。

 とりあえず今明らかになっているのは、「フィッツジェラルド」の右舷中央部のやや前部側面に後方からコンテナ船の船首が当たったということだけで、その時の両船の航路の解析も済んでいないのだから、この時点で「どちらが悪い」というにはまるでナンセンスなのだが、ネットでは「イージス艦はレーダーがどうのこの」という人間が現れているようで。
 やれやれである。
 何年も前の「あたご」の事故の際にさんざん「たとえイージス艦でも平時にはイージスシステムを切って、普通の船と同じ航行用レーダしか使わない」ということが言われていたのに、まだこんなことをいうものがいる。もちろんこれは「イージス艦ってすげえ」と持ち上げているのではなく、「イージス艦ならばなにが来ても避けて当然だから、今回の事故はフィッツジェラルドが悪い」という決めつけで非難をしているだけである。

 こういう意識が進むと、

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 米艦事故「なにやってんの」…朝日編集委員謝罪

 朝日新聞大阪本社の小滝ちひろ・編集委員が今月17日、朝日新聞社の公認を受けたツイッターで、米海軍のイージス艦とフィリピン船籍のコンテナ船が衝突した事故について、「不明の乗組員にはお気の毒ですが、戦場でもないところでなにやってんの、と。」と書き込んでいたことがわかった。
 小滝氏はその後、投稿を削除した。
 大阪本社広報部などによると、投稿後、インターネット上で批判が集まったほか、社内からも不適切だという指摘があり、小滝氏が19日に投稿を削除した。小滝氏は同日、ツイッター上で、「不快な思いをされた方々にお詫(わ)びします」などと釈明した。
 同社の古川伝(つたえ)・編集局長は「ご遺族や関係者のみなさまに対する配慮に欠けた投稿だった」とコメントした。同広報部によると、小滝氏は1986年に朝日新聞社に入社し、高松総局次長などを経て、2006年から編集委員を務めている。
 読売新聞 6/20(火) 12:48

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「ジャーナリスト」の肩書も忘れてこんなことを口にしてしまう人間も出てくるようになってしまうのだろう。まったくあきれたものである。

 朝日新聞系列の週刊誌記者が、エアレースで飛んだ零戦にいつもの「戦争がー加害者がー」という文句をつけ、「戦争というなら熊本城も戦争のためのものだった」と非難されて逆切れ、「記者だって人間なのに石を投げてもいいと思っているのか!」と被害者面して大騒ぎをした騒動があった。
 こういう昭和的感覚で「アメリカとか国とか自民党とかは絶対的にあるものだから何を言ってもいい」というような意識が、まだマスメディアの中にあるのだろう。
 この感覚をわかりやすくいうと、楽太郎時代の円楽が大喜利で「自民党の悪口」を言うことで、自分が「幕府に反抗していた江戸時代の庶民」になったつもりの気分に浸っていた、あれ。「憲法は権力を縛る」という考えも、この「甘えられる存在」があるという反抗期の子供のような意識があるからゆえのものなのだろう。

 マッカーサーは日本の民主主義を子ども扱いしたが、子供なのはその民主主義で本来「情報」を皆に開示してくれるはずの「ジャーナリズム」ではないのか?


 ところで、この事故を受けて、

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 日テレ「バトルシップ」放送中止…事故を連想

 日本テレビは19日、23日午後9時から予定していた映画「バトルシップ」の放送を中止すると発表した。
 米国の軍艦がエイリアンとの戦闘で沈没する場面などが、静岡県・伊豆半島沖で起きた米海軍イージス駆逐艦の衝突事故を連想させるためという。
 読売新聞 6/19(月) 19:17

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 日テレがこんな措置をとっているのだが、これもまったく馬鹿馬鹿しいもので、「バトルシップ」には確かに米艦がやられるシーンもあるが、筋立てとしては「それにも負けずに反撃して勝つ!」というものなのだから、むしろ「事故があっても米軍はへこたれない」という士気の鼓舞になるものではないか。
 いったい「金曜ロードSHOW!」のプロデューサーは、自分の番組で流すものの内容を理解しているのだろうか?

 まあ、この番組は放送前に変にお茶らけたバカ騒ぎのミニ番組を入れてみたり、「ゴジラ」の映画ではゴジラが海に帰っていく姿を途中でぶち切って終わらせたりと、映画という作品に対するリスペクトのようなものがまるで感じられないことをやってくれたりしているから、今回も特に深く考えたのではなく、単に「クレームとか来たら嫌だな」程度の気持ちでやっているのだろうが、まったくこれも、プロ意識の感じられないことである。


 本日の信長。

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 駆除イノシシの頭蓋骨スピーカー やわらかい音色特徴


(写真、朝日新聞デジタルより。イノシシの頭蓋骨(中央)や牛の角を使ったスマホ用のスピーカー。木材も鏡野町産だ=鏡野町百谷)

 駆除されたイノシシやシカ、地元の山の木材を使ってスマートフォン用のスピーカーや壁飾りを作っている男性がいる。岡山県鏡野町百谷の竹下桂輔さん(47)。地域に眠る資源を実用的で美しい>作品に変えている。
 四つの牙をむいたイノシシの頭蓋骨(ずがいこつ)から音楽が流れてくる。所有する山に生える桜の木と組み合わせ、スマホの音量を2倍ほどに大きくし、やわらかい音色を出す。廃棄されるはずだったイノシシの骨を活用した、インパクトのあるスピーカーだ。
 このほかにも、牛の角を使ったラッパ付きスピーカーや、シカの頭蓋骨を使った壁飾りもある。いずれの材料も鏡野町のものだ。
「ジビエの皮や骨もうまく処理すれば資源になる」と竹下さんは言う。同町の出身で、都内でドラマーとして活動した後、2008年に実家に戻ってきた。農業と林業を営む傍ら、山林の木を使ってスピーカーやイスを作っていた。
(中略)
 共通の知人から竹下さんのスピーカーを紹介されたという三重県桑名市に住む奈城(なしろ)由大(よしひろ)さん(33)は「圧倒的な存在感がある」と評する。「音楽に携わっていた竹下さんだからこそ、音もこだわり抜かれている。優しい、特別な音になっている」と話す。名古屋市の飲食店などに作品を販売しようと準備中だ。
(中略)
 県鳥獣害対策室によると、イノシシやシカによる農作物の被害額は昨年、計1億2740万円にのぼった。捕獲件数はイノシシ約2万頭、シカ約1万5千頭(いずれも2015年度)で、増加傾向にあるものの、そのほとんどが活用されずに廃棄されているという。
 県は今年度からシカやイノシシを食肉として有効活用しようと、加工品の開発や販路開拓に取り組む岡山市と倉敷市の事業者に補助(上限70万円)を始めた。担当者は「地域資源として新たな需要を掘り起こしてほしい」と期待する。(国米あなんだ)
 朝日新聞デジタル 6/19(月) 7:38

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 う~ん。最後に書かれている食肉やその加工品ならばともかく、頭蓋骨の置物が日本人に受けるかなぁ。
 日本的な感覚ならば、こういうものは塚でも作って埋めて供養した方が気持ち的に安らぐと思うのだが。

 名古屋の人はどう受け取るだろう。
 売るならばこれは、外国人向けに販売した方がいいと私は思うぞ。欧米人ならば、こういうものを飾っておくのにも抵抗感をあまり持たないだろうし。