危惧した通りに「煽り」が始まった(ため息) | 偕楽園血圧日記

危惧した通りに「煽り」が始まった(ため息)

 マスコミが「豊洲豊洲」と騒いでいる。


 この件でまず始めに、事実関係をきちんと知っておくために(2016/09/14の記事、きちんと問題を見て回答しないと×!)で引用した「<豊洲市場>移転推進派も憤慨…盛り土せず」(毎日新聞 9月10日(土)23時42分)からもう一度引用しておくと、
 


(図、毎日新聞より。豊洲市場の地下の状況)
 

 これが豊洲埋立地の「空洞がある」といわれている建物の地下の模式図である。
 都知事が先日の説明会でかざしていた図も同じようになっていたので、海面の位置などおおむね正しいと考えていいだろう。


 で、まずは大前提として知っておくべきことは、豊洲は埋め立て地で山も川もなく、市場の建物がある高さより「上」から流れてくる水というものはないという当たり前のことである。
 この土地で「地下水」となるのは降った雨か、あるいは周りの海から浸み込んできたものかしかない。


 と、いうところで、


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 地下水漏れか=豊洲市場の主要施設―共産都議団が現地調査

 東京都が築地市場(中央区)からの移転を延期した豊洲市場(江東区)で、主要施設の地下空間の底面に水がたまっている問題をめぐり、共産党都議団は14日、現地調査を行った。
 水質を簡易検査したところ、有害物質を含む地下水と同じ「強アルカリ性」だったことから、地下水が漏れ出している可能性が高いとの見解を明らかにした。
 都庁で同日夜、記者会見した曽根肇都議らによると、この日午後に青果棟を訪れ、最大で約20センチの深さに達していた地下空間の水を採取。その場で酸性やアルカリ性の度合いを測ることができるペーハー試験紙を浸すと青色に変わり、強アルカリ性であることを示した。
 採取した水は持ち帰り、検査機関に提出。その結果は16日ごろに出るという。曽根都議は「何らかの化学物質が影響しないと、これだけの強アルカリ性にはならない」と主張した。
 これに関連し、豊洲市場の土壌問題を調べてきた畑明郎元日本環境学会長も、地下水が漏れ出ている可能性を指摘。「地下水に含まれる有害物質のベンゼンなどが揮発し、建物内に浸入する恐れがある」と懸念する。
(中略)
 地下空間の底面は設計通りなら、砕石層がむき出しのままになっているはずだが、水産卸売場と水産仲卸売場の両棟は全面に、青果棟は一部にコンクリートが敷かれている。これは「工事業者から『作業上、足場を平面にしたい』との申し出があった」(担当者)からだという。
(後略)
 時事通信 9月15日(木)0時17分



 豊洲の地下から微量の有害物質検出か 共産党都議明かす

 築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の地下空間に水がたまっている問題で、水質の独自調査を行った都議会共産党の曽根肇都議が16日、出演した日本テレビ系「情報ライブミヤネ屋」(月~金曜後1・55)で、水から微量ながら、発がん性のある有害物質のベンゼンが検出されたことを明らかにした。
 曽根都議は番組内で「(検査の)速報値では基準値以下だけれども、微量のベンゼンが出ている。ということは、(たまっているのは)雨水よりは地下から上がってきた水の方が多いと思う」と話した。
 都議会共産党は14日から水質を独自調査。「強アルカリ性」だったとして、「何らかの化学物質の影響があるのでは」と指摘していた。
 都も水質の調査を開始していたが、関係者の話としてこの日、基準値を超える水準のベンゼンは検出されなかったと一部で報じられていた。
 サンケイスポーツ 9月16日(金)19時9分

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(2016/09/14の記事、きちんと問題を見て回答しないと×!)で「そういう方向に行ってはいけない」と書いた「デマも混ぜた危険煽り」を共産党都議団とマスメディアがやり始めている。
 

「福島でやった騒ぎを見う一度!」とでも思っているのだろうが、まったくいい加減にしろといいたい
 他の報道では「リトマス試験紙」と書いているところもあるが、人がジャボジャボ入っているようなところで「試験紙」をつけて反応させたからなにがどうだというのだろうか? こんなものは油膜を張った洗面器に界面活性剤をつけた指をつけて「油膜が割れる」様子を映している家庭用洗剤のコマーシャルと同じ、ただの印象操作に過ぎない。
 NHKニュース7でも金、土と「地下に入ったアナウンサー」が「変な臭いが」とか「水がぬるぬるしている」とかやっていたが、灯りのないたまり水のある空間にはいれば、それは変な臭いもするだろう。
 そもそももうあちこちでいわれているように、コンクリートがアルカリ性なのだから、そこにたまっている水がアルカリ性になるのは普通のこと。そこに手を入れれば皮膚表面が反応して「ヌルヌル」するのは中学の理科で水酸化ナトリウムを使った経験を思い出せばわかるはずである。
「強アルカリだから地下水による汚染を示すもの」だというのは、今の段階ではデマに近い


 しかもここで「ベンゼンが出た!」といっている共産党の都議の言葉は、

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 ベンゼン検出されず=豊洲市場下の水で調査―共産党都議団

 共産党都議団は16日、豊洲市場(江東区)の主要施設の地下にたまる水からベンゼンは検出されず、環境基準を下回るヒ素が検出されたなどとする独自の調査結果を発表した。
 同都議団は結果を受け、たまっている水が地下水であるとの見方を改めて示した。
 時事通信 9月16日(金)20時28分

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 と、自分たちで否定しているのである。


 もう一度はじめに書いたことを思い出してもらいたいが、ここは埋め立て地なので雨や海からの水が浸みたものか、あるいは人間が外から持ってきた水しか「地下水」にはなりえない。そして、毎日新聞の図にあるように海面は盛り土部分より下にあるから、ここから浸みてきた水は基本的にその高さのあたりに滞留する。
 こう書くと、「毛細管現象でなんたら」という人間も出てくるだろうが、そういう現象を防ぐために作られているのが図の「砕石層」である。砕いた石をごろごろと積むことで「水が吸い上げられるような微細な隙間」を作らないようにするのがこの工事の目的で、これがきちんと行われていれば、地下水はここから上には「あがって」こない。豊洲にはこの高さより上にある「水源」は人間が作った水道しかないのだから。
 この砕石層を越えて地下水が上がってくるためには、図の、土地と海の間に見えるコンクリート護岸を「完全防水」にして、雨などが外に出ていかないよう「土地が貯め込む」構造にしなくてはならない。そしてそういう構造になっていた場合、「コンクリートで覆われていない、砕石層が剥き出しになっている青物棟の地下を調べれば、水がびちゃびちゃになっているだろうからすぐに分かる。

 この豊洲の「水たまり」の話では、そういう全体的な調査がされないまま「地下水だ」「ベンゼンは揮発したに違いない」と適当なことをいう学者まで担ぎ出して騒がれているのだから、呆れるばかり。


 ついには「ベンゼンがダメなら」と、


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 地下空間の水から環境基準4割のヒ素検出、共産党都議団が公表…豊洲市場問題

 東京都が築地市場(中央区)からの移転延期を決定した豊洲市場(江東区)の主要施設の地下空間に水がたまっている問題で、14日に現地調査を行った共産党都議団が16日、環境基準の4割のヒ素が検出されたと公表した。都議16人で水質を簡易検査したところ「強アルカリ性」であることが判明したため、採取した水を民間の検査機関に提出していた。
 都は、地下にたまっている水について、外部工事が終わっていない部分から侵入した雨水の可能性を挙げていたが、有害物質を含む地下水である可能性が出てきた。
(後略)
 スポーツ報知 9月16日(金)20時24分

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「ヒ素だヒ素だ! 地下水だ!」と、次々ということを変えて「狼少年」が続けられる。

 今までの物理的な話を超越する何らかの仕掛けで地下水が砕石層を越えて上がってきていたとして、環境基準の半分にも満たないヒ素の何が問題なのだろうか? しかも、ここでもまた周りの土や建物の調査をしないまま、「地下水に違いない」という話ばかりがマスコミによって拡散されている。

 もうはじめの「ベンゼンがなんたら」が否定されたところでこの手の煽りはやめて、情報公開の話の方に論点をもっていけばいいのに。
 これらのヤフー配信ニュースに「強アルカリとかよく分からないけど、もう豊洲の魚なんか危なくて買えない!」とコメントをつけるような人間を騙して「バックグラウンドノイズ」にしようというスケベ根性で騒ぐから、話がごちゃごちゃのまま解決に向かうこともない。

 防毒マスクもつけずに人が何十人も入り、じゃぶじゃぶと水をかき混ぜて平気な様子が目の前にあるのに「危険危険」と騒ぐ様子を見て鼻じらむことができるほどの科学知識は「数学が嫌いだから文系」といっているような人間も身につけておかなくては。それで騙されて「精神的テロリスト」の手ゴマにされてしまうなどまったく馬鹿らしい話なのだから。

 


 本日のホールド。


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 レクサス、運転しやすいクモの巣シートを披露


(写真、carveiw!より)

 レクサスは、コーナリング時の運転しやすさや長距離運転時の快適性を追求したコンセプトシート「キネティック シート コンセプト」の画像を披露した。同シートは今月29日よりフランスで開催されるパリモーターショーに出展される。
 キネティック シート コンセプトは、シート座面と背面にクモの巣パターンのネット型シートを採用することで、旋回時や凹凸のある路面でも頭部の動きを抑制し、運転のしやすい姿勢を保つというもの。また、腰に適度な動きを生むことで、長時間運転時でも筋疲労が抑えられるという。
 キネティック シート コンセプトの開発者は、人体が歩行やジョギングでも頭部の動きが最小限に抑制されることに目をつけた。人体では骨盤と胸郭が逆方向に回転するように動き、これが頭部の動きの安定に繋がっているというのだ。
 このメカニズムをシートにも取り入れたところ、車両に対する頭部の動きが抑制され、旋回中でも目線が安定する効果が得られたという。結果的に乗員の負担が軽減され、運転しやすさや快適性が向上するという。ぜひともその座り心地を試してみたいところだ。
 carview! 9月16日(金)12時28分

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 バギーなんかではこんな感じの「網」のシートもあるが、さすがにこのまま剥き出しで搭載するわけではないだろう。
 クッション性などは、この「網」が受け持つのかな? それともこの下にクッション素材が充填されるのだろうか?



 ところで、記事の中に「人体では骨盤と胸郭が逆方向に回転するように動き、これが頭部の動きの安定に繋がっている」とあるが、ならば一説による、江戸時代の日本人は「右手と右足」「左手と左足」を同時に出す形で、つまり「骨盤と胸郭を同方向に回転させる」ような歩き方をしていたというその場合の頭部の安定性はどう保っていたのだろうか?
 まあ、個人的にはこの「ナンバ歩き」なるものは舞台や武術試合の場での特殊な運足法で、一般的なものだったという話は眉唾だとは思っているけど。