いつのまにか心で線引きをしていないか? | 偕楽園血圧日記

いつのまにか心で線引きをしていないか?

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 谷垣禎一幹事長の状況「歩行可能なのか分からない」 細田博之代行、直接会話せず

 自民党の細田博之幹事長代行は26日の記者会見で、サイクリング中に転倒し、頸髄を損傷し、手術を受けた谷垣禎一幹事長が8月1日に召集される臨時国会への出席が可能かどうかについて「分からない。現段階では今後の正確な見通しは申し上げられない」と述べた。
 細田氏は会見で話す内容について、谷垣氏の秘書とすり合わせたが、谷垣氏とは直接話していないという。「歩行は可能なのか」との質問には「分からない」と答えた。
 細田氏は会見に先立ち、党役員会で谷垣氏の状況を説明した。安倍晋三首相(党総裁)も出席したが、細田氏による説明を聞いていただけで、特に発言しなかったという。細田氏は、谷垣氏が8月3日の党役員人事で続投するかどうかについて「(役員会で)議論もしていない」と語った。
 産経新聞 7月26日(火)11時52分

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 70になってもまだロードバイクでブイブイいわせている谷垣自民党幹事長。十日ほど前に自転車で事故を起こしてその後の動向が聞こえてこないと思っていたら、意外と重傷だったことが明らかになった。

 頸椎損傷で手術をしたという報道もある中で「『歩行は可能なのか』との質問には『分からない』と答えた」というのは、「話せないほど」という可能性もあるのだが……谷垣氏は政治主張の中には賛同できないものもあるが、実務能力というところではとても高いものを持っているので、このまま消えないで頑張ってもらいたい。
 

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 <相模原殺傷>障害者施設で19人刺され死亡 26歳男逮捕

現場検証
(写真、毎日新聞より。事件のあった津久井やまゆり園を捜査する警察官=相模原市緑区で2016年7月26日午前6時52分、徳野仁子氏撮影)

 26日午前2時45分ごろ、相模原市緑区千木良の知的障害者施設「津久井やまゆり園」に刃物を持った男が侵入して暴れていると職員から110番があった。同市消防局によると、入所者ら多数が刃物で刺され、現場に駆け付けた医師が入所者ら19人の死亡を確認したほか、26人が重軽傷を負った。同3時過ぎ、神奈川県警津久井署に「私がやりました」と男が出頭し、同署が殺人未遂と建造物侵入容疑で緊急逮捕した。容疑を殺人に切り替えて調べる。
 戦後に発生した刃物による殺傷事件としては犠牲者の数で最悪とみられ、県警は動機や経緯を追及する。
 逮捕されたのは、現場の近くに住む自称無職、植松聖(さとし)容疑者(26)。自分の車に乗って出頭した。「ナイフで刺したことは間違いない」と容疑を認め、「障害者がいなくなればいいと思った」との趣旨の供述をしているという。出頭した際、包丁やナイフ3本が入ったかばんを持っており、刃物の一部から血痕が確認された。
 県警や県などによると、同園は2階建てで、1階の入所者居住棟東側の窓ガラスが割られているのが確認され、近くにハンマーが落ちていた。現場にいた施設職員が県警に「(容疑者に)縛られた」と説明しているほか、容疑者が出頭時に乗っていた乗用車内からは結束バンドが発見され、事件に使われた可能性があるとみて調べている。事件当時、同園は夜勤職員8人と非常勤の警備員が当直だった。居室は原則無施錠という。県警は津久井署に捜査本部を設置し、事件の全容解明を進める。
 相模原市消防局によると、亡くなったのは41~67歳の男性9人と19~70歳の女性10人。1、2階それぞれで発見された。他に26人が負傷し、6カ所の医療機関に搬送されたが、20人が重傷。内訳は男性21人、女性5人。病院の説明などによると刺し傷が多く、首を中心に刺されているという。
 県保健福祉局によると、植松容疑者は2012年12月に同園で非常勤職員として働き始め、13年4月から常勤職員になり、今年2月19日に「自己都合」で退職した。施設で働く前は運輸系の会社で働いていたという。知人らによると、容疑者は1人暮らし。教員を目指し、近所の小学校で教育実習もしていたという。
 相模原市によると、今年2月、警察から(植松容疑者が)他人を傷つける恐れがあるなどと連絡を受けて措置入院の対応を取った。3月に医師が診断し、退院したという。相模原市によると、2月20日、植松容疑者の尿と血液を検査したところ、大麻の陽性反応が出たという。【村上尊一、長真一、福永方人】
(やまゆり園説明文・略)
 毎日新聞 7月26日(火)6時12分

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 神奈川県で、とんでもない事件が起こった。

 この容疑者は、

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 <相模原殺傷>衆院議長宛て手紙? 殺害予告のような記述も

 相模原市緑区の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で26日、入所者ら多数が殺傷された事件で、植松聖容疑者(26)とみられる男が今年2月、大島理森衆院議長宛ての手紙を持参し、衆院議長公邸(東京都千代田区永田町2)を訪れていたことが警視庁への取材で分かった。捜査関係者によると「障害者が安楽死できる社会を」という趣旨の内容が書かれていたという。また、手紙の文面を見た衆院関係者によると、殺害予告のような記述や、津久井やまゆり園を含む複数の施設名が記されていたという。
 手紙には植松容疑者の名前や住所などが書かれており、警視庁は住所地を管轄する神奈川県警津久井署に情報提供したという。
(後略)
 毎日新聞 7月26日(火)11時27分

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 こんなことを主張していたというのだから、常日頃「ヘイトヘイト」と騒いでいる勢力は、ここでこそ「障害者に対するヘイトだ!」と大声を上げてこの植松容疑者を非難しなくてはならない。
 今のところ、「在日ヘイト非難」の時ほどの声は聞こえてこないようだが。

 こういう勢力に、日本社会の「差別」意識解決問題は歪められてきた。それが利権にされ、ただの「たかりの道具」に使われてきた。
 左巻きの活動でも障害者を「弱者の看板」に使われることはあっても、いや、逆にそういう「線引き」のおかげで、「人それぞれの能力の違い」という視点で障害を捉えることはほとんどなかった。

 そういう歪んだ方向からのアプローチばかりがされてきたおかげで、

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 「障害は新たな価値」 東京五輪へ共生社会考えるシンポ

シンポジウム
(写真、朝日新聞デジタルより。朝日新聞2020シンポジウムで講演する「ミライロ」社長の垣内俊哉さん=23日、東京・赤坂の東京ミッドタウン、迫和義氏撮影)

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、共生社会について考えるシンポジウム「朝日新聞2020シンポジウム 広げよう、ユニバーサル社会」(朝日新聞社主催)が23日、東京都港区の東京ミッドタウンであった。
 遠藤利明五輪担当相は「2020年を共生社会の実現の契機に」と題して講演。「パラリンピック開催に向けて共生社会をつくることが、その後のユニバーサル社会の実現につながる」と話した。
 コンサルティング会社「ミライロ」社長の垣内俊哉さんは、障害をマイナスと捉えるのでなく、価値と考える「バリアバリュー」を提言。人口の3割以上を占める障害者や高齢者らのニーズに応える社会づくりは「社会貢献にとどまらず、新しいビジネスとしても成り立つ」と話した。
(後略)
(斉藤寛子)
 朝日新聞 07月23日 19:14

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 こんなとんでもないことを主張するものも出てくるようになる。

 なにが「障害は新たな価値」であろうか。こういう会合に出てくるような「意識高い系」の人間の中ではそういう話も通じるだろうが、そうではない普通の、生活の中の不便さに「あきらめ」を余儀なくされているような障碍者の前でこういう話をして受け入れられると思っているのだろうか。
 垣内氏も車椅子を使っているようだが、私の親族にも事故で足が動かず車椅子を使っている者もいる。その前で「障害は新たな価値」などといおうものならば「馬鹿にしているのか」と怒られることだろう。
 私自身も、障害者というほどではないが心臓に持病を抱えているおかげで100%健常者と同じ生活をすることはできない。それを「新たな価値」などといわれたら、ただただ「ふざけるな」としか思わない。

「障害者はみんな殺せ」という犯罪者も、「障害者を新たな人類」であるかのように持ち上げるこういうシンポジウムも、根っこは同じ。「障害者は普通の人間と違う」という線を心の中で引いてしまっているのだ。
 本当に「バリアフリー」をいうのならば、障害をそもそも「特別なこと」と考えないようにするのが一番。
 なに、健常者と呼ばれていても器用なものもいればぶきっちょなものもいるし、頭の回転の早いものもいれば吞み込みが悪いものもいるのだ。その程度が少々大きいのだと考えるようにすれば、さほど難しいことではないだろう。


 今回の事件では、

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 <相模原殺傷>神奈川県警、被害者の実名「発表しない」

 相模原市緑区千木良の知的障害者施設「津久井やまゆり園」の殺傷事件。神奈川県警は26日、事件の被害者の名前を公表しない方針を明らかにした。 殺人などの被害者は公表するのが通例だが、今回の事件について県警は「(現場の)施設にはさまざまな障害を抱えた方が入所しており、被害者の家族が公表しないでほしいとの思いを持>っている」と理由を説明している。
 毎日新聞 07月26日 21:45

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 神奈川県警がこういう方針を発表したのだが、そういうことを言うまでもなく、マスコミがいつも行っている「被害者のプロフィールを流し、遺族のもとに詰めかけて『今のお気持ちは』と聞く」ようなことをやっていない。

 バングラディシュのテロの時には、

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 <バングラテロ>犠牲者の氏名公表 どうあるべきか

◇遅れに懸念 専門家から「過剰な情報制限」
 バングラデシュの人質テロ事件で、政府は死亡した日本人7人の遺体が帰国するまで3日間、犠牲者の氏名を公表しなかった。海外の事件で亡くなった人の氏名公表はどうあるべきか。識者から「過剰な情報制限」と懸念の声も出ている。
 人質テロ事件は今月2日未明(日本時間)に起きた。菅義偉官房長官は同日深夜の記者会見で7人の身元を確認したと述べたが、氏名については「ご家族の了解を頂いていない」と非公表とした。
 7人の遺体が日本に到着した5日午前に政府は氏名を明らかにし、萩生田光一官房副長官が「帰国されたことから政府の責任で公表した」と説明した。
 2013年1月にアルジェリアで日本人10人が死亡した人質事件でも、政府が氏名を公表したのは遺体が日本に着いた日だった。政府はこの対応を踏襲したとみられ、今後、定着する可能性がある。
 地下鉄サリン事件で亡くなった高橋一正さん(当時50歳)の妻シズヱさん(69)は「遺族は何が起きたのか、なぜ起きたのか知りたい。米同時多発テロに遭った方の遺族が『(亡くなった肉親の)氏名を出せば情報が得られると思った』と話していたが、同感だ。今回は現地で働く日本人のためにも被害者名を含めた情報提供を早くした方がよかった」と語った。
 その上で「政府や警察が『遺族の意向』を盾に氏名を非公表とすることがあるが、本当にそうか、それが遺族のためなのかと思うこともある」と話す。
 服部孝章・立教大名誉教授(メディア法)は「現地に親族や知人がいる人は不安が募ったのではないか。早く公表すべきだった。政府に情報を任せておけばよいという風潮が強まると、公権力をチェックできなくなる」と指摘する。「社会的に有益な報道で理解を得る努力をすべきだ」と報道機関にも注文を付けた。【青島顕】
◇イタリアは事件発生翌日に外務省が全員氏名公表
【ローマ福島良典】バングラデシュ人質テロ事件で9人が犠牲となったイタリアでは、事件発生翌日の2日(現地時間)に同国外務省危機対策室が全員の氏名を公表し、内外のメディアが報道した。
 当初、イタリア人の人質は11人と報道されたが、正確な犠牲者数は明らかになっていなかった。レンツィ首相は2日正午の声明で「遺族への伝達後、公式な情報が公開される」と述べ、伝達後、ジェンティローニ外相が「犠牲者は9人」として氏名も発表した。
 発表を踏まえ、イタリア紙は3日朝刊で犠牲者の人柄などを詳報した。コリエレ・デラ・セラ紙は妻を失い、自らは生き残ったジャンニ・ボスケッティさんの証言を伝えた。
 毎日新聞 07月19日 21:46

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 こんな記事まで書いて自分たちの「被害者報道」を正当化していた新聞業界も、今回はそれをしない。

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 相模原市の障害者施設で入所者らが刺され、少なくとも15人が死亡した事件で、神奈川県警によると、逮捕した男は、植松聖(さとし)容疑者(26)で、刃物を持っておらず、「やつをやった」と話したという。
(後略)
 産経新聞 7月26日(火)7時43分配信「相模原刺殺 『やつをやった』26歳男逮捕」より

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 という、イエロージャーナリズムならば涎を垂らして飛びつきそうな証言も出ているというのに。

 こういうところで、メディアがどういう「障害者への目」を持っているのかが分かるということだ。
 そういう「目」に自分も引きずられていないか、今度の事件を聞いた人は考えてみたらどうだろうか。


 本日の本尊。

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 <鶴岡善宝寺>海の神ご尊体 史上初の公開

御本尊
(写真、河北新報より。開帳された善宝寺の尊体を拝む参拝者たち=20日、鶴岡市)

 竜神を祭り、全国の漁業者の信仰を集める山形県鶴岡市の善宝寺が、ご尊体の竜神の木像などを史上初めて一般公開している。10月28日まで。
 尊体は、平安期に善宝寺の前身竜華寺を創建した妙達(みょうたつ)上人から教えを受けたとされる竜神の戒名が入った位牌(いはい)と、北極星を神格化させた北辰妙見大菩薩(ほくしんみょうけんだいぼさつ)の仏像や竜神の木像からなる。竜王殿が建立された15世紀ごろに作られたとみられる。
 尊体を納めるずしの鍵を管理する歴代住職以外は、寺の僧侶ですら見ることができなかったという。
 一般公開は、竜王殿や五重塔など六つの建物が国の文化財指定を受けたことに加えて、今年が妙達上人の生誕1150年のご縁年に当たることから企画した。毎日午前8時から2時間おきに計5回祈祷(きとう)を行い、竜王殿内を案内する。
 五十嵐卓三住職は「妙達上人の生誕1150年と文化財指定の二重の喜びを迎え、ご尊体の開帳を決めた。多くの方の来訪をお待ちしている」と話す。
 善宝寺は天慶・天暦年間(938~957年)の開山とされる。明治期には漁業者が費用を出し合い、海産物全般の供養塔として全国で唯一の五重塔が建てられた。連絡先は善宝寺0235(33)3303。
 河北新報 7月27日(水)12時43分

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 う~ん、せっかくの御開帳なのに、写真がよく分からないな。
 それともわざとはっきり写らない角度で撮っているのだろうか。

 寺というのは当たり前だが仏教の施設なわけで、仏教とはいってみれば「どう生きるべきか」を求めるものだから、そこに「海の神」のような場を司る神という概念はないんだよなぁ。
 これが普通に信仰されているというところが、日本の宗教文化というもの。
 よく「日本人は無宗教」といわれるが、それはいわゆる「西洋的価値観で分類した宗教心」がないだけということだ。