目先のことだけで悪口を言うと恥をかく | 偕楽園血圧日記

目先のことだけで悪口を言うと恥をかく

 街を走っていたら、共産党の宣伝カーがいた。
 相変わらず公示前から「参議院候補のなんたら。比例はなんたら」と選挙違反にいそしんでいるようで、とっとと選管には摘発をしてもらいたいものだが、それにしても、この共産党と統一候補を立てようという民進党代表の、

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 民進党の岡田代表は、消費税率引き上げの再延期について、「安倍総理大臣は経済運営を誤り、必ずやると断言した引き上げができなかったのだから、まず、国民に謝罪すべきだ。国の政治に責任を持つ者として非常に無責任で、社会保障や国の財政をどうするのか、責任感がみじんも感じられない」と批判しました。
 NHKニュース 6月5日 19時52分配信 「民進・岡田代表 首相は経済運営誤った 謝罪すべき」より

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 と、自分たちが今国会で消費税増税延期法案をだしていたことなど忘れた「社会保障や国の財政」どうこうというイチャモンといい、「戦争法案廃止!」というありもしない法律を案山子にした選挙活動は、なんという意味のない煽りだろう。

 賢明なる有権者は、こんな中身のない話に釣られることなどないはずだが、ヤフージャパンのニュースにレベルの低いコメントをつけて政権貶しをして喜んでいる層も一定数いるのがなんとも(ため息)。

 そういう人間たちを煽るのがうれしいのか、ネットには「サミットでリーマンショック前夜といって馬鹿にされた安倍」という空想譚を述べているような学者や新聞記者もいるようだが、そもそも安倍総理は(2016/05/29の記事、政局政治しか考えていないから頭が悪くなる) で引用した毎日新聞の記事にあるようなことしか言っていないわけで、これを「リーマンショック前の状況といった」というのは「安倍総理が嫌い」な新聞記者が勝手に「話を丸めた」だけのことでしかない。

 そういう勝手な決め付けを流布させたいがためなのか、今回のサミットでは首脳宣言をきちんとまとめた記事を日本の新聞はポータルサイトに配信してくれなかったのだが、それをやってくれた外信のブルームバーグを見れば、

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 G7首脳宣言:「3本の矢」のアプローチ確認-宣言骨子

前文
* 世界的な成長は、依然として緩やかであり、かつ、潜在成長力を下回っている
* 拡大した地政学的な紛争、テロおよび難民の流れが、世界の経済環境を複雑にしている

G7伊勢志摩経済イニシアチブ
* 世界の成長は喫緊の優先事項* 国別の状況を考慮しつつ、強固で、持続可能、かつ、均衡ある成長軌道を速やかに達成するための政策の組み合わせを用いることにコミット
* 債務を持続可能な道筋に乗せていくための取り組みを継続しつつ、全ての政策手段-金融、財政および構造政策-を個別的にまた総合的に用いるとのコミットメントを再確認する
* 3本の矢のアプローチの重要な役割を再確認

世界経済
界経済の状況
* 世界経済の回復は続いているが、成長は引き続き緩やかでばらつきがあり、見通しに対する下方リスクが高まってきている
* 世界的な貿易のパフォーマンスは期待外れの状況にある
* 英国のEUからの離脱は、成長に向けたさらなる深刻なリスク
* 悪化した地政学的な紛争、テロおよび難民の動きは、世界の経済環境を複雑にする要因
* 新たな危機に陥ることを回避するため、適時に全ての政策対応を行うことにより、現在の経済状況に対応するための努力を強化

政策的対応
*必要に応じて短期的およびより長期的な成長を支えるため、強固な政策的対応を講じる用意がある
* 金融政策当局は、非伝統的な金融政策も含め、経済回復およびデフレ脱却を支援することにコミット
* 金融政策のみでは強固で、持続可能な、かつ均衡ある成長につながらない
* 鉄鋼の世界規模での過剰な生産能力は、世界的な影響を有する構造的な課題
* 為替レートは市場において決定され、為替市場における行動に関して緊密に協議する既存の為替相場のコミットメントを再確認
* 為替レートを目標にはしないことを再確認* 全ての国が通貨の競争的な切り下げを回避することの重要性を強調
* 為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に対して悪影響を与え得ることを再確認
(後略。読みやすくするために「*」で改行しました)
Bloomberg 5月27日(金)14時48分

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 となっており、決して安倍氏の「世界経済は決して楽観視してなにもせずにいていいものではない」という提言を否定してはいない。それどころか肯定したものになっている。
「恥をかいた安倍」というのは「反安倍」一派の頭の中にしかないのだ。

 そして実際、さっそくのように、

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 <米雇用統計>伸び鈍化、経済先行き不安 ドル高で業績悪化

米雇用統計
(グラフ、毎日新聞より。米国の就業者増減数と失業率)

【ワシントン清水憲司】米労働省が3日発表した5月の雇用統計は、景気動向を反映する非農業部門の就業者数の増加幅が大きく鈍化し、米経済の先行きに不安を投げかけた。米連邦準備制度理事会(FRB)は追加利上げに向け、雇用の改善が個人消費を盛り上げ、物価も押し上げるとのシナリオを描いてきたが、修正を迫られそうだ。

 統計によると、就業者数は3万8000人増となり、2010年9月(5万2000人減)以来5年8カ月ぶりの低調な結果だった。業種別では、原油安の影響で人員削減を進めている鉱業で減少が続いたほか、製造業も減少に転じた。これまで就業者増を支えてきたサービス業も、増加幅が4月比で半分以下となるなど、幅広い業界で雇用改善の動きが大きく鈍化した。
 企業が雇用拡大に慎重になったのは、世界経済の減速やドル高の影響を受け、業績が悪化しているためだ。高収益を誇ってきたアップルも16年1~3月期は13年ぶりの減収となるなど、中国など新興国経済の不振が世界展開する米企業の重しになっている。市場では、米通信大手のストライキのほか、「熊本地震で製造業の部品供給が滞ったことも影響した可能性がある」との見方がある。
 FRBは、米経済が年明けの金融市場の混乱を乗り越えたとみて、イエレン議長が6月か7月の利上げを示唆するなど、昨年12月以来となる追加利上げに向けた地ならしを始めていた。FRBが米経済の先行きに自信を示していたのは、雇用改善が強い勢いを保っていることが最大の根拠だったが、それが揺らいだ格好だ。
(後略)
 毎日新聞 6月4日(土)1時26分

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 アメリカからこんな話が出てきたわけで。

 さて、「ヨーロッパは好景気だしアメリカは利上げをするというのに、なにが経済先行き不安だというのか。馬鹿安倍」といっていた経済学者などは、いったいどういう言い訳で論点そらしをしてくれることだろうか?


 経済といえば、参議院選挙ではまたぞろ民進党などが「そもそも自分たちが始めた話である」というところを隠してTPPを自民党攻撃に使うことも考えられるが、世界の経済マップを見れば、それは彼らがこの交渉参加を決めた時とは違い、

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 ボーイングから100機調達=越格安航空、国際線拡大へ

【ハノイ時事】ベトナムの格安航空会社(LCC)ベトジェットエアは23日、米航空機大手ボーイングから最新の中型旅客機「737MAX200」100機を購入すると発表した。
 カタログ価格で総額113億ドル(約1兆2000億円)と、ベトナムの航空会社として最大規模の機体調達となる。国際線の路線網拡大に充てる方針だ。
 訪越中のオバマ米大統領とベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席が立ち会い、ハノイで両社首脳が購入契約を結んだ。機体は2019~23年にかけて引き渡され、ベトジェットの保有機は現在の2倍の200機余りに増える見通し。
 時事通信 5月23日(月)21時30分

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 ベトナムでもこういう話が出るほどに変わっている。

 また、このベトナムも参加するASEANの一員であり、将来的なTPP参加を見ているといわれるインドネシアでも、

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 生産拠点から消費圏へ 世界が注目するインドネシア市場

 2015年末に発足した「ASEAN経済共同体(AEC)」により、ヒト・モノ・カネの動きが自由化したことで大きな経済発展が注目されている東南アジア。中でも、ASEAN加盟国の中で最多人口約2億5千万人を誇り、中間・富裕層の割合も増加中のインドネシアは、日本のみならず欧米各国からも熱い注目を集めている。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)・ジャカルタの調査によれば、2014年3月時点の日系企業の進出件数は1496社。例えば、トヨタ自動車 <7203> 、ダイハツ工業 <7262> 、三菱自動車 <7211> 、などの自動車関連企業をはじめ、ホンダ技研 <7267> 、スズキ <7269> 、ヤマハ発動機 <7272> などのバイク関連企業、パナソニック <6752> 、シャープ <6753> 、エプソン <6724> などの電気関連企業などが進出している。
 とはいえ、急激な発展に伴って様々な問題も山積している。例えば、人件費の高騰、インフラの整備不足、法制度の未整備などが挙げられるが、中でも切実なのが慢性的な住宅不足だ。インドネシアの年間の新設住宅着工戸数は日本の約2倍程度と推定されているが、それでも足りていないのが現状だ。しかも、施工不良による雨漏りやひび割れなど、品質の悪さも改善すべき大きな課題となっている。
 そんな中、パナホーム <1924> の100%子会社でシンガポールに本社を置く「パナホーム アジアパシフィック」は、インドネシアのゴーベル・グループ傘下の「ゴーベル インターナショナル株式会社」と、JV会社「パナホーム ゴーベル インドネシア(仮称)」の7月1日の設立に向けて合意した。
(中略)
 インドネシアはかつて、日本企業にとっては生産拠点という位置づけであった。しかし今やASEANの目まぐるしい発展の中で大きな消費圏に変貌しつつある。国内の消費者をターゲットにビジネスを展開しようと思えば、現地企業の持つネットワークと密に連携し、消費者の理解を得ることは必須だ。世界から注目されるASEAN市場で日本企業が大きなシェアを獲得するためのビジネスモデルという面でも、パナホームの新会社の成功には期待がかかる。(編集担当:藤原伊織)
 エコノミックニュース 6月5日(日)19時54分

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 こういう動きが出るようになっている。

 民主党(現・民進党)が話をし始めた時には世界の経済バランスから「デフレ推進政策」になりかねなかったTPPが、今では日本のデフレマインドをひっくり返してくれる牽引役になろうとしているのだ。

 中国人の「爆買い」は、単に日本の製品の質が良いというだけの話ではなく、彼らがそれだけ金を持つようになったということでもある。昔の「貧しい中国人がコンテナで大量入国する豊かな日本」のイメージで見ていては、実態を見失うことにしかならない。
 先日書いたNHKの「互産互消という新しいやり方を見つけた!」というようなピント外れの高額所得記者が書くような経済記事に踊らされて、「成長なんかしなくていいじゃないか」という気持ちにはならないようにしよう。
「脱成長」でのんびりとしていられるのは、既に財を成した年寄り・金持ちだけなのだから。


 おまけ。

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 電子マネーが中国席巻 取引額150兆円、日本の30倍

 中国に驚異的な速さで、本格的な電子マネー時代が訪れつつある。ネット通販から始まったIT大手の決済サービスは実店舗へも広がり、取引額は日本の数十倍とみられる。中国の既存金融機関の不便さもあり、金融とITを融合した新サービス「フィンテック」の優位性が際立っている。
「財布の中身は気にするな、スマホの電池が足りてりゃ良い」。浙江省・杭州。ネット通販最大手、アリババグループが本社を置くこの街に、こんな言い回しが生まれている。市内の隅々まで、電子マネー「支付宝(アリペイ)」を使える仕組みが行き渡り、スマートフォンさえあれば支払いが済むからだ。飲食店では一人が代表してスマホで支払い、その後全員がやはりスマホで代金をやり取りすれば、現金を介さずに「割り勘」にできる。
 アリペイは2003年、アリババが始めた決済サービスだ。当初は始まったばかりのネット通販を補助する仕組みだった。「お金を支払ったのに業者が商品を送らない」といった問題を解決するため、アリババが間に入ってお金を電子マネーの形で預かり、商品の受け渡しを待ってお金を動かすようにした。
 アリババ以外のネット通販にも使われるようになり、アリペイの口座数も急増。09年からは携帯電話からの支払いもできるようになり、口座数は4億5千万を超える。アリペイ運営会社は未上場だが、企業価値は600億ドル(約6・5兆円)と、中国の大手国有銀行に並ぶとみられている。
 最近は、ネット通販から実店舗へも活用が広がっている。大手スーパーやコンビニではレジに専用のスキャナーを備え、利用客のスマホから支払い情報を読み取る。小さい商店や屋台でも、2次元バーコードを印刷した紙を置いておけば、客がそれをスマホで読み取ることで支払いができる。アリペイ運営会社の朱以師・広報担当役員は「自分もここ半年、現金を使っていないよ。間もなく北京や上海も同じ状況になる」。
 朝日新聞 06月04日 05:07

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日本の30倍」と書くなど、朝日新聞はいつもの「中国色目」で見て褒めているようだが、中国で電子取引が流行るのは、現金には偽札が多く混ざっているからというのが一番の理由ではないのか?

 この流れが進むと今度はハッキングやデータ偽造が問題になって、経済の足を引っ張ることになるだけではないのかな?


 本日のしるし。

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 <多賀城内館館跡>空撮で室町後期屋敷跡発見

クロップマーク
(写真、河北新報より。航空写真で確認された内館館跡のクロップマーク(多賀城市教委提供))

 宮城県多賀城市南宮の内館館跡(うちだてたてあと)で、室町時代後期の堀に囲まれた屋敷跡が見つかった。発見の契機となったのが航空写真の分析で見つかった農地のクロップ(農作物)マーク。埋没している遺構の影響で農作物の成育に違いが出ており、その場所を調べるとマーク通りに堀の跡が見つかった。市教委は4日午後1時半から現地説明会を開く。
 クロップマークは、JR東北線陸前山王駅から北西約1.5キロの水田で確認された。航空写真では、幅2~3メートルの二重の堀に囲まれた隣接する2区画の形がうっすらと浮き上がって見えた。
 堀の内側にあった井戸跡などからは、漆器のわん、すり鉢型の土器、木製のげた、ひしゃくなどの生活用品が出土。柱を立てた穴も数カ所確認され、有力者の屋敷跡と推定された。
 多賀城市西部は、鎌倉時代の陸奥国府留守所(るすどころ)の長官の子孫で、代々この地を治めた「留守氏」の屋敷跡がある。内館館跡は、室町時代後期の武将留守顕宗(るすあきむね)(1519~86年)が隠居後に暮らした地と伝えられる。遺跡の出土品と時代が重なることから、顕宗の隠居地である可能性があるという。
 市教委は「館跡の場所は資料で推定できたが、クロップマークが手掛かりとなって今回場所が確定できた」としている。
(後略)
 河北新報 6月4日(土)13時1分

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 へぇー、こんなにきれいに出るものなんだ。
 考古学もただ古文書などを漁って「あたり」をつけるだけではなく、科学的に測定できる面白い時代になっているということか。

 地下の様子といえば、いつも不思議に思うのが、東京でビルを建てるために地面を掘っていると「江戸時代」の大名屋敷の跡が出てきたという話。
 江戸時代から今まで、東京でそんなに土が積もるような大変動などあったかなぁ。古い寺院などはそのまま残っているわけだし。
 明治から大正にかけて人為的に埋めた可能性もあるのかな? 一般人の家を作るためにとか。