相手を図に乗らせるのは最低の愚策 | 偕楽園血圧日記

相手を図に乗らせるのは最低の愚策

 安倍内閣の閣僚二人が辞任した話。
 マスコミが応援してくれるからと調子づいた野党が、

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 災害防止法審議入りで攻防=野党、2閣僚辞任理由に反対

 衆院議院運営委員会は21日午前の理事会で、広島市の土砂災害を踏まえた土砂災害防止法改正案の審議入りを予定している同日午後の本会議開催について協議した。
 野党側は、小渕優子前経済産業相と松島みどり前法相の辞任を受け「開会できる環境にない」と出席を拒否する考えを伝達。与野党間で折衝を続けるが、審議入りはずれ込んだ。
 与野党は本会議に太田昭宏国土交通相の出席を求め、同改正案の趣旨説明と質疑を行うことで合意していた。このため、与党側は理事会で「円満に日程を決めた。国民の生命、暮らしを守る大切な法案だ」と予定通りの開会を要請。しかし、野党側は質問通告を拒否するなど強硬で、対決姿勢を強めた。
 自民党の谷垣禎一、公明党の井上義久両幹事長らは21日午前、東京都内のホテルで会談し、「土砂災害対策は待ったなしの課題だ」として午後の本会議は予定通り開くべきだとの立場を確認。この後の自民党役員連絡会では「野党の主張には大義がない」などの声が相次いだ。公明党の山口那津男代表は記者会見で「野党にも国民生活に配慮した対応をお願いしたい」と語った。
 時事通信 10月21日(火)12時25分

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 交代していない大臣の趣旨説明で「サボタージュ」。審議妨害をやってくれた。(ちなみに火曜日のNHKニュース7では、野党が批判されそうなこのサボタージュには触れず、視聴者受けのよさそうな「派遣法審議拒否」の話しか流さなかった。こちらも本来ならば「非正規格差の是正」という大きな論点があるというのに)

 国民の生活よりも自分たちの「得点」という下卑た意識で騒ぐなど、言語道断である!

 米国人から「ゴキブリ以下」と評される米議会も、中間選挙を迎えてごたごたしているが、

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 エボラ熱が米中間選挙の争点に浮上、共和党は政府の対応を批判

[米シカゴ 21日 ロイター] - 11月4日に迫った米中間選挙でエボラ出血熱への対応が主要な争点に浮上している。米国で確認された感染者はこれまで3人で、感染拡大や政府の対応をめぐる国内の懸念は、野党・共和党にオバマ政権に対する新たな攻撃材料を与えている。
 上院の議席を狙う共和党の候補者らは、オバマ政権のエボラ熱への対応のまずさを国境警備の問題と絡めて批判し、エボラ熱の感染拡大が最も深刻な西アフリカ諸国からの渡航禁止を発動するよう求めている。
(後略)
 ロイター 10月21日(火)17時14分

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 それでもこういう「国民生活の保護」が争点になっている。

「そんなことどうでもいいから政権の足を引っ張ることで有権者が『ダメ内閣』と見てこっちを見るに違いない!」とやっている日本の野党というのは、どこまで低レベルな存在なのだろうか。


 さて、そんな「野党の馬鹿騒ぎ」に各方面がかまけているおかげで、

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 拉致再調査 安倍首相、平壌に政府担当者派遣を表明 「やらざるを得ない…」

 安倍晋三首相は20日、政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会で、北朝鮮による拉致被害者の再調査をめぐり「平壌で局長クラスの会合はやらざるを得ない」と述べ、調査状況を聴取するため政府担当者を派遣する考えを表明した。山谷えり子拉致問題担当相も同日、拉致被害者家族会に政府の派遣方針を伝達。派遣は今月下旬の見込みで、政府は北朝鮮に安否情報の提供を強く求める。
 首相は協議会で平壌派遣について「さまざまな意見があるのは承知している。拉致問題解決のために、粘り強く交渉を続けることが必要だ」とも発言。拉致被害者に関する調査報告がない段階での派遣を危惧する家族会に理解を求めた。
 また、菅義偉官房長官は同日の記者会見で「(拉致被害者らの再調査を行う)特別調査委員会の責任のある者に拉致問題が最優先であることを直接強調し、疑問点や質問をぶつけることは意味がある」と発言。調査委メンバーへの直接聴取で事態打開を図る姿勢を強調した。
 派遣団は、外務省の伊原純一アジア大洋州局長を中心に、警察庁や拉致問題対策本部職員で構成。数日間の現地滞在中、調査委の徐(ソ)大(デ)河(ハ)委員長や副委員長と面会する方向で北朝鮮側と調整している。
 一方、北朝鮮は日本人遺骨問題について日本側に説明する準備を進めており、同行するマスコミに同問題を絡めた取材を許可するものとみられる。
 日本側の平壌訪問は、9月29日に中国・瀋陽で行われた日朝外務省局長級協議で、北朝鮮の宋(ソン)日(イル)昊(ホ)・朝日国交正常化交渉担当大使が伊原氏に提案していた。
 産経新聞 10月20日(月)19時5分


 27日から政府担当者を平壌に派遣 拉致再調査で菅長官

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は22日午前の記者会見で、北朝鮮の特別調査委員会による拉致被害者らの再調査に関する進捗(しんちょく)状況を聴取するため、外務省の伊原純一アジア大洋州局長ら10人前後を27~30日の日程で平壌に派遣する計画を明らかにした。28、29両日に特別調査委から調査の経過や取り組みを直接聴く。
 菅氏は調査団派遣の意義について「調査委の責任ある立場の者に対して、日本として拉致問題が最優先であることを直接強調し、疑問や質問をぶつけ、調査の現状について詳細を聞きただす」と述べた。北朝鮮の国家安全保衛部副部長で調査委委員長の徐大河(ソ・デハ)氏からの聴取を想定している。
 調査団は伊原氏を筆頭に、警察庁、拉致問題対策本部の職員らで構成する。 平壌派遣は、9月29日に中国・瀋陽で行われた日朝外務省局長級協議で北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使が伊原氏に提案。安倍晋三首相が今月20日に派遣を表明していた。 拉致問題についての調査団訪朝は平成16年11月以来、10年ぶりとなる。
 産経新聞 10月22日(水)11時34分

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 安倍内閣が最悪の判断をしてしまっていることが大きな問題にならないのは、なんとも困ったことである。

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 菅氏「ドア壊しては何もなくなる」 北朝鮮訪朝に前向き

 菅義偉官房長官は15日午後の記者会見で、北朝鮮が日本人拉致被害者らの再調査をめぐって日本側担当者の訪朝を提案していることについて、「対話のドアを壊してしまったら何もなくなってしまう」と述べ、前向きに対応する姿勢を示した。
(後略)
 朝日新聞デジタル 10月15日(水)18時28分

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 官房長官はこんなことを言い、

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 北朝鮮に誠実対応求める=拉致調査、交渉継続訴え―安倍首相

 安倍晋三首相は22日午後、北朝鮮による日本人拉致被害者らの再調査の現状を把握するため政府訪朝団の派遣を決めたことについて、「拉致問題の解決が最優先であり、正直に、誠実に対応しなければならないと先方の責任者に伝えることが目的だ」と説明した。
 首相官邸で記者団の質問に答えた。
 北朝鮮側の求めに応じる形での訪朝団派遣をめぐっては、被害者家族らに慎重論が根強い。これに関し、首相は「派遣しないことによって、今後、調査を行うことができなくなるリスクを考え、私たちの意思と目的を直接責任者に伝えるべきだと判断した」と述べ、日朝間で交渉を継続する必要性を強調した。
 また、首相は「対話がスタートし、重い扉をやっと開けることができた。拉致問題を安倍政権で解決したいとの決意を持って、『対話と圧力』『行動対行動』の原則に従って結果を出していきたい」と語った。
 時事通信 10月22日(水)15時47分

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 総理もこんなことをいっているが、壊すもなにも、この訪朝要請で北朝鮮は「ドアをはいってくる気がない」ことを明らかにしてくれたではないか。
 いや、そもそも彼らに「誠実対応」など求めるのはまったくの筋違いというもの。なにしろ彼らの価値観は、「相手をどうやって騙し、出し抜くか。それの上手い方が偉い」というものなのだから。先日あったアジア大会で、韓国が何をやったら調べてみるといい。北も南も、基本のメンタリティは同じなのだから。
 そういう相手には、こちらもそのつもりで当たらなくては「話し合い」にもならない。
 彼らがいろいろ言い訳をして「来てくれなければ説明できない」といったなら、「おまえの都合など関係ない。その資料を持って東京に面を出せ!」といってやらなくては、そもそも彼らは「本気」にならないのだ。

 もちろん最初は彼らも反発し、「調査を行うことができなくなるリスク」が起きたように見えるだろうが、そこで下手に軟化せず、その姿勢を貫き通すことで、必ず彼らは態度を変える。
 韓国をみるがいい。「首脳会談をしない」ということで「自分が上」ただと威張っていたものが、「ああそうですか」という構図を維持することでだんだんと「でも会うのはやはり有益だ」とか「日本が手を差し伸べないのは裏切り」と、見る間に姿勢が変わってきているではないか。これが彼ら朝鮮人の社会文化というものなのだ。
 彼らを交渉の場に引きずり出すためには、こちらが「交渉の場などいつでも潰しておまえたちを締めあげられるのだ」という態度を見せる必要がある
 朝鮮人にとって「丁寧な程度」は、「相手がウリたちの優位を認めて擦り寄ってきた」ように捉えられるということを、決して忘れてはいけない。

 そのためにも、

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 産経・FNN世論調査 北朝鮮に調査団派遣 5割以上が支持

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査によると、北朝鮮による日本人拉致被害者らの再調査をめぐり、北朝鮮が日本側担当者の訪朝を提案したことに関し、調査団派遣を5割以上(55・9%)が支持すると回答し、派遣により膠着(こうちゃく)状態が打開されることに期待が強いことが分かった。一方、拉致問題の解決には7割近く(67・5%)が悲観的な見方を示すなど、対北朝鮮外交のかじ取りの難しさが改めて浮き彫りになった。
 支持政党別に派遣の是非に関する回答を見ると、与党では自民党支持層の55・1%が「派遣すべきだ」と答えた。公明党の支持層は最も高く、70・8%が肯定的だった。野党の民主党は50・8%が同様の回答をした。
 拉致問題解決の見通しに関し、6月以降の調査(質問項目がない8月を除く)で一貫して、「解決に向かうと思わない」との回答が「思う」を上回っている。今回、最高となった背景には、拉致被害者家族会などが調査団の派遣に慎重姿勢を示していることなどがあるとみられる。
 支持政党別では、ほとんどの政党支持層で6割以上が悲観的な見方をしており、自公両党はそれぞれ62・2%、68・8%だった。
(後略)
 産経新聞 10月20日(月)19時7分

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 日本的な考えで「会うのはいいこと」というこういう世論も、変わっていかなければならない。

「彼らは我々とは違う」。この大原則をこそ我々日本人は知らなければならないことで、そのためには、「韓国人批判はヘイト」と騒いでいる勢力に、我が社会を好き放題にいじられないようにする必要があろう。
 引用記事が長くなるので別エントリーにするが、大阪市長がこれに関しておかしなことをやり、国会の「彼ら」の味方勢力が動こうとしていることは、日本が国際社会を「知る」ことの妨害にもなりうるのだ。


 北朝鮮のことに話を戻すと、上で引用した記事の中に「北朝鮮は日本人遺骨問題について日本側に説明する準備を進めており、同行するマスコミに同問題を絡めた取材を許可するものとみられる」という文があるあたり、注意が必要だろう。
 NHKが「北朝鮮で亡くなった」といういい方をして「当時の様子をごまかしている!」とネットで話題にもなったこの話に、北朝鮮が論点をすり替える可能性は高い。
 閣僚辞任で責められている安倍政権が安易にそれに乗って「人気回復」を考えてしまわないよう、われわれ国民は厳しい目でこの対応を見ていかなければ。


 おまけ。

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 片山さつき氏が陳謝 与野党間で協議へ

 参議院外交防衛委員会の片山さつき委員長は、理事懇談会で、政府側が作成した議員の質問に対する閣僚の答弁の要領を見ながら審議に当たっていたことを陳謝しましたが、野党側が片山委員長に対し答弁要領を委員会に提出するよう求め、与野党間で引き続き協議することになりました。
 21日の参議院外交防衛委員会で、自民党の片山さつき委員長が、政府側の作成した議員の質問に対する江渡防衛大臣らの答弁の要領を見ながら審議に当たっていたことについて、野党側は、「委員長としての資質が疑われる問題だ」などと反発し、委員会は審議の途中で散会しました。
 こうしたことを受けて、片山委員長は22日の理事懇談会で、「委員会の円滑な運営の参考とするため、私が政府側に指示して答弁要領を入手した」と説明する書面を提出したうえで、「私の不注意であり、中立公平な運営をすべき委員長としておわび申し上げる」と述べ陳謝しました。
 これに対し野党側は、事実関係をさらに確認する必要があるとして、片山氏に入手した答弁要領を委員会に提出するよう求めましたが、片山氏が「手元にない」などと説明したため、与野党間で引き続き協議することになりました。
(中略)
 民主党の榛葉参議院国会対策委員長は記者会見で、「片山委員長は、委員長としての中立性や公平性を著しく欠く行為を平気でやっており、あきれて物が言えない。われわれは政策議論を深めると同時に、こうした資質に関わる問題も議論しなければならないと考えており、いたずらに審議を止めているという批判は当たらない」と述べました。
 NHKニュース 10月22日 17時53分

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「大臣の首狩り」で図に乗った民主党の暴走が止まらない。

 こんなもの、片山氏が「政府の作った答弁要領」に従ってそれから外れようとする野党の質問を許さないといった「実力行使」に出たとでもいうのならばともかく、そうでないならば「政府の方がきちんと答えているか」をチェックしていたととることもできるのだから、「委員長としての中立性や公平性を著しく欠く行為を平気でやっており、あきれて物が言えない」という批判になど当たらない。むしろこれでそこまで相手を罵ることができる、どこかの国の「ネチズン」と呼ばれる人間たちのような榛葉氏の方に呆れる。

 これは民主党が「なんでもいいからイチャモンづけで政府は悪いと印象付けようとしている」だけなのだから、ここで謝罪してしまうのは逆に彼らのいちゃもんを認めることになるだけ。
 これこそまさに、いままで中韓相手に「事なかれ主義」で「とりあえず謝っておけ」としたばかりに関係を悪くしてきた「土下座外交」の国内版ではないか!
 韓国人に近しいメンタリティを持った民主党のいちゃもんには、毅然とした態度で応えなくてはならないのだ。

 まったく。そしてここでも、例えばヤフーニュースのコメントでも「政府のいう通りの答弁なんてする片山クビだ!」と、片山氏は答弁する人間ではない司会役だということすら分からない人間たちが罵り言葉をずらりと並べていて、そういう声が与党議員たちに「事なかれ主義」を生むのだから、国民が賢くならなければ「厚かましいやつが得をする」図が温存されるばかりになるのだ。


 本日のアンダーライン。

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 ヘーゲル:デビュー作初版本に本人書き込みも…神田で発見

書き込み本
(写真、毎日新聞より。ヘーゲルのデビュー作「フィヒテとシェリングの哲学体系の差異」の初版本。右ページにはヘーゲルの直筆で、「注目すべきは『エアランゲン文芸新聞』の書評」といった書き込みが4行あり、その下に書評の一部が書き写されている=寄川条路氏提供)

 近代哲学の完成者として知られるドイツのヘーゲル(1770~1831)の直筆の書き込みがあるデビュー作の初版本が東京・神田の古書店で発見された。明治学院大の寄川条路(よりかわ・じょうじ)教授(哲学)がヘーゲルの直筆と確認した。書き込みは当時の書評の一部で、寄川教授は「自分とは違う考え方に気づいて書き留め、手元に置いていた本と思われる。若き日のヘーゲルの思想が深化していく過程が明らかになった」と話している。
 発見されたのは1801年に出版された「フィヒテとシェリングの哲学体系の差異」。初版本で発行部数は300冊前後という。表紙の裏に「今泉博士寄贈」と書かれ、次ページ以降に、ドイツ語の短い書き込みと、「エアランゲン文芸新聞」に02年に掲載された書評の一部が書き写されていた。
 寄川教授によると、ヘーゲルの筆跡と酷似しており、ドイツの研究機関「ヘーゲル文庫」にも資料を送り、「ヘーゲルの直筆に間違いない」との回答を受けたという。
 今泉博士は明治期にドイツに留学した今泉六郎獣医学博士。寄川教授は「ヘーゲルの死後にベルリンの古書店に流れた本を留学中の今泉博士が購入し、日本に持ち帰ったのでは」と分析。今泉博士が晩年、居住した神奈川県小田原市の小田原中学(現小田原高校)に寄贈。その後、東京の古書店に流れたとみられる。【木村光則】
 毎日新聞 2014年10月21日 21時01分

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 古書店でテキストのような本を買うと、時々前の持ち主が勉強のためにアンダーラインを引いたり書き込みをしたりしたものがある。
 それが途中までしかなかった場合、「ああ、この人はここでくじけたんだな」と分かって少し「微笑ましい」が……まさかヘーゲルも自分がそういう対象になるとは思わなかっただろうなぁ。

 これを持ち帰ってきたのは今泉六郎獣医学博士らしいが、ヘーゲルはあの世で彼に会ったらどんな顔をすることだろう(笑)。