マスメディアを「かいしゃく」する力を育てよう | 偕楽園血圧日記

マスメディアを「かいしゃく」する力を育てよう

 まったくとんでもなく暑い!
 水戸で最高気温が35度を超えるなど、尋常なことではない。
「もっと暑いところもある」という人もいるだろうが、そういうところは普段もそれなりに暑いわけで、関東でも銚子と並んで比較的涼しいこの地にとって、高温がもたらすダメージはそういうところよりも大きい。


 さて、そんな暑さに襲われている日本列島では、

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 被爆68年、長崎原爆の日 平和宣言「原点に返れ」

偕楽園血圧日記-長崎原爆の日
(写真、朝日新聞デジタルより。「被爆者歌う会ひまわり」の合唱で始まった平和祈念式典=9日午前10時35分、長崎市、岩下毅氏撮影)

【斎藤靖史】被爆68年となる長崎原爆の日の9日、長崎市で平和祈念式典が開かれた。原爆投下時刻の午前11時2分、参列者は目を閉じて犠牲者を悼んだ。田上富久市長は平和宣言で、政府が核兵器の非人道性を訴える共同声明に賛同しなかったことを「被爆国としての原点に反する」と強く批判。核廃絶にリーダーシップを発揮する>よう求めた。
 政府は4月、スイス・ジュネーブでの核不拡散条約(NPT)再検討会議の準備委員会で、核兵器の非人道性を訴える共同声明に賛同しなかった。田上市長は平和宣言で「世界の期待を裏切った」「核兵器の使用を状況によっては認める姿勢を示した」と指摘。政府に「被爆国としての原点に返ること」を求めた
 原発の技術を輸出するため、NPT未加盟のインドと原子力協定の交渉を再開したことも、「NPTを形骸化し、NPTを脱退して核保有をめざす北朝鮮などの動きを正当化する口実を与える」と批判した。
 一方、世界に1万7千発余りある核弾頭の9割以上が米ロ両国のものだと指摘し、両国の大統領に「大胆な削減」に取り組むよう求めた。
 そのうえで、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」という憲法前文を引用。そこには国民の決意がこめられているとして、平和を求める原点を忘れないよう、戦争や被爆の体験を語り継ぐことの大切さを訴えた。
 反核運動を引っ張った長崎の被爆者、山口仙二さんが7月に亡くなったことを挙げ、減り続ける被爆者の平均年齢が78歳を超えたと指摘。「ノーモア・ヒバクシャ」という山口さんの演説を引き、若い世代に「被爆者の声に耳を傾けて」と呼びかけた。
 式典に出席した安倍晋三首相は「核兵器の惨禍が再現されることのないよう、非核三原則を堅持しつつ、核兵器廃絶、世界恒久平和の実現に力を惜しまぬことを誓う」とあいさつした。
 式典には約5800人が参列し、初参加のインドを含め、過去最多に並ぶ44カ国の代表が集まった。米国は昨年に続いてジョン・ルース駐日大使が出席し、2011年の初参列から3年連続で代表が出席した。
 式典では、この1年間に死亡が確認された3404人の名簿が奉安され、長崎原爆による死者は計16万2083人になった。
 朝日新聞デジタル 8月9日(金)11時21分
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「長崎原爆の日」の式典が行われたのだが……比較的抑制の聞いていた広島市長の演説と違い、こちらの市長はまたとんでもなく「左巻き思想」を前面に出した話をしてくれたものだ。

 広島の松井市長が全世界の政治的指導者に向けて核廃絶を訴えたのに費して、田上長崎市長は日本政府攻撃を主眼にした演説を行っている。
 しかもこの共同声明に関するくだりなどは、朝日新聞が「(孤立する日本)核兵器非難の声明『署名せず』の舞台裏」(朝日新聞デジタル 2013年8月3日3時21分配信)で書いていたことを下敷きにしたとしか思えない論旨になっている。
 被害者を押し出すこの演説からすると、「原点」というのは「被害を看板にせよ」というもののようだが、そういう考えで相手を抑え込めるのは、人の良い日本に対する左巻きや韓国人の活動だけだということを、長崎市長は知った方がいいだろう。

 確かイスラエルの政治家だったか、「世界で唯一核兵器を持っても非難されない国があるとすれば、それは核兵器で被害を受けた日本だ」といったと聞いたことがある。
 ヨーロッパなどでもそういう考え方をする人は結構いるらしいが、それでも日本は、「核クラブ」にはいることを望まずここまできているわけで。おかげで「核クラブ」員に対する発言力というところではどうしても劣ることになる。
 そんな状況でも彼らに影響を与えろというのならば、それ以外のところで発言力を高めていかなければならないのだが、そういうことをしようとすると「日本は敗戦国だから縮こまって首を垂れていろ!」とやってきたのも、朝日新聞のような「左系マスメディア」である。
 自分で足を引っ張っておきながら動かない相手を罵るのは左巻きの常套手段であるが、そこに原爆被爆者を「利用」しようというのなど、許されるものではない。

 日本の新聞は書かないが、すぐ隣の国では、

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 中国は今こそ「核の威嚇」能力を向上し、各国に「領土保全の決意」を見せつけろ―中国紙

 中国共産党機関紙・人民日報系の国際情報紙・環球時報は、中国復旦大学の沈丁立教授の寄稿記事として、中国は「核の威嚇」能力を向上させる時が来たと論じた。
 沈教授は「昨今、中国が諸外国からの脅威に直面しているのは、彼らが中国を舐めているからだ」と指摘。「中国と領土問題を抱える国々は“米国の威を借り”傲慢な態度を取り続け、中国の領土を長い間占拠している」と現状を嘆いた。
 その原因は「中国の『核の威嚇』能力が足りないから」だと沈教授。これまでは、たとえばベトナム戦争で米軍が中国本土まで攻めてこなかったのは「核の威嚇」が効いていたおかげだとしたものの、現在の「核の威嚇」は核保有国に対し、彼らの「核の威嚇」に対抗したものにすぎない、と指摘。
 その上で、今後は中国の「核の威嚇」を領有権問題を抱える国々にも向け、中国の主権維持に対する決心を誇示しなければならない、とした上で、「核の威嚇」能力を向上し、「関係各国に中国の主権と領土保全に対して武力干渉するという考えを捨てさせるべきだ」と主張している。
(編集翻訳 小豆沢紀子)
 XINHUA.JP 8月5日(月)8時48分

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 こんなものが「政府公認」の機関紙に掲載されてしまうのだ。(この発言には、以前書いた「小心の裏返しの攻撃性」が表れているところを見たい)

 そして実際中国は、

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【ロンドン=共同】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は3日、2013年版年鑑を発表した。13年1月現在、世界の核兵器の数は米国とロシアの削減などで推定約1万7265個となり、近年の減少傾向は継続する一方、核保有五大国の中では中国だけが核兵器を増やしていると分析した。
 米ロ中、英国、フランスの核保有五大国にインド、パキスタン、イスラエルを加えた8カ国の総計では前年より1700個余り減少。米ロの削減は11年発効の新戦略兵器削減条約(新START)が主な要因としている。
 保有数が最も多いのはロシアで約8500個。米国が約7700個で、フランス(約300個)と中国(約250個)が続いた。中国は前年比で約10個増となり、五大国で唯一増加した。
 日本経済新聞 2013年6月3日9:44 「核兵器、削減傾向続く 中国は増加」より

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 世界的な核軍縮基調の中で、自分だけが核増強路線をとっている。

 こういう国を批判することもなく、その国との関係の中でぎりぎりバランスを取った「話」をして行こうという政府を攻撃するばかりでは、「書生の空論」を述べているのと変わりがない。
 それは、そういう話を使って自分の思想に反する政治家を攻撃しようとする勢力のための「道具」を務めるだけ。

 田上氏には、自分がどういういきさつで市長になったのかを思い出してほしい。
「暴力を振るおう」とする人間は、自分の意識には関わらず、この世界に存在するのだ。


 先日、日本の言論NPOが日中の国民感情に関するアンケート結果を発表した。
 そこでは「お互い九割近い人々が相手国に不信を持っている」という数字が出され、

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 特定非営利活動法人「言論NPO」(工藤泰志代表)は5日、中国国営の中国日報社と行った日中共同世論調査の結果を発表した。相手国の印象について「良 くない」「どちらかと言えば良くない」と答えた人が日本側は昨年比5.8ポイント増の計90.1%。中国側では同28.3ポイント増の計92.8%と急増 し、日中双方とも初めて9割を超えた。昨年9月の沖縄県・尖閣諸島の国有化以降、日中双方の国民感情の悪化が改めて裏付けられた形だ。
 毎日新聞 8月5日(月)19時56分配信 「<世論調査>相手国の印象良くない 日本90%、中国92%」より

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 と、尖閣諸島に関する話が「両国間に刺さったトゲ」のような書き方がされているが、同じ調査で、

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 日本のメディアはまったく信用されていない――。「言論NPO」が実施した日中の共同世論調査によると、日本のメディアが日中関係の報道について、「客観的で公平な報道をしている」とみている日本人は2割強に過ぎないことがわかった。
 逆に、中国では8割超の中国人が自国のメディア報道が「客観的で公平」と思っている。日本人の「メディアの報道を鵜呑みにはしない」という姿勢は評価されていいが、この数字は日本のメディアにとっては見過ごせない。
■メディア「信用している」中国84.5%に大幅増
 言論NPOが2005年から毎年実施している、中国国営の中国日報社との日中共同世論調査は、2013年6月~7月上旬に18歳以上の男女計2540人(日本1000人、中国1540人)が回答。8月5日に結果を公表した。
 それによると、「自国のメディア報道は客観的か」の問いに、日本人は25.4%が「客観的で公平な報道をしていると思う」と回答。「客観的で公平な報道をしているとは思わない」が25.1%、「どちらともいえない」が36.3%、「わからない」が13.1%だった。
 これに対して中国人の回答は、「客観的で公平な報道をしていると思う」と答えた人がじつに84.5%もいた。「客観的で公平とは思わない」という人は7.5%。「わからない」(回答拒否を含む)は8.0%だった。
 この結果について、言論NPOの工藤泰志代表は「日本のメディア関係者にとってはショックかもしれませんが、日本の社会としては健全なことだと思いますよ」と話す。
 国内メディアの日中報道について、「客観的で公平」と思う日本人は約25%だが、「毎年このくらい」という。
 むしろ、問題は中国。中国人は84.5%が自国メディアの日中報道を「客観的で公平」と判断しており、前年の64.4%から20.1ポイントと大幅に増えた。
 もともと言論の自由がない、「官製メディア」の中国にあっても、「毎年約25%の人が客観的で公平性に欠けると思っていました。それが今年は『わからない』とあわせても16%程度の人しか、そう思わなくなったわけです」と、工藤氏は指摘。中国の報道をほとんどの中国人が信じているわけで、これでは対日感情が悪化するのも無理はない。
 工藤氏は、「過激といわれるネット報道でも、前年までは冷静な目をもった学生有識者がいたのですが、そういった学生も減り、いまやメディアと国民のナショナリズムが一体化してしまう、危うい状況にあります」と、懸念している。
 J-CASTニュース 8月8日(木)12時30分配信 「新聞が書かない日中の共同世論調査の中身 日本のメディア『客観的で公平』はわずか25%」より

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 と、メディアに対する「信頼度」も調査されていたというところはおまり大きな問題として出されていない。
 まあ、日本のメディアとすれば「『自国のメディア報道は客観的か』の問いに、日本人は25.4%が『客観的で公平な報道をしていると思う』と回答。『客観的で公平な報道をしているとは思わない』が25.1%、『どちらともいえない』が36.3%」などという数字は直視したくないものだろうから、できるだけ伝わらないようにとしたがるのも無理はない。そういうことをするおかげでこういう数字が出ているわけだが(苦笑)。
 だがそれよりも、ここで注目すべきは「中国人の回答は、『客観的で公平な報道をしていると思う』と答えた人がじつに84.5%もいた」というところだろう。J-CASTも書くように、これは大きな問題である。

(2013/04/04の記事、相手を知らないと話もできない) で「日本企業はベジタリアン差別をしている」という華字紙の記事を取り上げて中国メディアの「虚偽の日本人像」刷り込みについて書いたことがあるが、この手の「嘘」はヤフージャパン配信の中国カテゴリーに並ぶ記事にはごろごろ転がっている。(そして、彼らがそういう記事を書きやすい環境を作っているのが、日本の左巻きの行う「レッテル貼り」である)
 中国人はそういうものばかり読まされているおかげで、

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 中国人がみた日本の印象で最も多かったのは、「覇権主義」で、前年の35.1%から48.9%に大きく増加。また、「軍国主義」とみている人も41.9%いた。日本を「平和主義」の国とみる中国人は、6.9%しかいない。
 さらには中国人の7割が、日本人を「好戦的で信用できず、利己的」とみているほか、半数以上が「怠慢で、頑固で不正直で非協調的」などと思っている。
 J-CASTニュース 8月8日(木)12時30分配信 「新聞が書かない日中の共同世論調査の中身 日本のメディア『客観的で公平』はわずか25%」より

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 という、当の日本人が聞いたら「何の話をしているのだ?」と戸惑うような「覇権主義」「軍国主義」「好戦的」といったイメージで語られることになる。

 このイメージ付けは中共の東・南シナ海での行動の正当化や「国内のインフラ整備や格差の是正を怠った」軍拡へのエクスキューズに使われているだけだというのに、「メディアの信頼度85パーセント」という人たちは、それを見抜くことができない。
 少し前には「中国人は政府に従うようにみえながらも政府のいうことを信じていない」ということがまことしやかにいわれていたが、この数字を見る限り、そういう反骨心が人民にあることを前提とした「対中関係」というのは、もう考えない方がいいだろう
 もう、テレビなどでまことしやかな顔をして「友好」を語る「中国研究家」に出番はないのだ。


「長崎原爆の日」には、

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 「戦争が愚かと叫ぶ勇気を」=浦上天主堂で早朝ミサ―長崎

 原爆の日を迎えた9日、多くの信徒が犠牲になった長崎市本尾町の浦上天主堂では、鐘の音とともに午前6時から追悼ミサが開かれた。ステンドグラスに朝の光が差し込む中、信徒ら約350人が聖歌を歌い、原爆死没者のために手を合わせて冥福を祈った。
 小島栄主任司祭はミサに集まった人々に「戦争がいかに愚かなことかと、世界に向けて叫び続ける勇気を持っていただきたい。それが犠牲者への弔いになるからです」と呼び掛けた。さらに、「犠牲となった多くの方に永遠の安息を与えてくださるように祈りましょう」と続けた。
 時事通信 8月9日(金)9時5分

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 こういうミサも開かれたというが、そういう話は「艦これ」のようなものに夢中になる人間が続々出てくる平和な日本人に向けていうのではなく、軍事力を煽るメディアに対してまるで不信感を抱かず、

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 “日本鬼子”を倒す中国人民解放軍開発の「尖閣防衛」ゲーム、防衛省はコメントせず―中国メディア

 英BBC(電子版)は1日、中国人民解放軍の創設記念日である同日、中国が主権を主張する釣魚島(日本名:尖閣諸島)を防衛するオンライン軍事ゲームがお目見えしたと報じた。4日付で環球網が伝えた。
「光栄使命」というFPS(一人称視点シューティングゲーム)。プレーヤーはサブマシンガンを持ち、解放軍とともに「日本鬼子(日本兵)」と戦闘したり、 中国初の空母「遼寧」上で“敵”と死闘を繰り広げたりするという内容。手りゅう弾で最後の1人の“敵”を倒すと、「日本鬼子は全滅」と祝福の声が上がる。
 このゲームに対し、日本の防衛省はコメントを拒否している。
 釣魚島(尖閣諸島)ステージは、8月1日から一般のオンラインゲームユーザー向けに公開されている。中国人民解放軍南京軍区と無錫巨人網路の共同開発。巨人網路によると、登場する兵士の動作はすべて現役特殊兵の動きを再現、アフレコもすべて現役軍人が担当している。
 XINHUA.JP 8月5日(月)18時25分

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 こんなゲームに興じている人間たちに向かってこそいうべきだ。


 本日の逆探知。

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 迷惑電話か分かります=ウィルコムが識別機―無料モニター実施

 PHS専業の通信会社ウィルコム(東京)は、自宅にかかってきた電話が迷惑電話かどうかを識別する機器を2年間無料で使ってもらうモニター事業を始める。全国の100市区町村を通じ計1万台を無償で提供する。振り込め詐欺などの被害防止に役立ててもらうとともに、迷惑電話の番号リストの充実を図るのが目的だ。
 1自治体当たり100台を提供する計画で、対象自治体を9月30日まで公募している。モニター参加者は、各自治体が改めて募集する。2年間の期間終了後も希望すれば、月700円の使用料でサービスを継続利用できる。
 時事通信 8月9日(金)17時1分

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(2012/09/14の記事、昔は「余生」なんてひどい言葉が平然と使われていた) で民主党政権が「悪徳詐欺撲滅のため」という理屈付けで高齢者の家の電話にいきなり通話記録装置をとりつけようとしている動きを批判したが、さすが民間は「一歩先」をいっている(笑)。

 問題があるとすれば、そういう業者は一つの番号をいつまでも使っているわけではなく、「アシがつきそう」となったらさっさと番号を変えてしまい、その「変える前の番号」はそのまま新たに契約する人間に振られてしまう、というところだろうか。
 電話機による情報収集なのでネットプロバイダーや検索会社ほど幅広いデータが取れるわけではないが、おかげでそのあたりの小回りも利かなくなっているわけで……。

 個人情報に関係する「壁」と利便性のバランス調整というのは、なかなか難しいものだ。