未来への障害 | 偕楽園血圧日記

未来への障害

 アジア杯準決勝は日本の勝ちで終わったが、延長で点を取ってからの戦いはまったくよろしくなかった。
 見ているだけで「何逃げきろうとしているんだ。そんな消極的なことやっていたら逆襲されるだけだ」と思っていたら案の定。PK戦での川島の神セーブがなかったらどうなっていたか。
 ホイッスルが鳴るまで「前へ!」という気持ちを切らさないという、何年も前からの日本の課題はまだまだ克服されていないようだ。

 それにしても、「勝っても負けても気分が悪くなる」のが韓国戦。やはり出てきた「日本は三日休み、韓国はイランと延長まで戦ったあと二日しか休みがなかった」とか「審判の誤審が」などというのはもはや想定内(実際審判のレベルがあまりにも低かったのは確かだし)なので耳を貸すのも馬鹿らしいが、点を取った代表選手が「見たか猿ども!」と、下品な掲示板さながらのパフォーマンスを行ったことなどは本当に気分が悪くなる。
 彼はサッカー選手のくせに、ワールドカップでもわざわざ試合前に「人種差別否定宣言」が行われているのを知らないのだろうか?(おかげでヤフーニュースなどで「倭猿」と書きこんでいる人間の出自がどこかをみんな知ったわけであるが(冷笑))

 まあ、これについては、

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 <アジア杯>奇誠庸の“猿セレモニー”に批判

 25日、アジアカップ準決勝の韓日戦の前半22分、‘誕生日祝福ゴール’を決めた奇誠庸(キ・ソンヨン、22、セルティック)は迷わずカメラの前に走って行った。そして左手で顔をかくしぐさをした。いわゆる‘猿セレモニー’だ。
 韓日戦で見せた奇誠庸のゴールセレモニーに対し、ネットユーザーは「軽率だった」という反応がほとんどだ。ネットユーザーは「猿を真似ること自体、白人が東洋人を見下して無視する時の行為だが、東洋人が東洋人にこうしたセレモニーをするとは」「世界中が集中している試合なのに、国を代表する選手が他国を侮蔑するようなセレモニーは適切でない」とし、奇誠庸を叱責した。
「愛国心は常に冷静に表現するべきだが、分別なく自分の顔につばを吐くような人種差別セレモニーをした」「国際サッカー連盟(FIFA)の警告を受けるかもしれない。フェアプレイをすべき国際大会で人種差別的なセレモニーとは…」という反応もあった。
 奇誠庸は昨年11月、セントジョンストン戦の後、スコットランド現地ファンから人種差別的なヤジを受けたことがある。試合後、チーム同僚のチャ・ドゥリは自分のツイッターで、「テレビだけで見てきた非常識なことが自分の大切な後輩にあった」とし「試合が終わってよく考えてみると非常に気分が悪く、あってはならないことだ」と心境を打ち明けた。
 当時、この事件が話題になると、奇誠庸は自分のツイッターに「人種差別の記事が出た。当の本人は何の声も聞こえなかった」と、何でもないという反応を見せた。
 一部のネットユーザーは「日本に向けたセレモニーではなく、セントジョンストンのファンをはじめとするヨーロッパに向けた揶揄でないかと思う」と分析している。
 中央日報日本語版 2011.01.26 10:07:31

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 韓国人の間からも「ひどい」という声が上がっているようで、少しは彼らの中にも「スポーツの見方」というものが定着しつつあるのかなとかすかな光を見た思いもするのだが……、

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 奇誠庸は26日(以下、日本時間)、自分のツイッターに、「観客席にある旭日旗を見た胸は涙が出た」と書かれている記事を載せた後、「弁解か…私は選手である前に大韓民国の国民」と書いた。
 う回的に‘猿セレモニー’をした理由を明らかにしたのだ。旭日旗を見て怒りを抑えられなかったと解釈できる。旭日旗は日本帝国時代に使われた日本の軍旗で、現在は自衛艦旗だ。日本軍国主義の象徴だ。
 中央日報日本語版 2011.01.26 11:20:50配信 「<アジア杯>奇誠庸が“猿セレモニー”釈明 「旭日旗にカッとなった」」より

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 当人が「日帝」「植民地」に話をそらした途端に、

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 <アジア杯>韓日戦、「キム・ヨナ悪魔仮面」「旭日旗」に非難集中

偕楽園血圧日記-キム・ヨナの面
(写真、中央日報より)

 サッカー韓日戦に使用された日本側の応援道具に対するネットユーザーの非難が激しい。
 25日に行われたアジアカップ準決勝の韓日戦で、日本側の応援席に「旭日旗」と「キム・ヨナ悪魔仮面」が登場した。
 一部の日本サッカーファンがフィギュアスケート選手キム・ヨナの顔写真を切り取って作った「キム・ヨナ悪魔仮面」をかぶって競技を観戦しているのがテレビに映った。
 また競技場に旭日旗が掲揚されている場面も見えた。旭日旗は日本帝国時代に使われた旧日本軍の軍旗で、過去に韓国をはじめ周辺国を侵略して植民地にした日本帝国主義の象徴だ。
 試合が終わった後、ネットユーザーは各種オンライン掲示板で「あれはちょっと違う」「世界的に非難されている旭日旗をまだ使うのは失礼だ」「キム・ヨナの顔に角とは…」などの反応を見せている。
 中央日報日本語版 2011.01.27 08:14:37

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 韓国の産経新聞こと中央日報紙(苦笑)がこんな捏造までして世論誘導を図るようでは、せっかく芽生え始めた「スポーツ観戦」の気持ちもまた簡単にかき消されてしまうだろう。実際にもうそういう流れができ始めているらしいし。

 中央日報が「日本人がキム・ヨナ悪魔仮面をかぶって韓国を貶めた」という応援風景、
http://specificasia2.blog12.fc2.com/blog-entry-3846.html (特定アジアニュース 「『旭日旗』に『キム・ヨナ悪魔仮面』と日本サポーターが度を越しているニダ!」(2011/01/26 Wed)) ←こちらのサイトで紹介されているように、実は昨年十月にソウルで行われた日韓親善試合の時のものであり、しかもこのお面は韓国チーム「レッドデビル」応援グッズとして韓国で売られているもの。つまりこの写真は親善試合で「どっちも頑張れ」とやっている「純粋」な人たちの写真でしかない。しかもよく見ると、日本の青いレプリカユニフォームの下に、韓国チームのものに似た赤いシャツが見えている。もしかすると彼らは、キ・ソンヨンの行為に眉をひそめている韓国人サポーターの可能性すらあるのだ。

(それにしても、「私は選手である前に大韓民国の国民」と言ってしまうメンタリティは、「国などの組織構成員である前に一人の人間だ」という意識がある日本人とはまったく正反対である。韓国はこれがそのまま通る社会だということを、我々は知っておくべきだろう)


 今週の初め、

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 国別の制服評価で「日本が他国蔑視で自画自賛」? 韓国で話題

 韓国で24日、「日本のメディアがアジア各国の女子生徒の制服を評価した」との報道が相次ぎ、同国で話題を呼んだ。メディアは調査の結果を「もっともかわいいのは日本」、「タイはセクシーすぎる」、「中国は男女の区分もできない」などと伝え、「日本が他国を蔑視(べっし)し、自画自賛(じがじさん)」と批判した。
 韓国メディアは、「日本メディアの評価内容」として「もっともかわいいのは日本の制服、多様な個性とデザインが表れた」、「もっともセクシーなのはタイの制服、タイトなシャツとミニスカートでセクシーさを強調」、「中国の制服は機能性重視で活気がなく、遠くからみると男女の区分もできない」などと紹介した。
「日本のメディアがアジア各国の制服を比較した異色の報道をした」、「日本メディアが他国を蔑視し、自画自賛した」などと指摘した上で、「『男女の区分もできない』という評価が中国のネットユーザーを不快にさせている」、「日本メディアによる制服の評価が論争になっている」などと報じた。
 韓国メディアが引用しているのはロケットニュース24の記事で、「日本メディアがアジア各国の制服を評価、21日に発表した」と伝えた。ただ、ロケットニュース24の「世界各国の制服の中でもっとも『かわいい』のは日本、『セクシー』なのはタイ、中国は?」という記事は20日付で、「世界各国の制服について、中国の方々の評価」として上記の内容を伝えていた。評価の出どころは定かではなく、「日本のメディアが調査した」という根拠も見当たらない。
 韓国で関連報道が始まったのは22日、24日になって急増した。「日本が自画自賛」、「他国を蔑視」、「中国が反発」などの刺激的な見出しが多く、24 日13時現在、大手ポータルサイトの人気急上昇ワードの1位に「国別制服」が名を連ねるほど、同国でホットな話題になった。(編集担当:金志秀)
 サーチナ 1月25日(火)13時14分

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 韓国発でこんな話題があった。

 このサーチナの記事では漠然と「韓国メディア」とされているだけなのでどこが煽ったのか分からないが、「日本が他国蔑視」「自画自賛」という単語は韓国人の「反日感情」を刺激、見事「人気急上昇ワード」になっているという。
 が、ではその元になったロケットニュースの記事はといえば、

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 世界各国の制服の中で最も「カワイイ」のは日本、「セクシー」なのはタイ、中国は?

 女子学生の制服は日本のみならず中国でも大人気。近年、外国のアニメやドラマが大流行の中国では、若い男女を中心に並々ならぬ関心が持たれている。しかし、自国の制服に対しては絶望的とも言える「あきらめムード」が漂っているようだ。
 世界各国の制服について、中国の方々の評価は以下の通りとなっている。
■世界各国の制服の中で最も「カワイイ」のは日本
 中国では、日本の制服は学生服というよりも一種のファッションと見なされており、ポップカルチャーの象徴の一つでもある。「アニメのキャラみたい!」と、絶大なる人気を誇っている。
■世界各国の制服の中で最も「セクシー」なのはタイ
 体のラインがクッキリと出るピチピチのシャツに、スカートは膝上20センチはあろうかという超マイクロミニ。しかも深めのスリットまで入っており、「セクシーすぎる!」と大絶賛。風紀が乱れると眉をひそめる大人もいない訳ではないが、その寛容さも「ほほえみの国」ならでは。
■世界各国の制服の中で最も「保守的」なのはマレーシア
 超が付くほどのロングスカートは、タイのミニスカートとは正反対。あまりにもタイが強烈すぎるためか、中国の人々は「最保守」と評価している。また、その他の国では、イギリスは伝統的、韓国は淑女風……など、各国の美徳や文化が色濃く反映されているのが面白い。
 では肝心の中国はと言うと……ジャージ! 全国どこの学校でもジャージ、ジャージとひたすらジャージだ。質実剛健、一途なまでに機能性重視! 遠くから見ると男女の区別も分からない。これが小学校から高校まで続くというのだから、中国人の「制服」への憧れも納得できる。ちなみに、この自国の制服については「最もスポーティー」と評している。
 お世辞にも「萌え要素」があるとは言えないが、中国らしいと言えば中国らしい制服である。
■参考リンク
 
http://news.jznews.com.cn/system/2010/11/16/010062121.shtml 荊州新聞網(中国語)
 ロケットニュース24 2011年1月20日

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 というもので、「中国の新聞社が各国の制服を評した記事で自国のジャージ制服を嘆いている」と紹介しただけに過ぎない。

 この中には日本人の視線というものは一つも入っていない(さらにいえば、韓国もまた一言も話題にされていない)に関わらず、なぜか韓国では「日本が~」という形で伝えられ、さらにそれが「他国を馬鹿にしている」ということにされてしまう。
 この報道に表れた「他国蔑視」は、まさに彼らの小中華思想による「ウリナラマンセー」意識の投影でしかないのだが、それはおくとしても、メディアがこのように「社会の方向付け」をしようとする形が向こうにあり、一方日本でもメディアが「ひどいことをした日本は永久に韓国人に頭を下げ、踏みつけられていかなくてはならない」とする形があることが、何より日本と韓国の未来を暗く閉ざしている元凶なのだ。
 政治家レベルで「居丈高に自己正当化する韓国議員」「相手を気持ちよくするためなら自国を切り売りしてもいいと考える日本議員」がいるのも、メディアを含めて社会構造の中にそういうものを生み出す仕組みがあるから。

 韓国人はいいかげん日本をアイデンティティの柱にすることをやめて独り立ちし、日本人は彼らがそれができるようになるまで距離を置いておく。何世紀かかるか知らないが(苦笑)、それが何より大切なことである。
 だから「菅談話」のようなものは愚の骨頂。あそこは「かつて併合時代があったが、そんなのは昔の話。今は独立国としてある両国であり、国民に対する義務を果たしていきましょう」といっておくだけでよかったのだ。

 日本が韓国に過剰に気を使う必要はないし、韓国に干渉を受けるいわれもない。何かいってきても「ああそうだね」で済ませばいいだけの話。
 だからテレビも、韓国との試合がある度に「永遠のライバル」と連呼するのはやめろ!


 おまけ。

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 在外被爆者訴訟、国と韓国人遺族の和解成立

 被爆後、日本から出国したことを理由に健康管理手当が支給されず、精神的苦痛を受けたとして、死亡した韓国人被爆者3人の遺族が国に慰謝料を求めた訴訟は25日、長崎地裁(須田啓之裁判長)で和解が成立した。
 国が被爆者1人当たり110万円を支払う。原告側弁護団によると、在外被爆者の遺族による同様の訴訟は、ほかに長崎、広島、大阪の各地裁で計約2000人が起こしているが、和解したのは初めて。
 訴状によると、出国後は同手当の受給権がなくなるとした1974年の通達(2003年に廃止)により、韓国に戻った被爆者は手当を受けられず、不安を抱えたと主張していた。最高裁は2007年11月、通達の違法性を認定。在外被爆者本人が慰謝料を求めた訴訟では、国との和解が順次成立している。
 読売新聞 1月25日(火)20時25分

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 また日本政府が馬鹿なことをしている。

 読売新聞は日本人の在外移住者と話を混ぜることでこの動きを正当化しているが、この原告の親たちは、日本から出国したから手当対象を外れたのではなく、韓国籍になったから、その手当を補償する義務が日本政府から韓国政府に移っただけの話である。
 韓国政府が日本の敗戦後帰国した亡命者によって形作られようがどうしようが、大韓民国は、大日本帝国から朝鮮半島における権利と義務を引き継いで独立した国である。その国民に対して納税や徴兵の義務を課せる一方、彼らに社会保障を行う義務を負う。在住地(それがたとえ日本でも)に関わらず、韓国政府が手当を出さなくてはならないもので、日本政府にその義務はないのだ。

 この和解は、韓国政府の主権を無視し、韓国政府を「無能」といっているに等しい。
 本当ならば自国民が他国に補償を請求していることを彼らは恥じてしかるべきなのだが……そういうところの「誇り」はない国だからなぁ。


 本日の記念撮影。

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 JAXA 「イカロス」撮影の金星公開 8万キロの地点

偕楽園血圧日記-イカロス到着
(写真、毎日新聞より。三日月状に輝く金星(右奥)の撮影に成功したイカロスの画像。手前から伸びる帆綱と帆も写り込んでおり、「世界初の宇宙ヨットが金星に到達した動かぬ証拠」となった=JAXA提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日、世界初の宇宙ヨット「イカロス」が金星まで約8万キロの地点で撮影した画像を公開した。撮影は昨年12月で、三日月状に輝く金星と、太陽電池を載せた帆や帆綱が写っている。JAXAは「SF(空想科学小説)と思われた宇宙ヨットが金星に到達した証拠」と説明した。次は木星に向けたヨットを18~19年にも打ち上げる方針だ。
 イカロスは昨年5月に打ち上げられた。14メートル四方の樹脂膜を広げ、太陽光のわずかな圧力を受けて進む。膜面の液晶装置で光の反射率を部分的に変えることで帆の向きを変え、かじを切ったり加減速にも成功。既に約5億キロを航行し、膜上の装置で宇宙空間のちりの分布を明らかにする観測を続けている。
 現在、1周約10カ月で太陽を回る「人工惑星」となり、5年後に地球近くを通る。森治チームリーダーは「燃料は予定より多く残っており、その時まで運用できたら理想だ」と話した。
 木星探査では、面積が10倍となる45メートル四方の帆を備え、小惑星探査機「はやぶさ」で使われたイオンエンジンと組み合わせた「ハイブリッド推進」で航行する計画。自然エネルギーを活用する日本の技術力を示す手段としても注目されそうだ。【山田大輔】
 毎日新聞 1月26日(水)19時43分

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 金星はほぼ地球と同じ大きさだから、8万キロというとまだ静止軌道外。一応月よりは近いとはいえ、「到達した」とは言えないなぁ(苦笑)。

 だが、「イカロス」は順調に飛行を続けているようで、ソーラーヨットの実験としては大成功。「5年後に地球近くを通る」時に地球周回軌道にとどめておけたら、貴重なデータが山ほど取れるだろう。
 地球からレーザーを発信して帆に当てて軌道を変えるという実験、やらないかなぁ。