埋没していく……日本 | 偕楽園血圧日記

埋没していく……日本

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 小泉氏地盤で世襲批判=民主・岡田氏

「首相として国民に『痛みに耐えてくれ』と言った人が、当然のように世襲を正当化する。理解できない」。民主党の岡田克也幹事長は28日昼、神奈川県三浦市で街頭演説し、小泉純一郎元首相が同市を含む衆院神奈川11区で、次男を後継候補に指名したことを批判した。岡田氏は元首相の祖父や父が政治家で、世襲が続いていることを念頭に、「ここでは100年王朝が続いている。小泉家だ」と強調。「政治は公であって私ではない。本当に実力があるなら、どうして(父親と)違う選挙区から出ないのか」と声を張り上げていた。
 時事通信 7月28日14時50分

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ここでは100年王朝が続いている。小泉家だ」って、「政治家は特別」という意識があるからこういう言い方が出てくるのだろうなぁ。
 もちろんこんな意識を持っているのは岡田民主党幹事長だけではなく、他の議員の中にもいるのだろう。そういう意識を「両側」から変えていかないと、議院の腐敗は無くならないし、有権者のたかりも無くならないし、利益誘導も無くならないし、それにかこつけた行政の利権も無くならない
 世襲の問題は候補だけにあるのではないのだ。「選挙区を変えればよい」などはその本質から目を反らさせる悪質な欺瞞である。


 さて、その岡田幹事長が「民主党が反対していたのは国会の事前審査が入っていなかったからだけだ。給油自体が問題だったのではない」とまで言った「インド洋海上給油」、

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 民主幹部、インド洋給油「延長考えず」=来年1月で海自撤退

 民主党幹部は28日夜、インド洋での海上自衛隊による給油活動の根拠法である新テロ対策特別措置法について、「撤退を求めてきたのだから基本的に延長は考えていない」と述べた。衆院選で政権を獲得した場合、同法の期限が来年1月に切れるのに伴い、海自を撤退させる考えを示したものだ。
 同党はインド洋での給油活動に一貫して反対してきたが、政権交代が現実味を帯びる中、「外交の継続性」を考慮するとして方針を修正。活動継続を期待する米国への配慮から、マニフェスト(政権公約)でも活動中止に触れず、政権の座に就いても、当面は給油活動を継続することにしている。
 これに関し、岡田克也幹事長は23日、期限切れ後も活動を続ける可能性について「そういうことも議論の対象になるかもしれない」と、継続に含みを示す発言をしていた。
 しかし、同幹部は「はっきり言わない人もいるかもしれないが、(同法を延長しない方針は)変えていないし、ぶれていない」と言明した。党内でも「国会で反対してきたことは重い」との声が強く、期限切れに伴い撤収する方向で党内調整が進むとみられる。給油活動をやめる場合は、アフガニスタンでの人道支援など新たな貢献策で米側の理解を得たい考えだ。
 時事通信 7月29日0時30分


 給油活動延長せず=来年1月、海自撤退へ-鳩山代表

 民主党の鳩山由紀夫代表は29日午後、インド洋での海上自衛隊による給油活動について「基本的に延長しないというのがわれわれの立場だ」と述べ、政権を獲得した場合、活動の根拠法である新テロ対策特別措置法の期限が切れる来年1月15日までに活動を終了させ、海自を撤退させる考えを示した。熊本県菊陽町で記者団に語った。
 鳩山氏は、特措法に反対した同党の立場に関し、「私たちが立場を変えたというつもりはない」と強調した。その上で、「(民主党が)政権取ったら、(海自に)あした戻って来いというのは無理な話で、時間はある程度かかる。その間にオバマ米大統領と信頼関係を築き、結論を見いだしたい」と述べ、政権獲得後も同法に基づく給油活動は継続し、米側とも協議して海自の撤退時期などを検討する意向を示した。
 時事通信 7月29日15時33分

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 名無しの幹部さん(「政府高官」の時のような「犯人暴き」はしないのかな、マスコミは?)が「否定」を口にした翌日、党代表があっさりとその幹事長の言葉を覆してくれた

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 民主政権なら海自は即時撤退を=インド洋給油活動で共・社

 共産党の小池晃政策委員長は29日、国会内で記者会見し、民主党がインド洋での海上自衛隊による給油活動を延長しない方針を固めたことについて、「民主党の国会での主張からすれば、(政権獲得後)直ちに(海自は)撤収することに当然なる。国の政治的意思が決まれば、何カ月も時間をかけずに収束するのが当然だ」と述べ、政権交代の場合は海自を即時撤退させるべきだとの見解を示した。
 社民党の福島瑞穂党首も記者会見で「どういう段階で帰ってくるかは(給油活動の)情報開示も踏まえ(民主党と)協議したい」とする一方、「即時撤退という社民党の立場は変わらず、その立場で話をしていく」と語った。
 時事通信 7月29日20時4分

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 参議院のことも考えてこのあたりの党の顔色を伺ったというか、「一心同体」を露呈したというか、彼の党が「政党としての体をなしていない」ことを雄弁に物語っている(なにしろ彼ら自身が「麻生内閣と自民党の批判」の中で「意見が食い違うとは政権の体を成していない。党としてもバラバラ」といったのだ(冷笑))

 そもそもインド洋での活動を「アメリカ」の視点からしか見られないというだけで彼らの偏狭さが分かるのだが、その「アメリカ」との関係に限っても、

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 「G2」に期待と不安=人権、経済で克服困難な対立-米中

【ワシントン時事】米中両国は27日、両国の主要閣僚らが参加する戦略・経済対話を開始、米中主導で世界の主要問題に対処する「G2」路線に踏み出した。オバマ米大統領も開幕に当たり、「米中関係は21世紀を形成する」と言明、G2を前向きに評価した。しかし、両国間には経済問題への対処や人権などで克服しがたい対立があり、協力の在り方に期待と不安が交錯している。
 米国内では今年に入ってから、G2をめぐる議論が活発化。ブレジンスキー元大統領補佐官やゼーリック世界銀行総裁ら外交政策に影響力を持つ重鎮が、金融危機や大量破壊兵器の拡散防止などで中国と協調するG2論を提唱した。これに対し、両国の利益や価値観の不一致を取り上げ、「G2は幻想」(外交評議会アジア研究部のエリザベス・エコノミー部長)との反論も出ている。
 時事通信 7月28日16時20分

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 事前の予想通り「中国接近」を始めたオバマ政権相手に、鳩山代表はどういう「信頼関係」を築こうというか、どうにも不明である。以前小沢氏が言っていたようにISAF参加などと言い出すのだろうか。

 昨日NHKニュースを観ていたら、在日米軍の司令官が「我々がF-22を配備させれば日本は持たなくていい」というようなことを会見で言っていた。これは日本の防衛力増強に対する反対意見を述べたと考えていい。「中国接近」とあわせて考えると、あからさまに「日本なんて俺たちの手足だし」といっているに等しい
 インド洋の海上給油は「対テロ」の話であり、確かに番を張っているのはアメリカだが、ヨーロッパ各国やパキスタンもいる。そこから日本が「一抜けた!」とやり、そのあとに中国が「では私がやります」と手を上げたら、これらの国の日本に対する信頼はどうなるだろうか?
 インド洋で自らその発信力を放棄し、それとは別のところでアメリカから「従属」扱いされ、それでこの国をどうしようというのだろうか?


 日本ではいまだにオバマ大統領を神格視する空気が残っているためか、彼を批判する論調は口にするのを憚られるところもあるのかもしれないが、この「米中接近」に対して何も意見を言わないようならば、その政党・政治家は「国益」をあまり考えていないといわざるを得ない。

 マニフェストから安全保障を抜け落とさせている民主党やふらふらの鳩山代表ももそうだが、

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--11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)前後で来日を検討中との情報があるが、政府としては11月に来日の方向で話を進めているのか。また、G8(主要国首脳会議)の時に、短時間でしか日米首脳会談が行えなかったが、もう一度実現させたいという考えはあるか
「あのー、ちょっと意図、質問の意図がよく分かりませんけれども、オバマ大統領との間に短時間の会談しかできなかったという前提は、話しする機会がなかったという話に作っておられるのかと思いますが、あの、夕食の席はずっと隣ですから。たぶん、長かったと思いますね。2人で話ができましたんで、その意味では十分に時間があったと、私自身はそう思っております」
「それから、今の11月訪日というのは、APECに合わせて訪日するという話はもう、今年の2月くらいからいろいろ、向こう側から打診があっていたところでもありますので、11月、APECに合わせてアジアの訪問ということになりますが、大統領として日本にいろいろ立ち寄られたことは、大統領としてはありません。これまで何回となく立ち寄ったことがあるという話はしてましたけれども、大統領としての公式訪問は最初ということになりますんで、外務省としてきちんとした対応をいかにやっていくか、詰めているところだと思いますし、事実、詰めていますし、いろいろな話を、どういった形が一番良いのかということにつきまして、事務方で詰めているというふうにご理解いただければと思います」
 産経新聞 7月25日2時9分配信 「麻生首相 地方回り『実績を説明したい』」

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 米中協議の前に「釘を刺す」発言もできない麻生総理もまた失格。

 もっとも鳩山代表の方は、先の「輿石重用」発言や、

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 小選挙区当選者を重用=民主・小沢氏

 民主党の小沢一郎代表代行は29日、政権交代を実現した場合の新政権でのポストの割り振りについて「小選挙区できっちりと上がってきた人が優先的に仕事の場を与えられる」と述べ、小選挙区の当選者を重職で処遇する考えを明らかにした。茨城県取手市にある同党衆院選候補の事務所で、支援者らへのあいさつの中で語った。
 時事通信 7月29日18時36分

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 この発言から見るように、党の実権を小沢筆頭代表代行に握られている状態なので、彼だけ責めるのは筋違いかもしれないが(苦笑)。

 まったく、皆「選挙選挙」で頭がいっぱい。いみじくも麻生総理がリーマンショックの直後に「今解散して政治空白を作るわけにはいかない」と言ったことが、こんな形で示されるとは。あの時に今のような批判合戦をやっていたら、年末を迎えた日本はもっと悲惨なことになっていただろう。
 まあ、なら「今なら大丈夫か」といえばそんなことはないのだが……(ため息)。


 おまけ。

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 <ウイグル問題>ラビア議長、日本での一般向け講演取り消し

 世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長が日本で予定されていた一般向け講演会の出席を取りやめることを分かった。講演会実行委員会が参加申込者に連絡した。米国議会の下院外交委員会が急遽(きゅうきょ)、非公開ミーティングへの出席を求めたためという。
 米国下院外交委員会は、ラビア議長に5日に発生した「ウルムチ事件」にかんする見解と証言を求めた。米国議会は8月1日から夏季休暇になるため、ラビア議長は7月31日に出席することを決めた。そのため、30日早朝に日本を離れる。米国議会での証言を断ることは、事件への米国の姿勢を明確に示してほしいという、かねてからの願いに重大な結果をもたらすことも予想されるため、やむをえず日本での講演会出席を断念したという。
 ラビア議長は、講演会の一般参加者のために、長時間のメッセージビデオを用意する。また、夫でシディック・ハジさんは、講演会に出席する。(編集担当:如月隼人)
 サーチナ 7月28日21時16分

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 残念なことだ。

 上で書いたようにアメリカが中国と接近しようとしている現在、議会を味方につけておくことは何より大切なことだろう。が、氏の行動が減るとそのぶん日本のマスメディアが取り上げる回数も減り、日本人の無関心さがますます助長されることになる。それは巡り巡って日本のためにもならない。


 そういえばこのカーディル議長、自民党本部を訪ねたというが、「政権交代」と息巻いている民主党の方は何をしているのだろうか?
 関係者からは「民主党側からは(呼ばれる)話はなかった」という話も出ているが、一年半前の2007年12月には、議長を招いて話を聞こうという動きが民主党の中にもあったのだ。この動きを潰したのが、訪中を控えていた小沢代表(当時)であることは
(2007/12/06の記事、主張を露にし過ぎる新聞屋と主張のない政治屋) で書いた通り。
 このあたりでも、まだ民主党は「小沢支配」が続いていて、その「裏代表」の顔は中国に向いたままだということが分かろう。

 私の世代で民主党を支持している人の中には、「小沢さんが労組や売国勢力に笑顔を振りまいているのは政権をとるための方便で、いざ政権を取ったらさっさとそんな勢力を振り捨てて保守の顔を取り戻してくれる」といっている人間も多いようだが、よくもまあそんな根拠のない願望に縋りつけるものだと思う。
 私も小沢氏が自由党を立ち上げた頃は、その「普通の国」構想に気を魅かれたことがある。が、その後の行動を見ると、結局彼の視線の先にあるのは「己の権力」だけで、そのためならば信条はコロコロ変わるということがわかってしまった。
 本当に彼が「隠れ保守」で「自民党に代わろう」というならば、今の時勢でまだ隠れている必要はないのだ。


 本日の栄養。

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 大発生の勢い!エチゼンクラゲ、対馬沖に

 日本海側を中心に深刻な漁業被害をもたらすエチゼンクラゲの大群が長崎県対馬沖に押し寄せ、今年は全国的に過去最悪の漁業被害をもたらした2005年並みに大発生する勢いという。
 直径20~90センチのクラゲが定置網に入り、ヤリイカなどの群れの中を漂っている。
 傘の直径は最大約2メートル、重さ約200キロにまで成長。網を引き揚げる際、重みで網が破れるなどの被害を起こす。対馬では5000匹を超えるクラゲが入り込んだ網も出ている。
 読売新聞 2009年7月29日(水)20:15

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 NHKではこのエチゼンクラゲの大発生もいつの間にか「温暖化」が原因になっていたが、

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 食べたくはない…?大量発生、ノリだらけの海水浴場―山東省海陽市

偕楽園血圧日記-大量発生
(写真、サーチナより。27日、山東省海陽市の海水浴場が大量発生したノリに覆われている様子が伝えられた。地元当局が24時間体制で撤去作業に励んでいるが、イタチごっこの様相)

 2009年7月27日、山東省海陽市の海水浴場が、大量発生したノリに覆われている様子を、チャイナフォトプレスが伝えた。
 海水浴に適したビーチとしてリゾートエリアへの開発が進む鳳城海岸。しかし、黄海で大発生したノリが海流にのって漂着し、リゾート地とはほど遠い悲惨な状況となっている。ノリもここまで堆積すると不気味。食欲がわくような食思風情ではない。
 海陽市では24時間体制でビーチを監視し、ノリの撤去作業に励んでいるがイタチごっこの様相。これまでに2700tものノリを処理したという。(翻訳・編集/愛玉)
 Record China 7月30日1時24分

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 このあたりのニュースとあわせると、黄海、さらには渤海湾の富栄養化こそが問題だと考えるのが普通だろう。2006年あたりから発生数が減っていたのも、北京オリンピックを控えて中国が沿岸の工場の操業規制をしていたからで、その箍が外れたら再びの大発生につながった、と。

 やはり、「二酸化炭素二酸化炭素」という以前に、こういう環境汚染をまず何とかしなければ。水温の上昇も、「温暖化」の影響より温排水の増加や富栄養化で海水が汚濁したために熱を吸収する物質の含有が増えたことなどの方が直接的に影響しているのではないか?