報道者の自由(怒) | 偕楽園血圧日記

報道者の自由(怒)

 千葉市の市長選挙で無所属(爆笑)の熊谷氏が当選した。
 森田知事の時に「無所属を問題」にしておきながら、それ以降の地方首長選で相変わらずこの「推薦だから無所属」という欺瞞が続けられているということに誰も異を唱えないというのは不思議なものだが、それはさておき、前市長の汚職で行なわれた選挙に前職時代の副市長を候補(しかも60代である!)に立てた自民党側には、もちろんはじめから勝つ目などなかった。

 が、

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 民主・鳩山代表「国政での政権交代への期待」 千葉市長選

 民主党の鳩山由紀夫代表は15日、千葉市長選で同党推薦の新人が勝利し、名古屋、さいたま両市長選に続き政令指定都市の市長選で3連勝したことについて「地方でも政権交代が起きた。国政に対する政権交代への大きな期待感でもある」と語り、次期衆院選への自信を示した。都内の個人事務所で記者団に語った。
 与党幹部が、国政への影響は少ないとの見方を示していることに対しては「そう言わざるを得ない気持ちは分かるが、当然、かかわりがある」と反論。各種世論調査で民主党支持率が上昇していることに関しては「ありがたいが、決して十分ではない。気を緩めたら一気に盛り返される」と述べた。
 産経新聞 6月15日12時34分

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 そんなことなどどこ吹く風、秋田県知事選挙で負けたときには大人しくなっていた民主党の人間が便乗して騒ぎ出すのだから醜悪。
 何よりも
問題は、このはしゃぐやからを持ち上げて「ブーム」にしようと煽るマスメディアの存在である。
 日本人が「熱しやすく冷めやすい」たちで、ブームに乗りやすいのは、最近でもバナナダイエットブームでよく分かる。そして本来ならばそんなブームで考えるべきではない国政のことですら、政治意識が低い日本人の中では「ダイエット」と同列に扱われてしまう恐れも大きい。
 昨日もNHKニュースで流されていた鳩山民主党代表の「官僚叩き」で「やりましょうじゃありませんかみなさん」式演説は、その線に則ったアジテーションでしかないのだが、ブームに煽られた人にはその中身のなさも分からなくなってしまう

 鳩山(邦)前総務大臣の「正しいこと」発言に肯いてしまう人は、既にそのブームに乗せられているのだ。(ちなみに、今度当選した千葉市長は「朝鮮学校に補助金を出すのは当然」という立場を取る人間である)

 読売新聞が面白い記事を配信してくれている。

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 貧富の格差が情報格差にも、批判の目育たず…イラン大統領選

【テヘラン=宮明敬】イラン大統領選における選挙運動の盛り上がりと保守強硬派アフマディネジャド大統領の予想外の大勝は、イラン社会の深刻な亀裂を改めて見せつけた。
 都市部では選挙戦中、政治的自由や社会の変革を求める若者や知識人が改革派のムサビ元首相を熱狂的に支持したが、全土では、自由の欠如よりも、イスラム革命体制の矛盾である貧富の格差に憤る人々が多数を占めたという現実である。
「大統領のお陰で、我々の生活は向上した」。テヘラン南部のモスクで投票を終えた建設作業員サマド・ザムザムさん(39)は、現職に投票したと公言した。
 24歳の女子神学生は「(大統領を非難する)欧米のマスコミは真実を伝えていない」と批判した。
 首都テヘランでも、南部は低所得者層が多い地区として知られる。裕福な層が多く、選挙戦終盤でムサビ支持運動が広がった北部や中部とは様相を異にする。
 貧富の格差は情報格差も生む。衛星テレビを見る経済的余裕のない人々に、政権に対する批判的な目は育ちにくい。「なんとか暮らしていけるのも大統領のお陰」と語った52歳の寡婦は「核問題や外交なんて私には分からない」と告白した。
 アフマディネジャド大統領が貧困層に支持されるのは、金持ち批判や、受け取った陳情の返書に現金を同封したり、食糧難の地区にジャガイモを配給したりという、実に即物的な大衆迎合主義にある
 大統領は選挙戦の終盤で、その最後の切り札を出した。改革派の重鎮で、最高指導者の任免権を持つ「専門家会議」の議長を務めるラフサンジャニ元大統領を「分を越えた分け前を取った者は、罰せられなければならない」と糾弾したのだ。
 それは、富裕層批判にとどまらず、体制の中心にいる人物に矢を放ったことになり、大衆の拍手喝采を浴びた。「あの糾弾で得票を積み上げたのは間違いない」と地元記者は分析する。
 だが、大統領の選挙戦略は一歩間違えば、自身の命取りになりかねない。貧富の格差が厳然と存在する事実を突きつけることは、30年に及ぶ革命体制が今も「社会的公正」を実現できないと告白しているにほかならない。ラフサンジャニ師糾弾と合わせ、体制批判の「レッドラインを越えた」との見方もあるからだ。
 歯に衣着せぬ言動で国際的孤立を招いたアフマディネジャド大統領の2期目は、内政でも危ない綱渡りが続くことになろう。
 読売新聞 6月13日20時23分

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 先日イランで行われた大統領選挙で、「貧富の格差が情報格差を生み、それが政治を正しく見る目を育てなくさせている」というのだ。
「情報を知っていれば改革派が勝ったはずだ」という意識が覗くところはいつもながらの「反権力主義」だが、それ以前に、自分の国の政治のことで偏った情報ばかりを流しているマスメディアの一員がこんなことをいうのだから鼻じらむではないか(冷笑)

 日本では「貧富の差」ではなく「情報収集熱意の差」、わかりやすくいえば「関心度」によって情報格差が起こっている
「政権交代」の文句に踊るだけではなく、「政権交代を主張する民主党はどういう政党か。任せても大丈夫か」と関心を持って自分で情報を調べた人間の中には、その「組合べったり。反日組織べったり。外国人組織べったり」の正体を知って慄然とするものが多いが、ただ漫然とテレビなどで流される情報だけを見ている人はそんなことすら知らない。彼らが「腐った自民党からさらに腐り堕ちた人間と、日本を壊すことで自分たちを偉い存在にしようとしている社会党」によって支配された集団だということを知らない。テレビで「官僚依存叩きで正義の味方」を演じている長妻議員が、実は官僚を使役して本来業務に支障をきたさせている張本人であることを知らない。

 読売新聞は「情報が民主主義を機能させる」大原則が分かっているのだから、政治結社の機関紙のように「野党だからいいんだ」という言い訳をして情報の軽重を勝手に判断するのではなく、政界で起こっている事は感想抜きですべてオープンに流してもらいたいものだ。もちろん、系列の読売テレビや日テレも。


 さて、

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 郵便不正で厚労省局長逮捕、当時の部下ら3人再逮捕

 自称障害者団体「凛(りん)の会」(解散)が郵便割引制度を適用できるよう厚生労働省の偽の公文書が作成された事件で、大阪地検特捜部は14日、偽の障害者団体証明書の作成に関与したとして、同省雇用均等・児童家庭局長の村木厚子容疑者(53)を、虚偽公文書作成、同行使容疑で逮捕した。
 さらに当時部下だった同省障害保健福祉部企画課係長・上村(かみむら)勉(39)、凛の会元メンバー・河野(こうの)克史(ただし)(68)両容疑者、凛の会元会長・倉沢邦夫被告(73>)を同容疑で再逮捕した。
 発表によると、村木容疑者は同課長だった2004年6月上旬頃、上村容疑者らと共謀し、凛の会を障害者団体と認める同年5月28日付の内容虚偽の証明書を作成。河野容疑者らが同年6月10日頃、東京都内の日本橋郵便局(当時)に証明書を提出し、行使した疑い。
 村木容疑者は1978年、旧労働省に入省したキャリア。同省障害者雇用対策課長や女性政策課長を経て、03年8月~05年9月に厚労省障害保健福祉部企画課長を務め、08年7月か>ら現職。
 読売新聞 6月14日18時13分


 局長逮捕、猛省を=鳩山民主代表

 民主党の鳩山由紀夫代表は15日午前、厚生労働省の局長が証明書偽造に関与した疑いで逮捕されたことについて、都内で記者団に「厚労省の役人はもっと襟を正さないといけない。二度と起きないような体質を、猛省してつくっていただかないと困る」と述べた。
 時事通信 6月15日12時15分

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 障害者郵便悪用事件で、ついにキャリア官僚からも逮捕者が出た。まるで鳩山(邦)氏が総務大臣を辞任するのを待っていたかのような突然の進展である(苦笑)
 お定まりのように野党代表が批判意見を垂れているが、忘れてはいけない、この村木容疑者には、当時の上司である部長から「政治家から電話で頼まれているから」という指示があり、その政治家とは民主党の石井副代表だといわれているということを
 この事件は、村木容疑者のさらに上司であった当時の部長にまで追及を進めるべきだ。「政治案件」の出所はその、いまだに名前も出ない退職した部長なのだから。
 そこに話が及んだ時、民主党がまた「国策捜査」と言い出すかどうか。牧議員が鳩山前大臣の元秘書であったことから、爆弾は自民党まで繋がるのか。その時「正義」を自称している前大臣はどう言い逃れ、彼を正しいと言った人がどう掌返しをするか。
 見物である(冷笑)。


 それにしても、この逮捕のニュースを伝えた昨日のNHKニュース7は面白かったなぁ。東京のスタジオでは「政治家の関与」についてはできるだけ触れないように、厚労省の不祥事という印象を強く与えるよう村木容疑者の経歴まで細かく触れて時間を潰していたのに対し、逮捕した地検のある大阪からの現地レポートでは盛んに「政治家の関与」に触れていた。この温度差はNHKという放送局の中の政治思想分布を見るようである。中央の出世コースに乗る者は「Japanデビュー」に見られるような勢力に媚びるが、地方はまだジャーナリズムの気概が少しはあるということだろうか。(話は変わるが、ここ数年大河ドラマでの秀吉の扱いが酷いものになっているのは、やはり中枢が半島を向いているせいだろうか?)
 NHKでは、いまだに民主党の牧議員の秘書が「障害者郵便利用を拒否された後郵便局を訪ね、その後郵便局が許可を出すように変わった」ことを国民に伝えようとしない。上記の「政治家が厚労省に口利き」でもそれが民主党の副代表だという噂(既に逮捕されている倉沢容疑者が同副代表の名刺を見せたという事実もある)にも触れない。
 これが自民党の役付き(役付きでなくとも)議員ならば、今頃はどのような騒ぎになっているだろうか?

 イランでは貧富の差が情報格差を生んだらしい。日本では衛星放送を見られる人も多く、パソコンを持っている人も多いのに、情報格差が起こっている。その原因がマスメディア自身にあるのだから救われない。
 国境なき記者団では日本の報道の自由度は低いと言っているが、とんでもない、「報道が負う義務」というものを無視してやり放題という意味では、日本の報道機関ほど自由奔放好き勝ってに振る舞っているところはない。
(まあ、それでも「独裁国家」ほど情報管制が徹底しておらず、突っ込みどころがあるだけ「まし」といえようか。おかげで拙ブログのようなものが開陳できる余地があるのだし(笑))


 おまけ。

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 <西松事件>前社長、違法献金認める方針 19日即日結審へ

 西松建設を巡る事件で、政治資金規正法(第三者名義の寄付禁止など)違反と外為法違反に問われた前社長、国沢幹雄被告(70)が19日の東京地裁の初公判で起訴内容を認め、即日結審する予定であることが捜査関係者の話で分かった。
 捜査関係者によると、民主党の小沢一郎前代表側がダミー団体を介した献金を持ち掛け、国沢被告側が了承したとされる。検察側はこうした経緯を立証し、冒頭陳述で、公設第1秘書、大久保隆規被告(48)=政治資金規正法違反で起訴=の関与にも触れるとみられる。検察側は献金を公共工事受注の見返りだったとしており、どの程度言及するのかが焦点となる。
 国沢被告の裁判は、大筋で争わないため量刑が主な争点。併合審理される元副社長、藤巻恵次被告(68)も外為法違反の起訴内容を認める見込み。
 起訴状によると国沢被告は06年10月ごろ、ダミーの2団体名義で小沢前代表の資金管理団体や政党支部に計500万円を献金したとされる。さらに藤巻被告らと共謀して06年2月~07年8月、税関に無届けで海外から計7000万円の裏金を持ち込んだとされる。【小林直、安高晋】
 毎日新聞 6月13日2時31分

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 この週末に西松事件の初公判があるらしい。西松の前社長は「あれは賄賂だった」と認めて即結審にするつもりらしいが、

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 「西松初公判」隠し?民主党が重要法案採決の19日集中作戦

 民主党が重要法案の採決や再議決などの国会日程を19日に集中させようとしている。この日は西松建設の違法献金事件で前社長の初公判が開かれるため、「冒頭陳述で民主党の小沢一郎代表代行の名前が出る可能性があるから、他のニュースをぶつけて大々的に報道させないようにしている」(自民党閣僚経験者)との憶測を呼んでいる。
 与党は11日の衆院議院運営委員会理事会で、臓器移植法改正4案を16日の衆院本会議で採決するよう提案した。同日は国民年金法改正案が参院送付後60日となり、「みなし否決」による衆院再議決が可能となるだけに、両案を一緒に本会議で処理したい考えだ。
 ところが、民主党は両案について、いずれも19日の衆院本会議で処理すべきだと主張している。同日は海賊対処法案の再議決も予定されており、与野党の19日をめぐる神経戦は週明けまでもつれ込みそうだ。
 産経新聞 6月11日21時34分

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 それが「新聞一面に載る」ことを避けようと、民主党が姑息な作戦を考えているらしい。(こういう動きを伝えてくれるのが産経新聞だけというのも……産経もおかしなところは多々あるが、「まだまし」というところか)

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 小沢代表代行「私は一番オープン、国民も知ってる」

 民主党の小沢代表代行は12日、西松建設の違法献金事件を受けた党の「第三者委員会」の報告書で、政治資金の使途の説明が不十分と指摘されたことに対し、「説明責任うんぬんと言うのはマスコミと自民党だけで、どこを回っても言われたことはない」と反論した。
 事務所費の使途内訳を自主的に公開したことを挙げ、「その事実があるにもかかわらず、そういうことを言うのは全く合点がいかない。私は一番オープンだと自負しており、国民も知っている」と語った。松山市で記者団の質問に答えた。
 読売新聞 6月12日18時18分

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 小沢筆頭代表代行はまだこんなことを言っているが、そのオープンな記載内容が「嘘」だったというのがこの西松事件なのだから、いくらすりかえようとしてもダメ。有権者もそんなすりかえに騙されないようにしよう。
 それにしても、「説明責任うんぬんと言うのはマスコミと自民党だけで、どこを回っても言われたことはない」って、それはそういうことを言わない人のところばかり行っているからではないか。いやはや(冷笑)。


 本日の名物。

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 雑記帳 ウトナイ湖特産の川エビ使った新ラーメン 北海道

偕楽園血圧日記-川エビラーメン
(写真、毎日新聞より。ウトナイエビ・ザルラーメンを開発した高橋社長=「味の大王」総本店で、斎藤誠撮影)

 元祖カレーラーメンで人気の北海道苫小牧市のラーメン店「味の大王」の高橋浩一社長(42)が、同市のウトナイ湖特産の川エビを使った「ウトナイエビ・ザルラーメン」を開発。1食500円で6月末から8月までの季節限定で販売する。
 ウトナイ湖は、野鳥の楽園で国際的に貴重な湿地としてラムサール条約に登録されている。漁業権を持つ地元漁師が春先に湖で捕った小さな川エビを、ゆでた後に粉末にしてめんに練りこ>んだ。
 5年前から工夫を重ねてきたという高橋社長は「自然豊かな湖畔の景観と一緒に、エビ・ラーメンの香ばしい味も楽しんでください」。【斎藤誠】
 毎日新聞 6月14日1時47分

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 川エビというのは、ヨーロッパでは高級食材になっていたと思うが、日本ではザリガニなどと同じく「泥臭い」イメージがあるせいか、「その土地」の中で留まる程度にしか流通せず、あまり見かけることがない。ラーメンにすれば、その範囲を拡大することもできるだろうな。
 それでたくさん獲ってしまったら、今度は生態系に影響が出てしまうかもしれないけど(笑)。

 こういうものは「そこに行って食べる」ぐらいでいいのだろうな。その方が地方振興にもなるし。