今期初めての議会が閉会しました。
いつもより調べることが多い案件について一般質問したので、すっかりブログを放置してしまい失礼しました。
一般質問の内容についてはまた改めてご報告させて頂きます。
今回は、前回のブログ「絶句。条例可決後に明らかになった太陽光パネル導入ポテンシャル調査結果」の続編をお届けしたいと思います。
前回の話は、義務化量のうち、義務化率(算定基準率)についてでした。
ハウスメーカーに義務づける義務化量(設置基準量)は、①1棟あたりの基準量×②義務化率(算定基準率)×③年間建築棟数で計算されます。
②については、以前は80%というイメージ案が例示されたこともありますが、今では70%になる見込みとなっています。
前回のブログでは、本当に全市一律70%で大丈夫なのかについて民間事業者に委託した調査で明らかになると思いきや、
全く明らかにならなかったということについてご報告させていただきました。
今回は①の1棟あたりの基準量についてです。
現在、市から示されているのは1棟あたり2Kwという想定です。市の試算ではランニングコストなどを含めてギリギリ収支均衡する最低限の出力とのこと。
この2Kwについては「延床100㎡の戸建住宅と延床1000㎡の集合住宅に対して、一律で2Kwは不公平ではないか」という点について昨年の議会でやりとりしていました。
ハウスメーカーの中には戸建住宅のみを扱うところもあれば、集合住宅も扱うところもあります。
例えば、下記のような建築実績がある、戸建住宅のみを取り扱うハウスメーカーであれば、
義務量は上記の通り、80Kwになります。(計算しやすいように義務化率を80%としています)
80Kwをクリアするためには、戸建住宅50棟のうち40棟にパネルを載せる必要があります。
一方、下記のような建築実績がある、集合住宅も取り扱うハウスメーカーであれば、
まず義務量は上記の通り、72Kwに引き下がります。
さらに集合住宅のうち、仮に4棟に、ある程度まとまったパネル8Kwを設置した場合、72のうち32はクリアできてしまいます。
残りの40Kwを戸建住宅でクリアすればいいので、戸建住宅40棟のうち20棟に設置すればクリアできることになります。
前者は戸建の8割、後者は戸建の5割に設置すればいいということになります。
上記のイメージを示したうえで「事業者の負担感に差が生じないですか」と議会で確認しましたが、
回答は「集合住宅もさまざまで、縦長なものや屋上に設備が設置されている場合もあるので、事業者の負担感に一概に差が生じるものではない」というものでした。
事実確認は委託調査を待てばできることなので、その時はそれ以上深追いしませんでしたが、今回、民間事業者の調査結果をみてみたら、案の定でした。
調査の結果、市内の戸建住宅にこれまで設置された平均出力は4Kwであるのに対して、集合住宅は平均12Kwでした。
感覚的にものを言ってはいけませんが、それにしても、これくらいの差が出ることは感覚的に想像できたような気がします。
今回の条例では、延床が100㎡でも1999㎡でも同じ制度で括られています。
なのでその制度の中で、1棟あたり2Kwという一律の設定をすれば、どう考えても歪みが生じます。
もちろん許容される程度の歪みであれば良いのですが、さすがに差がありすぎるように思えます。
一律にした方がハウスメーカーが市に報告するときの事務作業が楽になるという面もあると思いますが、
それらのメリットとデメリットをしっかりと天秤にかけて制度設計してほしいものです。
以上、今回は、1棟あたりの基準量についてでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。