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↓『無頼のススメ』伊集院静著、新潮新書、2015)より引用(11)


私がよく「酒場で騒ぐな」と言うのは、酒場で大勢で騒ぐ人は、他人とつるんでヒマ潰しをしているだけだからです。
そもそも酒場の大声というのは、「私、いま酔っていますよ」とあたりに主張しているようなもの、本来は主張するより謝るべきことです。


仲間と一緒に酒を飲んで騒ぐことで、孤独を忘れられるという人もいる。


しかし、あえて孤塁を守らなければ自分を真剣に見つめることもなく、流れゆく生を見送るだけになってしまいます。


どうしても人の悪口を言いたいなら、大声でばかばか言うがいい。
ただし、一人で。


同じように、公共の場、電車やバスなど乗り物の中では、たとえ友人同士でも少し声を抑えて話すのが大人の礼儀であって、他人に自分の話の内容を聞かせるものではない。


↑(引用ここまで)
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『たとえ友人同士でも少し声を抑えて話すのが大人の礼儀であって、他人に自分の話の内容を聞かせるものではない』。
本当にそう思います。


松本人志氏も、以前どこかで「アホって声大きいですよね」と言っていました。
アホっぽい女が、コンビニで彼氏か誰かに「これ、ちょーおいしいんだよねー!」と大声でしゃべる。
「なんで、オマエの好みをこっちまで聞かされなあかんねん!」と。
…その女がコンビニを出て行ったあと、ちょっとそのお菓子が気になってしまったり(笑)。


そういう輩は、むしろ周りに「聞かせたい」と思ってしゃべっているんじゃないか、と思ってしまうくらい大声で話しますよね。
レストランで大声でしゃべくるおばちゃん然り。店員にやけに強く出るタイプのお兄ちゃん然り。


それどころか、さんざん大声でしゃべくって、隣のテーブルの私が(そいつの話とは関係ないところでたまたま)クスっと笑ったりすると、「俺の話で笑ったの?」みたいな顔でチラっと見てくる奴なんて、腹が立って仕方がありません(笑)。
「お前の話なんて聞いてへんわ!」「というか、もっと小さい声でしゃべれや!」、と。


もっと言えば、これだけうるさくて周囲が迷惑しているんだから、そいつのツレが「もうちょっと静かにしようよ」くらい言ってもよさそうなものなのですが、「類は友を呼ぶ」というか、声のデカい奴のツレが注意するのを見たためしがありません。
…しょせん、周囲に気配りできない奴に寄ってくる恋人や友だちも、周囲に気配りできないタイプの人間ということなのでしょうか。


とはいえ、他者は鏡。
自分もそういった公共の場で、友人と話していてついつい声が大きくなってしまうこともあるので、気をつけなければなりません。
また逆に、たまたま耳に入ってきてしまっただけだとしても、他人の話を聞いてしまうのはマナー違反だと思うので、できるだけ聞かないよう、耳をふさいで素知らぬ顔でいたいものです。


「他人に自分の話の内容は聞かせない、また、聞かない」ようお互い努めることが、伊集院氏も言う『大人の礼儀』だと思うのです。


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