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↓『自分を愛する力』乙武洋匡著、講談社現代新書、2013)より引用(07)


乙武:たとえば、僕の友人で三十歳前後の女性たちの多くは「結婚しなきゃ」と焦っているんですよね。
また、結婚して子どもを生まないと幸せが手に入らないと思っていて、慌てて結婚してみたものの、「あれ?」という人もすごく多い。
それもまさに同じことが言えると思うんです。
みんなが「女性は結婚して子どもを生むのが幸せ」と思っているから、多数派の価値観に感化されて、自分も何となくそうなんだと思ってしまう。
自分でしっかり考えて結論を出す前に、流されて、結婚しなければ幸せになれないんじゃないかと思い込む。


でも、私にとっての幸せは家族を持つことじゃなくて、自分で仕事して、自分の食い扶持を稼いで、自由に海外旅行に行ったり、友達と遊ぶ時間を確保すること。
これが私の幸せだと自信を持って言える人は、大多数の人と価値観の違う少数派かもしれないけど、生涯幸せを感じて自分の道を歩いていくことができると思うんですよね。


泉谷:結婚を焦るような人は、これまた軽口なことを言いますけど、考えていないだけじゃなくて、よく見ていないんですよ。
世の夫婦というのを見ると、必ずしもみんなが幸せで満たされているかというと決してそうじゃない。
言いすぎかもしれませんけど、九割がたが違うんじゃないかな(笑)。
そういうことをしっかり見て判断できていれば、結婚しないと幸せになれないなんてウソだということが見抜けるはずなんですよ。


↑(引用ここまで)
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「結婚しない生き方」「オリジナリティあふれる生き方」には私も大賛成ですが、そんな「自分のアタマで考えた」「世の”常識”に埋もれない」人物、特にそんな女性には滅多にお目にかかれません。


もしそんな話のわかる女性がいても、「そら、男が寄り付かんだけやろ」と言いたくなるような人だったり(失礼)、妙に勝ち気な女性だったりが関の山です。…私の周りにいないだけですかね?


とはいえ、女性の大半が「結婚して子どもを産みたい」と思っているのが現状でしょうから、これを「洗脳」と言わずして何と言いましょうか?


どんなに賢い「自分のアタマで考えられる」女性でも、好きな男ができたら「その男の子どもが産みたい」と思ってしまうものなのかもしれません。
もし私が女に生まれていたら、「まだ結婚してないの?」「結婚できないの?」という周囲の目線に負けて、「いつかは結婚しなきゃ」と知らず知らずのうちに「洗脳」されてしまっていたかもしれません。


でも、それにしても、「この人、自分のアタマで考えてるな~」「この女性の独自性は、素敵だな~」と思わせてくれる人物が少なすぎるように、私には思えてしまうのです。
どいつもこいつも、「いつかは結婚したい」「子どもは産みたい」とアホみたいに口をそろえて言いやがって(失礼)、そういう「”結婚”っていう制度があるなら利用しなきゃ」「”出産”っていう機能が自分にあるんだから利用しなきゃ」「親や周りを安心させなきゃ」っていう安易な発想が、全然魅力的に見えへんわ、と私は心の中でつぶやくのです(笑)。


…そりゃあ、逆に「魅力的に見える男もいないぞ!」と言われちゃえば、そうかもしれないんですけど。。(笑)
男だって大半の野郎は「いつかは結婚しなきゃ」「自分の”家庭”を持ちたい」と漠然と思っていますからね。…炊事・洗濯・掃除&育児を全部自分でやろうなんて、考えもせずに。


私が思うに、現代の「結婚」「育児」に飛び込むのに必要な能力は、炊事・洗濯・掃除&育児一個一個の作業を淡々とこなせるキャパもさることながら、「周りの人間やテレビ・雑誌、親世代の言ってくることを鵜呑みにしないで、自分なりにテキトーにやって平気で笑っていられる、あっけらかんとした物腰」、これに限ります。
つまり、「こうしたほうがいいよ」という周りのおせっかいに耳を貸さず、わが道を行けるたくましさというか、それこそ「自分のアタマで考える」「少数派になるのを怖がらない」考え方が身についているか、どうかです。


「結婚」や「育児」に飛び込めば、不安の連続です。
「私は炊事はレトルトばかり、掃除もあまりしないで平気だけど、これでいいんだろうか?」
「子どもがワガママばかり言うけど、自分の育児は間違っているんじゃないだろうか?」
そこで、「周囲の目」を気にする癖がついてしまっていると、「周りと違う」自分を強く責めることになります。それこそ「育児ノイローゼ」まっしぐらです。
「周りにどう見られても、まあ、これでいいや」と思える、いい意味で「いいかげん」な、「あっけらかん」とした物腰は、必要不可欠だと思うのです。


そんな物腰が身に付いている人物であるかどうか、「自分のアタマで考えられる」人物であるかどうかは、その人が「結婚しなきゃ」「いつかは育児がしたい」という世の風潮に対して、どう自分なりの考えを持っているかを見ればよくわかる、とそう思い、今回こう書きました。


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