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↓『ニッポンを繁盛させる方法』島田紳助・東国原英夫著、角川書店、2007)より引用(05)
東国原:もちろん、(モチベーションの高い若者が)県庁にもいないわけではないんですよ。
ただ、公務員は何時間働いても給料が同じだとかいうような意識をやっぱり持っているところが一部、見え隠れする。
コスト感覚やスピード感覚といったものが民間に比べて不足している。
そこで、インセンティブが必要なのかなとも思う。
公僕(公務員)っていうのはパブリック・サーバントだから、県民の皆さんが喜ぶ顔を見て喜ぶべきなのに、ちょっと違ってきているのかなとも感じています。
島田:公務員は難しい。
東国原:公務員の意識改革をするのは難しいですね。でも、できないことはないと思います。
島田:うちの店もやっぱり基本給は低くしている。
でも、売り上げに応じたインセンティブを設けている。
出来高を従業員一同、同じにすると、みんなが売り上げを意識する。
だから、しんどかったとしても、今日一日の売り上げが良かったらみんなで喜ぶ。
結果的にそれが自分にお金として返ってくるから。
でも「売り上げだけ見てたらあかんぞ」とは口を酸っぱくして言っている。
そういうことって民間だからできるけど、相手が公務員だったらどうすれば頑張るのか。
東国原:三月ぐらいにですね、地鶏などを入れて僕が訪問先で渡していた宮崎の紙袋が有名になったんです。
それで、そのデザインを活かして「Tシャツにしませんか」と提案したんです。
「分かりました」と言われてできあがってきたのが八月の半ばですよ(笑)。
春先にお願いして、できあがったときには夏の半分が過ぎていますよ。
色々な手続き等があってある程度は仕方ないけど、それにしてもスピード感覚が足りない。その頃にはもう遅いですよ。
それで、「物産館で販売します」と彼らは言う。
僕が「物産館だけではなく、空港やデパートでも販売しましょう」と提案すると、「いや、物産館に何百枚か置いてみて、その売り上げの統計をとってから採算ベースで割り増ししていく」って言うんですね。
慎重に慎重を期すのは良いと思いますけど、見切り発車で勝負していかなきゃいけないときってあると思うんですよ。
島田:公務員にとってそれは、やる気の出る仕事でないねんな。
↑(引用ここまで)
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公務員に限らず、どんな業種でもそうだと思うのですが、東国原氏のTシャツの提案のような「新しい仕事」が飛び込んでくるときって、我々下っ端の普段の業務が減ってくれるわけではないですから、もちろん普段どおりの業務をこなしながら隙間時間を作って、普段の業務と並行してオーバーワーク気味にやっていくしかないわけです。
だから、東国原氏が言うような『スピード感覚が足りない』という指摘には、半分同意ですが、半分は同情してしまうのです。
ただでさえ、人件費の削減に次ぐ削減で、我々ひとりあたりにのしかかる仕事量は年々増えてきていると感じますし、それは公務員の世界でも同様だと思います。
聞くところによると、絶対に9時~17時では終わらないような事務作業に毎日追われていて、まともに休憩や昼食の時間もとれない部署もあるとか。
県庁勤務なんかになると、繁忙期は、毎晩終電に間に合わないほどの膨大な事務作業が連日続くそうです。
もう、「公務員 = ラクで安定」なんていう時代ではなくなってきているのかもしれません。
そんな毎日忙しい中で、トップから「Tシャツ作らない?」なんて思いつきで提案されても、普段の業務の片手間にやるくらいのモチベーションしか持てないのも、わからないではないです。
…まあ、Tシャツの納期が8月半ばっていうのは仕事のクオリティとしてどうよ、やるならちゃんとやれよ、とは思いますが(笑)。
とはいえ、「現状維持は後退と同じ」なんて言いますし、何か「新しい試み」を日々の業務に挟み込んでいかなければ、どの企業も生き残っていけないというのが昨今の流れなのかもしれません。
忙しい中でも「新しい仕事」を嫌がらずに、なおかつ「Tシャツを8月に納品」なんて「現状維持」男にならないよう、「やるからにはきっちり」「自分や周囲の常識を疑う」自分でありたいものです。
