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↓『ヒンシュクの達人』ビートたけし著、小学館新書、2013)より引用(14)


だけど、(「IQ84」が)これだけ売れりゃ出版社も村上春樹のヨイショをするしかないよな。
辛辣な批評でもして自分のトコで書いてもらえなくなっちゃ、オオゴトなんでさ。
どこの出版社でも「あわよくばウチも」なんて思ってるわけで、もうどこからも悪口なんて出てこないわけだよ。


だけど、売れるもの、強いものには必ず「アンチ」がいるわけで、村上春樹の悪口を聞きたいって人はホントはそうとう多いはずだぜ。
『週刊ポスト』あたりでも悪口書いてみたらいいのにさ。
『ポスト』の記者のアンチャンがいくら頼んだって、「女性器」とか「TENGA」とかやってるんだから、お上品な村上センセイは書いてくれないぞ。
悪口言えないんだったら、オイラが代わりにガンガン言ってやろうか(笑い)。


「国民的小説」「国民的ドラマ」なんて大騒ぎするのはいいけど、そうなると批判的な声はこの国じゃまったくなくなっちゃう。
「売れたものは叩けないファシズム」ってのが、この国にはあるってことだよな。


↑(引用ここまで)
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…『売れたものは叩けないファシズム』。


有名ホテルの食品虚偽表示はあれだけニュースになったのに、ディズニーオフィシャルホテルの食品虚偽表示は、あまり報道されませんでしたね(私の知る限りですが)。


そりゃあ、ディズニー(オリエンタルランド)のスポンサー(NTTやドコモ、第一生命など)のイメージダウンにもなるし、ディズニー自身も、大手新聞社の巨大広告からゴールデンタイムのテレビCMまで、巨額のスポンサーであることを考えれば、新聞やテレビで大きく叩かれないのも頷ける気がします。


そういう目で日々の報道を眺めていると、ツイッターか何かで個人的に「アンチ」を謳うことはあっても、組織的に「アンチ」な意見が「意図的に報道されない」ことも多いように思えてくるのです。


それは、すでに「売れたもの」「売れているもの」に限ったことではなく、「今、これが流行っています」だとか「○○が今、注目されています」だとかいう一般の報道も然りです。


「今、これが流行っています」なんて、本当に流行っているのかどうかも怪しい報道に、マイクを向けられ「別に興味ありません」なんてコメントをしても、そんなインタビューはもちろんカットされるでしょう。
というか、本当に流行っていたらみんなが知っているわけだから、報道する必要すらないと思うのですが…(笑)。
どうにもそこに、「もっと世間の目をそこに集めよう」という「商業的(または政治的)意図」「金儲けのにおい」を感じてしまうのです。


3.11震災当時の東京電力バッシングなんて、そんな「政治的意図」の最たるものですよね。
私は「確かに対応が後手後手かもしれないけど、逃げずに現地で頑張っている社員もけっこういるわけだし、もっと評価されてもいいんやないかなあ」「自分が社長だったら最善・最速の対応ができたか? と言われたら難しいんとちゃうか」くらいに思っていたのですが、そんな東京電力を擁護するような報道は(私の知る限りでは)まるでされていませんでした。
「遺族の気持ちを考えて云々…」とか何とか理由をつけて、STAP細胞の小保方さんのように、東京電力がやり玉にあげられたわけですよ。
おかげで、東京電力バッシングに対する「アンチ」な少数意見は報道されずに、「東京電力は何をやっているんだ!」という方向に世論が誘導されていったわけです。…まさに『ファシズム』!


「報道されるもの」と「報道されないもの」。
個人的にネットやらで、無責任に「アンチ」をつぶやいて悦に入るつもりは毛頭ありませんが、少なくとも「報道されないもの」「世論を誘導する商業的(政治的)意図」を想像できないようでは、民主主義国家に生きるひとりの「主権者」だなんて、口が裂けても言えませんよね。


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