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↓『ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する』島田紳助著、幻冬舎新書、2007)より引用(06)


資金面でいうと、僕はこの店(お好み焼き屋「のろ」)に20パーセントしか出資していない。
野呂は自分でも20パーセントの出資をしているから、そういう意味では後輩とはいえあくまで対等の関係だ。


だけど、僕のアイデアである以上、オープンするまでは、僕が徹底的に野呂をリードした。
苛めたと言われても仕方ないくらい、ガンガン言った。


たとえば、工務店からの内装工事の見積もりが来たとき、野呂が「最初の予算より何十万円オーバーしそうです」と泣きついてきた。
工務店の見積もりは、対外こちらの予算をオーバーしているものだ。予算以内なんてことはまずあり得ない。


そんなことは百も承知なのに、僕は野呂を許さなかった。
「あかんぞ。なんやそれ。お前はこの店、死ぬ気でやる言うたやないか。予算内じゃできないと言うなら、今から、その工務店の社長を殺してこい。お前、死ぬ気でお好み焼き屋やんのやろ?」
冗談ではなく、本気で怒って、野呂に退路を与えなかった。


野呂は必死で考えたのだろう。数日後に僕のところに来てこう言った。
「師匠、こう解決しました。ずいぶん交渉したんですが、工務店さんも、どうしても無理やというんです。だから、僕、工事現場で働きます。働いたら、その分の人件費を引けるって言われました。」
そいう言って、あいつは1カ月間、自分の店の工事現場で働いた。しかも、毎晩その現場に寝泊まりまでして。


それで、20万円だけ引いてもらった。
残酷な言い方だが、ほんとはそんな金はどうでもよかったのだ。
大切なのは野呂がどこまで本気で取り組めるか、だ。


死ぬ気で頑張りますと口で言うのと、本当に死ぬ気で頑張ることとはまったく違う。
”死に物狂い”という言葉がある。
ビジネスに限らず、どんなことでもそこまでやらなければモノにはならないと思う。
逆に一度でも死に物狂いの経験をしていれば、その後にどんな逆境が来ようとも、絶対に乗り越えることができる。


↑(引用ここまで)
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「死ぬ気で頑張ります」なんて、軽々しく口にする人もいますが、本当に「これができなかったら死のう」と覚悟して取り組める人は、あまりいないと思います。


つまり、こういうことです。
「頑張ります」とよく人は言うけれど、実際は「そんなに頑張っていない」のです。


…「そんなことはない。自分は”頑張っている”」って?
いやいや、紳助氏の言う、野呂さんの頑張りほどに「頑張っている」人が、はたしてどれだけいるでしょうか?


紳助氏や野呂さんから見たら「全然がんばってないやん」と思うようなレベルの人も、本人は「頑張っている」つもり。
「この人、めちゃくちゃ頑張ってるやん。毎日1~2時間しか寝てないことが”当たり前”になってるやん」と思う人も、本人は「別にこれが普通」だと言う。


野球のイチロー選手も「努力家」だと評されたりしますが、本人は「他人が言うどんな”努力”よりも、厳しい”努力”を自分に課せない者は、良い結果を出し続けることはできない」と言っていました。


甘い自己評価。
また、それに気付けない者。
こんなことを言っている私だって、自分では「そこそこ頑張っている」つもりでも、その「努力」のレベルの低さに気付けないでいるだけなのかもしれません。
「頑張ります」「頑張って」なんて、簡単に口にできませんね(笑)。


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