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↓『本能の力』戸塚宏著、新潮新書、2007)より引用(09)


しかし、どうであろうと子供は小学生くらいの間、健全な形でいじめられ、いじめる経験(お前は木登りもできないのか、と囃したて、強い者が弱い者に”不快感”を与え、向上させる作業:注釈引用者)をしなければなりません。
とはいえ、現代の日本ではそういう環境を作ることは難しい。
昔のようにたくさん兄弟がいれば、一種の異年齢集団が否応なしに形成されるのですが、それもなかなか難しいようです。


そこで提案したいのが寄宿舎制度です。
二十四時間子供を預かって、その中でかつてあったような子供の世界を人為的につくってみようということです。


「お前はこの班に入りなさい」と、一年生から六年生を振り分けて、六人ないし十二人、十八人の班を作らせて生活させる。
六年生が卒業すれば一年生が入ってくる、そういうシステムで六年間を過ごす。


そもそもエリート養成のためには、小学生を対象にした寄宿舎のある学校が必要です。「ハリー・ポッター」シリーズにも出てくるので今の人にもなじみはあるのではないでしょうか。


ヨーロッパは、建前では合理主義を振りかざしていますが、実は体験的に本能を重視しています。
上流階級では子供を寄宿舎に預け、人間の基礎作りを見事にやっています。
先日、イギリスのパブリック・スクールの様子を紹介しているテレビ番組を見ました。
それによると、授業の三分の一が体育だと伝えていました。


現在の日本では者の見方が短絡的になっていて、ついつい今の成果ばかりを求めます。
だから「三分の一を体育にしよう」などと提案したら猛反発を受けるでしょう。
しかし、教育は子供の将来のために行うものです。
イギリス人は体育を多くすることで、子供を強く育てている。
それは長期的に見れば必ず彼らのためになるわけです。


この日本で今すぐに寄宿舎制度を創設するのは無理だとしても、そのつなぎとしてやれることはあります。
参考になるのがアメリカのサマースクールです。
アメリカの中・上流家庭の子供の多くは、夏には二カ月近くサマースクールに出されています。
異年齢集団の中でいじめられ、いじめる経験をする中で人間の基礎ができ上がっていくのです。
日本のボーイスカウトも悪くはありませんが、やはり昨今の風潮を受けて、上下関係が甘くなってしまっているようですから、実のところあまり期待できません。


↑(引用ここまで)
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子どもは、毎日母親や祖父母などの大人たちに囲まれて、「かわいい、かわいい」とアイドル視されて過保護に生活するよりも、保育園や、戸塚氏の提唱する「寄宿舎」など、異年齢の子どもたちに囲まれて生活する方が、確実に「強く」育つと思うのです。
それは、子どもにとっても、親にとってもいいことだと思います。


テレビやゲームも一切なく、冷暖房も教育的配慮から設置しない、もしくは弱めて使用する。
そしてできるだけ屋外で遊ばせ、子どもどうしのトラブルやケガもいい具合に起きてくれる。
兄弟が5人も6人もいることが一般的でない昨今では、保育園などのこんな環境は、子どもが育つのにベターな環境だと思うのです。
さらに、親も専業主婦(夫)にならないことで、「仕事」という社会的居場所も得られ(ついでに「収入」も得られ)、「家」という閉ざされた空間の中で「家事」や「育児」のことばかり考えて悶々と過ごすこともありません。


…いや~、私も仕事でたまに連休をもらったりして、数日子どもと二人っきりで過ごすこともあるのですが、正直、これが毎日続くのかと思うと、ノイローゼになるかも、と考えてしまいます(笑)。


朝、子どもを起こして着替えさせる、朝ご飯を作って食べさせる。
洗い物を片付けて、洗濯機を回し、部屋の掃除をする。
洗濯物を干し、子どもを昼寝させたら、テレビを見たり、一緒にちょっと昼寝をする。
子どもが起きたら着替えさせ、洗濯物を取り込んだら、もう夕方です!
夕飯の買い物に行き、ごはんを炊き、夕飯の支度をする。
子どもに夕飯を食べさせ、トイレトレーニングをし、洗い物をして、お風呂をわかし、お布団を敷き、子どもと一緒にお風呂に入り、着替えさせ、寝かしつける。
…専業主婦(夫)の方には申し訳ないのですが、こんなふうに毎日子どもとふたりっきりで、家とスーパーの往復の暮らしでは、私はどうにも息が詰まってしまいます。。
いや~、主婦(夫)って、精神衛生上、よくないっすよ(笑)。
数日こうして過ごすだけで、ノイローゼぎみになりますもん。特に、子どもが「イヤイヤ」モードに入っちゃったりすると、声を荒げることもしばしば…。


…話が横道にそれました(笑)。
そんなわけで、私は「”保育園”という環境」と育児を分担して行うことを、強くお勧めします。
…私が家事や育児に対して生真面目すぎるだけなのかもしれませんが。
「みっちゃんは真面目すぎるのよ」とよく職場のおばちゃんにも言われますので(笑)。


子どもにとっての「異年齢集団」という環境。
親にとっての「育児の分担」という環境。
その両面から、戸塚氏の言う「寄宿舎制度」に魅力というか、未来を感じてしまう、今日この頃でした。。


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