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↓『現実はマイナーの中に』江川達也著、ウェイツ、2004)より引用(13)
別に称賛されなくていい。
誰も見ていないところで密かにすごいことをやっている、というのが私の中でのカッコよさなんです。
そういうカッコよさが現代はなくなってきています。
私の好きなヒーローは、みんなにはわかってもらえないけれど、密かにいいことをやっているやつなんです。
昔のヒーローはそうだったじゃないですか。
いまのヒーローはみんなの前に出てきて、しかも五人で、仲間がいて明るくヒーローをやっている。
あれは明らかに結果的に悪になりやすい。
現実では、ああいうのは売名行為で悪い奴なんです。
本当の意味での正義なんてやっていない。カッコつけのためだけ。
↑(引用ここまで)
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称賛されない、前に出ない「カッコよさ」「優しさ」。
私の処世術というか、日々心がけて実践していることが、まさにこれです。
職場でも、家庭でも、街ゆく人にでさえも、「先に○○しといたら過ごしやすいだろうな」と思ったら、多少急いでいようが、フットワーク軽く、やっておくんです。
基本、相手に気づかれなくていい、と思ってやります。
あんまり偉そうに発表するようなことでもありませんが(笑)…
簡単なところで言えば、職場でゴミがたまってきたと思ったら、自分がゴミを捨てに行く。他のゴミ箱や、ゴミ袋ストックの残数もチェックして、補充しておく。次に気づいた人に、やらせないようにする。
トイレットペーパーやコピー用紙も同様です。なくなる前に、補充しておく。次の人に、かえさせないようにする。これは職場でも、家庭でもです。
食器類や洗濯物がたまっていることに気づいたら、多少急いでいようが、洗い物をしておく。洗濯して干しておく。乾いていたら取り込んで畳んでおく。次の人に、やらせない。
人の家やお店で靴を脱ぐときは、自分の靴を揃えるのはもちろん、他人の靴も揃えておく。嫌味にならないよう、素早く。
飲食店で食事をした後は、店員さんが持って行きやすいように、無理のない程度に食器を重ねておく。できるだけテーブルをきれいに拭いて、原状復帰しやすいように片づけておく。
ひとりで食事をするときでも、必ず手を合わせて「殺生した」動植物に「いただきます」と言ってから食べる。
職場にも家庭にも、「今日おやつがあったら嬉しいだろうな」と思ったら、差し入れする。…これは密かにできないか(笑)。
…この場で具体的にあんまり言いすぎると、やり逃したとき「おまえ、あんなに偉そうに言っておいて、実際やってないやないか!」とツッコまれそうで恐いので、このくらいにしておきます(笑)。
私が思うのは、恋愛だったり、結婚生活だったり、職場だったり、人間関係が良好に長続きする秘訣は、「優しさ」や「思いやり」なんていうフワフワした感情論ではなく、こういった「先に○○しておく」気づきとフットワークの軽さが身についているかどうか、ということです。
それも、無理なく、日常的に、自然にできるくらい癖になっていることがポイントです。
どちらかというと、「気持ち」より、「テクニック」の問題に近いと思うんです。
昔風に言えば、「働き者」であるか、どうか。
また逆の見方をすれば、「働き者」でない、このくらいの行動テクニックも身に付いていないような人間に、恋愛や結婚生活が長続きさせられるはずがない、とも言えます。
何かに気づいても「面倒くさい」というのが優先事項の上位になってしまっていたり、奉仕され慣れてしまって自分から行動を起こさない「消費者根性」が身についてしまった「ガキ」に、まともな人間関係が築けるはずがないと思うのです。
「○○してもらっちゃった。嬉しいな。今度は自分がしてあげたい」という献身的行為のキャッチボールこそが、コミュニケーションの基本なのですから。
