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↓『ヒンシュクの達人』ビートたけし著、小学館新書、2013)より引用(12)


最近、役者とかお笑いとか歌手みたいな実体のある仕事を全くしていないのに、プライベートをドンドンさらけ出すことによって露出を増やしている妙なタレントが多いよな。


あえて誰とは言わないけど、映画の試写会やイベントのオープニングセレモニーに呼ばれて自分の私生活について答えたり、他人のスキャンダルについてテキトーな感想を述べるだけで食いつないでるヤツラだよ。
で、テレビのほうもそういう人たちをなぜか重宝してるって構図があってさ。


オイラは最近これを「フェイスブック方式」と呼んでるんだよね。


ネットに詳しいワケじゃねェからおおざっぱな解釈だけどさ。
フェイスブックってのは、知り合いのプライベートをのぞいている人に対して、その情報の脇にある広告(バナー)を見せることで儲けるってシステムだろ。
タレントを試写会に呼んでプライベートを語らせて、その脇に映画やDVD、イベントのポスターを置いて宣伝するっていう手法は、それと全く同じに見えるんだよな。


↑(引用ここまで)
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…『フェイスブック方式』とは、またうまい表現ですよね。


売れなくなった歌手やアイドルが、出産・育児をきっかけに、それをダシに再びテレビに出てきたり。
自分では何も新しいものを作り出さないのに、他人が作った作品にあーだこーだコメントするだけで金をもらっている「○○評論家」みたいな人だったり。


日々のインターネットニュースの検索上位なんかを見れば、そんな「芸能人のプライベートネタ」ばかりがクリックされていることがまるわかりです。これがもう、情けなくらいに(笑)。
みなさん、暇さえあればスマートフォンを開いて、その実、何をしているのかといえば、ゲームやLINEに興じているか、そんな下世話な芸能ニュースばかりを日々チェックしてらっしゃるわけです。


そりゃあ、ゲームのアプリやインターネットニュースの脇に広告バナーがひしめき合っているのも頷けるでしょう。
そして、直接バナーをクリックしないまでも、企業名や商品名は、バナーの視覚的効果によって、徐々に我々の頭の中に蓄積され、ある種の「ブランド」意識を植え付けられ、確率論的に商品の売上げを伸ばすことになっているのです。


…人間は、いつの時代でも、下世話な噂話が好きというか、他人のプライベートを覗き見る快感に弱いというか、野次馬根性を煽られると、いとも簡単にそちら側へ流れて行ってしまうものなのかなぁ、としみじみ思ってしまいます。ちょっと偉そうでしょうか(笑)。


もちろんそれは、私とて決して例外ではなく、ボーっとネットサーフィンしていたら、ついついそんな「他人のプライベート」をクリックしてしまいそうになります。別に、誰に見られているわけでもないですし(笑)。


でも、個人的なプライドというか、なんというか、「他人のプライベートを覗き見る」ことに時間を奪われている自分が恥ずかしい、という意識が、クリックしようとする私の右手を止めるのです。
しかも同時に「広告バナーの影響を知らず知らずに受けて、個人的好みや考え方まで左右される可能性」もあるわけですし、「お膳立てされた芸能ニュースやバナーに、簡単には惑わされんぞ」「誰もがそこに興味があると思うなよ」と、集団に埋もれることを嫌う私としては、そんな独り言をぶつぶつ言いながら(笑)、パソコンを閉じるのです。


フェイスブックやミクシィで他人のプライベートを覗き見るのも、ヤフーニュースのトップページで気になる芸能ニュースをチェックするのも、基本的に同じ種類の「惰性」だと思うのです。
そして、商売人たちは、そんな「惰性」を見過ごさない。「絶好のカモだ」と、企業名や商品名を刷り込んでくるわけです。


…あなたは、そんな「惰性」に時間を奪われていませんか?
そして、商売人たちは「時間」だけでなく、徐々に徐々に、あなたの「金」や「プライド」も奪っていってしまいますよ?


今回は(も?笑)偉そうに言いましたが、自分への戒めも込めて書きました。


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