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↓『ヒンシュクの達人』ビートたけし著、小学館新書、2013)より引用(08)


運動部のシゴキに限らず、「いじめ」って言葉を聞かない日はないけど、この言葉の響きが本質を見誤らせてるんだよな。
弱い同級生を殴ったとか、恐喝してカネを奪って、ついには自殺に追い込んじまったなんて「いじめ問題」が毎日話題になっているけど、これはもう「いじめ」じゃなくて「犯罪」だろうよ。


「暴行罪」「脅迫罪」「恐喝罪」と、ほんとの罪状で呼んでやらないと。
これは「犯罪だ」ってことをガキの足りない頭でもわかるようにしてやんないと、また同じことが起こっちまうぜ。


だいたい、なんでニッポンって国は、こんなに物事をオブラートに包んでしまうんだろ。
痴漢のニュースだって、「スカートの中に手を入れた」「下腹部にいたずらした」なんて言うけど、要は「性器をなで回した」ってことなんでね。
婉曲表現で実態をうやむやにしようって狙いがバレバレだよ。
とにかく、くさいモノには全部フタをしちまう。
それが「いじめ」ってものを陰湿にしちまってる理由だと思うんだよね。


↑(引用ここまで)
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安易な「呼び名」が生む誤解、ありますよね~。


たけし氏がはっきり言ってくれているように、『ガキの足りない頭でもわかるように』呼び名を工夫してあげないと、事の重大さ、恥ずかしさに気づけない、という輩が大勢いると思うんです。


以前に、『松本紳助』というテレビ番組で、松本人志、島田紳助の両氏が言っていました。
「”フリーター”とか”ニート”とか、そういうカッコええ横文字にするのがアカンよな」と。
「せめて我々は、この番組ぐらいは、仕事もせんと親のスネをかじっとる奴らを”ニート”でなく”ピョヨヨン”と呼ぼうで」と。


確かに、お母ちゃんに「アンタ、仕事もしないで、いつまで”ピョヨヨン”なんてやってんの!」と叱られれば、「ニート」や「フリーター」なんて評されるより、なんだかとっても情けない気がします(笑)。


「いじめ」然り。
「万引き」然り。
お偉いさんがしたり顔で使う、いらない横文字然り。


物事を軽々しく感じさせてしまうそういった「呼び名」は、鼻で笑い飛ばすくらいのバランス感覚を持っていないと、あなたも私も、「いじめ」のニュースを見て「けしからん」と安易に同調するおっさんの仲間入りですよ?


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