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↓『下世話の作法』(ビートたけし著、祥伝社、2009)より引用(07)


自分のことを棚に上げるのを許してもらえば、テレビほど下品なものはないと思うよ。


テレビ番組自体がひどいもので、やってるのはエロと、飯を食うのと、お笑いの三つ。
まるで『ソドムの市』だね、パゾリーニ監督の。
映画じゃ権力者が変態行為を繰り返すんだけど、ソドムってのは『旧約聖書』に出てくる町の名前なんでしょ。
町の人があまりに不道徳なんで、神様が天罰を下したというね。


今の日本のテレビも似たようなもんで、何で毎日あれだけ飯を食ってるかな。
これほどテレビで食い物の番組が増えてるのが信じられない。
デパ地下でどうのこうの、大人の隠れ家レストランでどうのこうのって、食い物の話ばっかりじゃん。


それで飯を食ってるデブが持て囃されたり、人よりもいっぱい食えるやつを出して喜んだり。
山盛りの飯を持ってきて「さあ、食べていただきましょう」って番組をやりながら、片一方じゃ「アフリカの飢えた子どもがかわいそう」なんてドキュメントもやってる。頭がおかしいんじゃないか。


(中略)


デヴィ夫人だって本当は「元デヴィ夫人」だろう。
旦那のスカルノ大統領は、とっくに亡くなってるんだから。
おまけに第三夫人なんでしょ、四人いたうちの。詐称すんな。


そういうのが上流とか品を語るって変じゃないか。
政治評論家でも何でも「コメンテーター」と称して、ワイドショーでいっぱしのことをしゃべってるけどさ、要するに単なるテレビ芸者じゃねえか。
俺(おい)らと変わってないのに、何を偉そうなことを言ってるんだ。


↑(引用ここまで)
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…『やってるのはエロと、飯を食うのと、お笑いの三つ』。


若くてかわいい少女たちに歌って踊らせ、うまいものを食いながら、芸人を呼びつけては目の前で芸事を披露させる。
…まるで、お殿様の生活みたいじゃありませんか?


そんなバカ殿様だらけの民「主」主義の国、日本。
どのチャンネルでも「エロ」や「食い物」、「お笑い」といった娯楽であふれかえるテレビを見て、「異常」だと感じるのは私だけでしょうか?


「お笑い芸人の○○さんのネタが好きです」と言う女に、「美味しいものが食べたい」「旅行に行きたい」とぬかす子ども。。
その姿たるや、労せずして「わらわを楽しませよ」と左うちわで家臣に命ずる「バカ殿」様です。
いったい何様のつもりだ、と。


「○○さんのすべらない話が大好きです」とぬかすゲスト女優に腹を立てながらも、あふれかえる娯楽・エンターテインメントが国民を堕落させていく現実と日本がどう向き合っていくのか、ひとりあれこれと勝手に頭を悩ませる今日この頃です。。


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