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↓『江川達也のニッポンを鍛えろ!』(江川達也著、ぶんか社、2004)より引用(04)


オレに言わせれば、今の日本は国民自体が家畜人なのであるから、国家が家畜人国家になるのも仕方がない、ということになる。


現在の政治に不満だらけだと口では言いながら、既得権益と癒着し、一般国民には痛みばかり押しつける自民党連立政権にどこかで依存し続けている。
主権者である国民の下僕であるはずの公務員は、まともな仕事もせずにいばってばかり。官官接待などもやっているし、税金のムダ遣いもいっこうに減らない。
公僕がこんなに好き勝手やれてしまうのは、主人である国民がバカな家畜人だからである。バカ殿は楽だが、バカだからそのうち犬のはずの公務員に食い殺されて死んでしまう。まさにバカ殿が国を滅ぼすのである。


オレは楽をするなと言うつもりはない。バカ殿結構。しかし、それならまずは自らの選挙権を返上しろ。
そして全てを他者に委ね、家畜人として生きていく覚悟をしろ。
しかし、家畜人になるのはいやだが、主人としてやらなくてはいけないこともやりたくない、でも権利だけはしっかり主張する、というのは通らない無理だと気づかないのか。


まずは、日本人一人一人が自立した人間となるべきだ。そして相手に一目置かれる存在とならなくてはならない。
「景気が悪いから何とかしてほしい」「社会保障をしっかりやって助けてほしい」「税金の負担が重いから、何とか負担を少なくしてほしい」などと、国におねだりばかりしているようではいけない。


そもそも、日本が累進課税制度を採用しているために、多くの国民は国に注文をつけるだけの税金を払っていないのではないかとさえ、オレは思う。
まずは自立してしっかり働き、税金もガンガン払うのだ。
かくして国民が自立した上で、自立した人間の独立国家である日本も、対等の国家として一目置かせるよう戦略的・自立的に外国と渡り合うことができるのだとオレは思う。


↑(引用ここまで)
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…『家畜人になるのはいやだが、主人としてやらなくてはいけないこともやりたくない、でも権利だけはしっかり主張する、というのは通らない無理だと気づかないのか』。

論調の強い江川氏ですが、納得できる指摘が数多くあります。
「主(あるじ)」たる国民として、政治や歴史の勉強・情報収集を日々していないくせに、ニュースを見て文句ばかりたれている人間が(もしくは自分の意見も言えない不勉強な人間が)、私の周りにもごまんといます。


たとえばちょっと前でいえば、民主党による「ダム建設中止」に異論を唱える人たちを報じるニュース。
自民党政権下でさんざん転居などさせられながら、政権が変わった途端に中止はおかしい、と彼らは言います。
同情はいくらでもできます。
私も当事者だったら、「なんで自分たちのときだけ…」「街の将来はどうなるんだ」とやりきれない気持ちになっていたかもしれません。
でも、「個人の利益」と「国の進むべき道」を天秤にかけての発言とは、とても思えないのです。


おまえらも「税金のムダ遣いをなくしてほしい」と言って、民主党に投票したんちゃうんかい、と。
仮に関係者全員が自民党に投票していたとしても、「オレは民主党に投票していない。だから、民主党が過半数を占めても、オレたちの町だけは例外として認めろ」というのでは、学級委員に選ばれなかった子どものワガママと同じです。
「税金のムダ遣いはやめるべきだけど、自分のとこだけはやめないでほしい」だなんて、『通らない無理』だと気づかないのでしょうか。
どうせ文句を言うならせめて、「ダムなどの公共事業にも、国は税金をガンガン使うべきだ。税金のムダ遣いよりも、転居させられた人たちへの配慮の方が大事だ」くらい言ってほしいものですが。。


…そもそも、どの公共事業も町おこしの一端を担っているわけで、「税金のムダ遣いをなくす」ということは、少なくとも「今よりも生活が不便になる」という側面がついてまわるということを、理解していない「バカ殿」日本人が多すぎます。
福祉先進国と呼ばれる北欧の国では、すでにクルマ社会から公共交通社会へ移行しており、国民の多くがマイカーを手放すという「不便」を受け入れています。
道路建設は次々とストップされ、トラック輸送で毎日新鮮なモノが届くコンビニやスーパーも縮小傾向にあり、税金も高く、今の日本から見るととても「不便」な社会に向かっているように見えるかもしれません。
しかし、そういった自国の政治を誇りに思う国民であふれているとも、聞きます。


それを思うと、「税金のムダ遣いをなくそう」「もっとエコを」なんて甘っちょろいセリフの先にあるはずの、「クルマ社会でなくなること」「コンビニがなくなること」「自動販売機がなくなること」「老人が住みやすく、若者が遠慮して住まなくてはいけない町になること」「安い輸入食品を排除し、みんなで高い国産食品を買って食糧自給率を高めること」などなど、多くの「不便」を受け止める覚悟が、日本ではまだまだ育っていないんだなあ、と痛感させられるのです。


…「税金のムダ遣いはなくすべきだけど、今より不便になるのはイヤ」だなんて、江川氏の言う『家畜人』そのものだと、そう思いませんか?


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