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↓『江川達也のニッポンを鍛えろ!』(江川達也著、ぶんか社、2004)より引用(01)


この本を読んでいる人の多くが、「私は自分自身の頭で考え、行動している、自立した人間だ」と思っていることだろう。しかし、本当にそうなのか。


例えば、北朝鮮は悪だと言う人がたくさんいる。情報操作と教育により、「偉大な将軍様」であるキム・ジョンイルを礼賛し、朝鮮民主主義人民共和国こそ素晴らしい国家であると思い込ませるよう、国民をマインドコントロールしている様があからさまに見えるからだろう。正義である北朝鮮に対し、アメリカや日本をはじめ、諸外国がどれほど悪いことを仕掛けている、と事実を曲折させて報道するニュースなどが、最近は日本でもしばしば紹介されている。しかし、ほんの数年前までは、北朝鮮は地上の楽園であると言っていた人間が、日本国内にも大勢いたのではなかったか。果たして情報操作により国民がマインドコントロールされているのは北朝鮮だけと言えるのか。程度の差こそあれ、日本人も同様なのではないか。


その一つの証左が、拉致被害者の問題である。日本国内で騒がれだしたのはここ数年だが、「北朝鮮に拉致された人がいる」ということは、以前から言われていたことだ。これまでも北に拉致されて行方不明となった人はたくさんいたが海上保安庁が公にしなかっただけである。一方、マスコミも、「北朝鮮が日本人を拉致しているらしい」との情報を得たとしても、それを記事として取り上げることはなかった。それをニュースにすると、政府などから圧力がかかるからである。こうして、表面化しない事実は”なきもの”とされてきたのである。


今でも無数の圧力団体があって、マスコミで書けないことは山ほどある。オレが出版社でマンガを描いていても、編集者から、「ここはやめてください」というチェックが必ず入る。日本で流通している情報に一切のバイアスがかかってないと考えているとしたら、大きな間違いである。


↑(引用ここまで)
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メディアによる洗脳。
映像や音声技術ばかりが発達し、テレビにも、雑誌にも、インターネットにも、もともと興味のなかったはずの情報に、思わず「なになに?」と喰いついてしまう仕掛けがいたるところに散らばっています。
メディア側にしてみても、「売れる」だったり「視聴率」だったりを突き詰めていかなければやっていけないので、「いかに一般市民を喰いつかせるか」という面ばかりが注目・研究されるのも、無理もないことです。
ただ、私たち一般市民の持っている「ヤジ馬根性」だったり「うわついた気持ち」だったりを刺激してやろう、という魂胆が、ここ数年ちょっとあからさますぎやしないか、と思うのです。
「『女子高生』『女性○○』とタイトルにつければ、男どもが喰いつくだろう」とか。
「民主党にまともな政治運営ができるのか!?」と、明らかに興味本位で煽った記事や報道ばかりを垂れ流したりとか。


…「これ見せとけば、どうせ喰いつくんだろう?」と言わんばかりの、視聴者や購読者をバカにした番組や雑誌は、「見ない」「買わない」ことで意思表示をするといった、自立した国民性は、どうやったら育つんでしょう?
…たとえばアメリカでは、すでに何度も政権交代を繰り返していて、「新政権発足から100日間は騒がず、おもしろがらずに見守ろう」といった暗黙のルール(「ハネムーン」と呼ばれているらしい)がある。そういった政治的態度が日本で定着するにはどうしたらいいのか?…といった建設的対話は、どうやったら活発になるんでしょう?


視聴者や購読者をバカにした「刺激物」の方が「売れる」という市場法則に多少のあきらめを感じつつも、国民を堕落させてばかりのメディアが、国民を教育し、成熟した民主主義に成長させるようなメディアに育つにはどうしたらいいものかと、今日も考え込んでしまう私でした。。


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