------------
↓『気がきく女性・55の秘訣』(里中李生著、三笠書房、2005)より引用(04)
ある飲み会に、少しだけ遅れて参加した私は、座敷の入り口で、素敵な光景を見た。
私と同様に少し遅れてきた女性が、バラバラになっている靴を綺麗に並べていたのだ。本来、それは店の人の仕事だが、その店は安い居酒屋で、そういうサービスはなかったようだ。それに気づいた彼女が、みんなの靴を綺麗に揃えていたのである。もちろん、それに気づいたのは私だけだし、彼女は、いいところを見せようとして、やっていたのではなかった。
それだけで、私はその彼女を口説きたくなったが、彼女は結婚していて、今時、珍しく無口で、控えめな女性だった。男性のビールがなくなると、すぐに注いであげて、メニューを自分の近くに置いておき、何かあると、店員を呼ぶ。最初から、「私はそういう係」と思っていたかのような働きぶりだった。
(中略)
幹事がいない小規模な飲み会だったら、会計がいくらになっているか、あなたが見ないといけない。
酔いすぎた人がいたら、「彼は大丈夫かしら」とあまり酔っていない男性に相談する。
電車で帰る人、タクシーで帰る人、二次会に参加する人。皆に笑顔をおくって、「また、飲みましょう」と伝える。
そんなあなたの気配りを、誰かが必ず見ていて、あなたの存在は、喧騒だらけのネオン街で、美しく輝くのだ。
計算してやってはいけない。それが当たり前のように身につけることが大切だ。気配りは、癖にしないといけないのだ。
↑(引用ここまで)
------------
…『気配りは、癖にしないといけない』。
私からすると、この文章の後半に書かれているようなことは、「当然」の作法です。
「そろそろ飲み会したいなあ」と職場の人が言えば、日時と場所を設定して、できるだけ多くの人に(現役の人をはじめ、近年転勤・退職した人にも)声をかける。
早めのお店の予約と、あらかじめの飲み放題や料理の注文、当日の送迎の確認。
案内文書の作成と、地図等もあわせて参加予定者に配布。
直前にもう一度「今週末はよろしくお願いします」と声かけと、直前キャンセル等の対応。
当日、定刻の30分前には到着し、店員と段取りや会計の確認。
自分は入り口に一番近いところに席をとり、順次来られた方の集金&飲み物確認。
参加者の中からふさわしい人に挨拶をお願いして、参加者全員の飲み物の減りを逐一チェック、半分をきったら同じ飲み物でいいかメニューを持って聞いて回り、すぐに注文。
随時、あいたグラスと皿を下げ、店員の持ち運びやすい入り口付近に置く。
時間経過とともに、必要であれば料理の追加、飲み物のラストオーダー、締めの挨拶のお願い、帰りの送迎の手配、あらかじめの会計と返金準備。
締めが終わったら、忘れ物のチェックと声かけ、二次会参加者の誘導と帰る方へのご挨拶、お店の方にお礼を言って、最後に店を出る。
…ふだん普通にこなしていることなのですが、こうして改めて文面に起こすと、なんだかすごいことのような気がしてきます(笑)。。
もちろん、終始「私がんばってますよ」顔に見られないよう努め、「いつも悪いね」と言われても「いやいや、今日くらいはラクにして、楽しんでいってくださいよ」と笑顔で返すくらいのゆとりを持つことも、大切にしています。…「こんなにさせて、本当に申し訳ない」「『いい人』と思われたいだけとちゃうか?」なんて周囲に思わせてしまったら、それだけで雰囲気を壊しかねませんから。
あくまでさやわかに、嫌味のないように、細心の注意を払って、『役割』に徹するのです。
…これがまた、けっこう楽しいんですよ。
「自分が直接楽しむ」のとはまた別の、「自分以外の誰かが楽しんでくれて嬉しい」という快感。
逆に、他の人のそんな『癖になっている気遣い』を目の当たりにすると、とても感動します。
…みなさんは、そんな「快感」や「感動」、味わってますか?
