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↓『30独身女、どうよ!?』(岡田斗司夫著、現代書林、2001)より引用(23)


岡田氏:岸田秀が、「人間っていうのは本能が壊れている生物だから、人間が誕生した瞬間に「文明」っていうすごいいびつなものをでっち上げた。そうしないと、人類は滅びていた」と言ってる。なにせ男は女に欲情できない。女は男を受け入れられない。なんでかって言うと、まず最初の性欲が生まれるときは4歳児ぐらいで、その時に生殖能力はないから。このままでは人類は絶滅してしまう。これをいかに20歳くらいになったときに、性欲がちゃんと女に対して生まれて、男女がセックスして、子供がかわいいと思えるようになるかっていうのを、私たちは本能ではなく、文明の形で作っている、と。


うさぎ:物語がないとやっていけない。


岡:ある文明が崩れ、価値観が壊される。文明の過渡期が来るというのは、動物の本能のかわりを担っていた文明が壊れるということなわけ。それは、本能が狂うのと同様の大ピンチなんだ。その種が全滅することと同じ意味になっちゃう。


う:じゃあ、今新しい価値観で、私たち30女が生きようとしているということは…


岡:そう、新たな種が生まれるということなんだ。でも、母親は、当然、自分の種の文明を受け継がせようとする。だって、本能だから。


う:でも、うさぎ達は、もう受け継げない。


岡:そう。もう、男はこうでなきゃ、女はこうでなきゃ、から違っちゃってるからね。母親を乗り越えなきゃ生きていけない。心理学的に言うと、自分の心の中の母親を殺さなきゃいけない。


う:母親殺しはなかなか難しいんだろうな……。


岡:そう? 大人になるには、絶対に必要なんだよ。
女の人にとって難しいのは何かって言うと、母親を超えるっていうのは母親がのたれ死んでよしって思うことなんだよ。


う:でも、それはちょっとね……。やっぱり母親の、その……。


岡:母親の気持ちを大事にしながら、乗り越えるなんてできない。母親を、放っておいたら死んじゃうような弱い生き物だと思っているからだよね。


↑(引用ここまで)
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…『文明の過渡期が来るというのは、動物の本能のかわりを担っていた文明が壊れるということなわけ』。


…『そう、新たな種が生まれるということなんだ』。


うさぎの言う『物語がないとやっていけない』というのは、「文明」「そうあるべきもの」「先例」「モデル」がないと、人間は生きていけない、ということを示していると思うのです。
そして、「恋愛→結婚→出産」という先人たちの「モデル」は、私たちは『もう受け継げない』。
これが、現代日本のおかれた状況を言い表していると思うのです。


これからの「物語」とは何か?
誰もが知りたい答えです。
でもそれは、どうやら『新たな種』である私たちが、これから作っていかなければいけないようです。
まさに今が、『文明の過渡期』なんです。


…しかしながら、私たちの親の世代は彼らの「文明」を受け継がせようと、彼らの「文明」をここで終わらせないようにと、必死にもがいてきます。なんだかんだ言って「結婚→出産」モデルが一番いいんだと、彼らの思いこみを押しつけてきます。
ついつい、「自分たちはラクをさせてもらっている」恩から、彼らの言うことを聞いてあげたくなっちゃったりもしますが、ここは、心を鬼にして、彼らが『のたれ死んでよし』と思って、毅然と対応すべきでしょう。
なんせ、彼らは「動物の本能」に従っているだけであって、私たち個人個人が「将来、その選択によって、幸せだと感じられるかどうか」までは、責任を取ってはくれないのですから。
「あなたのため」なんて言いつつも、もとをたどれば「文明」引き継ぎにやっきになっているだけなのですから。
…もし本当に「あなたのため」と思って言っているのなら、その場その時の自分の気持ちに従うことが一番幸せと感じてしまう「自分の気持ち至上主義」「選択の自由」を理解し、「何が幸せなのかは、わからないよね」と言うはずでしょう。
そんな先人たちの「動物の本能」に気を遣う必要は、ないのです。


これはもう、「古い文明」と「新しい文明」の、戦いです。
「『家庭』という一定の価値観」vs「選択の自由」です。
「別に結婚してもしなくてもよくね?」が成立するためには、もうちょっと戦わなければいけなそうです。。


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