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↓『超思考』(北野武著、幻冬舎、2011)より引用(29)


重要なのは、報道番組が街の声を聞いたり、世論調査をしたりするのは、別に本当に世論が知りたいからではないということだ。


街の声を聞くのは、あくまでも自分たちが今日流すニュースの論旨を補強するためなのだ。
嘘だと思うなら、ちょっと考えてみればいい。
鶏が先か、卵が先か。じゃなくて、ニュースが先か、街の声が先か。
まさか、報道部のディレクターがぶらぶら適当に街を歩いて、いろんな人の話を聞いて、そこからニュースを探すなんてことをしているはずがない。
まずは、たとえば野菜の値段が高騰しているというニュースがあるのだ。
それで、街のスーパーに庶民の声を聞きに行く。
そこでマイクを向けて、たとえば「ウチは外食ばっかりだから、野菜が高くても別に困らない」とか「一個三百円のキャベツのどこが高いんですか」とかいう答えが返ってきても、そういうものは放送しないわけだ。


まあ野菜の値段くらいの話なら、それでも別に問題はないのだろうが、一事が万事だ。
政治から経済からあらゆるニュースがそんな感じになっているような気がして仕方がない。
大阪地検特捜部の検事と同じで、ストーリーをあらかじめ書いているんじゃないのと疑いたくなる。
だいたいテレビのチャンネルをどれだけ変えて、どのニュースを見ても、ほとんど同じような意見ばかり垂れ流している最近の風潮が気持ち悪くて仕方がない。


↑(引用ここまで)
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もし私が野菜の値段の高騰についてマイクを向けられたら、こう言うでしょう。
「この程度でギャーギャー騒ぐ方がどうかしています。むしろ今までの値段の安さの方が異常でしょう」と。
…間違いなく、編集でカットされるでしょうけど(笑)。


つまり報道番組の「街の声」は、テレビ局やスポンサーの都合のいいように操作された「声」なのであって、それは「事実」とはまた別モノだということです。
「何を”ニュース”にするか」という段階から、誰かの「意図」が入っているのですから。


だからもっと、いろんな意見を言っていきましょうよ。
報道番組やインターネットの情報源を、もっと疑いましょうよ。
民主党や東京電力のバッシングに「けしからん」と同調する前に、「本当にそうか?」「自分だったら上手く対処できるのか?」とバランスをとりましょうよ。


私がこうして毎週毎週いろんなことに苦言を呈するのも、「バランス感覚に欠けた物言いや報道」で世の中が溢れかえっていると感じるからです。


野菜やガソリンの高騰に一喜一憂させられているそこのあなた!
「万人受けするよう操作された情報」に疑問も持たず同調して暮らしていると、「万人受け」する程度の発想しかできない人になっちゃいますよ!


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