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↓『哲学』(島田紳助・松本人志著、幻冬舎、2003)より引用(36:紳助)
ITだなんだって、情報化社会の未来はバラ色みたいなことをいうけれど、本当にそうだろうか。
僕は情報化社会は子供の夢をつぶすと思う。
だって、今はインターネットを見たら大抵のことはわかってしまうから。
僕は医者になりたいなあと思っても、パソコンで調べたら、すぐにそんなこと無理だってわかってしまう。調べれば、調べるほど。
昔は「お医者さんになりたい」って子供がいったら、「そんなん、なれへんわ!」っていう友達がいたり、「そうか、がんばりやー。お前ならできるわ」っていってくれる先生がいたりして、どれを信じたらいいかわからないからがんばってみたりして。
で、段々に気づいたものだった。高校入ってはじめて自分がアホなことに気づいて、でそこからまた志望を考えなおしたりしていったものだ。
今はもう調べたらすぐにわかる。わかりすぎる。
このわかりすぎるということが、どれだけ子供の夢をつぶしているか、大人は気がついているんだろうか。
↑(引用ここまで)
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…『今はもう調べたらすぐにわかる。わかりすぎる』。
紳助氏は、情報が巷にあふれていることが子供の夢をつぶすと言います。
私も、そう思います。
私はもうひとつ、「何でもわかったような顔」をする子どもも増えたなあ、とも思うのです。…子どもだけではないかもしれませんが。
大人に対して平気で生意気な口をたたく子ども。
…その姿は、言っている内容が正しければ、どんな言い方をしてもいいと思っているかのようです。
周りの人の注意を、物知り顔でまるで聞き入れようともしない子ども。
…その姿は、「自分には思想・言論の自由がある」と、与えられた憲法をやみくもに振りかざしているかのようです。
いい歳した大人だって、こんな奴はごまんといます。
いつだったか『真剣10代しゃべり場』で、MAYA MAXX氏がこんなことを言っていました。
「ミュージシャンや絵描きなど、才能で勝負する世界を目指す若者が、夢破れてサラリーマンや主婦(主夫)になってしまうことですべてが失われるかっていうと、そうじゃないと思う。
たとえば、絵描きを目指していた女の子に好きな人ができて、結婚して子どもが生まれてしまったとする。
その子は主婦としてこれから生きていかなきゃいけなかったりするけど、他のお母さんよりも、子どもに上手に絵を描いてあげられるんだよ。
それで、いいじゃないか。
と、私は思うんだ。
だから、『オリコンチャートを駆け上がりました』とか、『美術館で個展を開きました』とか、そんな形に見える華やかな結果を残すことだけがすべてじゃない、と私は思う。
…でも、40代も過ぎた今の私がそれを言うのはいいと思うけど、今の10代・20代の若者がそれを言えちゃうのも、おかしいと思う。
『結果だけがすべてじゃない』なんて、わかったようなクチをきかないで、『ダメかもしれないけど、やってみる!』って言えなきゃいけないと思う」
…『わかったようなクチをきかないで、「ダメかもしれないけど、やってみる!」って言えなきゃいけないと思う』。
物知り顔な現代の子どもたちに、是非聞かせたい言葉です。
