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↓『超思考』(北野武著、幻冬舎、2011)より引用(17)
世の中が右を向いたら全員右、左を向いたらみんな左という風潮が、どうにも気持ち悪い。
テレビのチャンネルを回せば、ワイドショーもニュース番組も横並びで、バカみたいに同じ話を、同じように繰り返す。
コメンテーターは、まるでオウムの群れだ。
誰かを世の中が褒め始めたら、気持ち悪いぐらいに持ち上げて、べた褒めしまくる。
叩くと決まれば、徹底的に、完膚無きまでに、糞味噌に叩きまくる。
これは、どう考えたってまともじゃない。
まともじゃないけど、テレビ局にしても、コメンテーターとかいう人種にしても、そうでもしなきゃ今の世の中を生き抜けないということなのだろう。
世間から叩かれている人間の肩を持つなら、自分も一緒に叩きまくられることを覚悟しなくちゃいけない。
要するに、子供の社会のイジメと同じことだ。
クラスのみんなで一人の子をいじめるのは、その子が憎いわけじゃない。
みんなと一緒になっていじめなきゃ、自分がいじめられるのだ。
↑(引用ここまで)
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…『世の中が右を向いたら全員右、左を向いたらみんな左という風潮が、どうにも気持ち悪い』。
北朝鮮を笑えないくらい、日本のメディアの「一色」放送は年々えげつなく、あからさまになってきているように思います。
まるで「これが今、みんなが知りたいことやろ?」と決めつけんばかりのテレビ番組やニュースの数々。
誰と誰が結婚しただの、殺人事件の犯人の交友関係だどうだの、「今、これが売れてます」だの…。
「愚民どもには、政治や経済の本質なんか考えさせずに、下世話なとっつきやすいネタでも与えとけ」「不安や購買意欲を煽る情報を垂れ流しておけば、どうせアホな国民どもはこの新商品に喰いつくやろ」なあ~んて政治団体やスポンサーの声が今にも聞こえてきそうです。
…「新聞は斜めに読め(疑ってかかれ)」なんて言い古された言葉だと思っていたのですが、「番組のスポンサーの操るがままに商品を買わされてるだけかも」「誰かの意図でこのニュースがセレクトされているとしたら、みんなこぞってそっちばかりに興味をもつのはヤバイかも」なんて警戒する人の少なさを思うと、どうやら「少数の”洗脳する側”と大多数の”洗脳される側”」という構図は大昔からちっとも変っていないのかもしれません。
私とて、生活のすべてが「100%メディアに洗脳されていない」なんて口が裂けても言えませんが、少なくとも「誰かの飼い犬にはならんぞ」と警戒心と日々の勉強と誇り高さをもった「野良犬」でありたいと、最近特にそう思うのです。
…「自分は洗脳なんかされていない」と思ったそこのあなた!
山奥で自給自足の生活をしているのならまだしも、個人の「好み」ですらメディアの影響を受けざるを得ない時代に生きていながらそんなことを言えちゃうあなたみたいな人こそ、「洗脳しやすい」種類の人間なのかもしれませんよ!
「自分は洗脳されている」と思って洗脳される人なんて、いないのですから。
