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↓『マムシのan・an』(リリー・フランキー著、マガジンハウス、2003)より引用
なにも言わずとも互いの気持ちや気配を汲取り、察し、懸想する、「あうん」の関係。
ある種、日本人の理想とする関係性であり、コミュニケーションの姿である。
「なにも言わなくても、わかってほしい」
ほんとにそう思うことがある。近頃の女はみんなアメリカ人みたいに「言わなきゃわかんないじゃん!!」というが、「言わなきゃわかんないようなら、言いたくない!!」と思うのがロマンチストであり風流人である。
(中略)
相手が希望を口にしたとき、相方はより高いリアクションを返して成立する、能動的な「あうん」の進行形と考えていいだろう。
「SEXしたいんだけど…」
「腰骨が砕け散るまでやるか!?」。常に倍返しで答えてやる。それがマナーである。
(中略)
…このように「あうん」の時も「コール&レスポンス」の時も大切なことは相手の気持ちを察してあげようと努力する思いやりとセンスなのである。口にしない時には感じてあげて、口にされた時には十分に返してあげる。
「言わなきゃわからないじゃん」という人には、おそらく言ってもわからないのである。
”女は確認作業が必要なのよ”と感性の鈍いことをしたり顔で言う人がたまにいるが、だったら横断歩道渡る時もいちいち指さし確認してればよろしい。
確認作業とは自己満足であって、思いやりや愛情とは程遠いものがある。
↑(引用ここまで)
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…なるほど!! 特に、最後の一文『確認作業とは自己満足であって、思いやりや愛情とは程遠いものがある』なんて、聞かせてやりたい奴がごまんといます。
「言わなきゃわかんないじゃん!!」と言うような奴は、「私は、あなたの気持ちを察する努力はいたしません。でもあなたは私の気持ちは察してね。」と言っているに等しいのです。。なんて横暴で、愛情に欠ける態度なんでしょう!
自分が「愛している」と思っている人が、実は「自分にとって気持ちがいい、都合がいい、便利」なだけである場合は少なくないと思います。前回も言いましたが、
【相手の気持ちよさ > 自分の気持ちよさ】
をキープするのがなぜかあの人だと全然苦じゃない! むしろそうしている奉仕的な自分が好き! …な状態を味わったことがない奴は、いわゆる「愛」を知らないと言っていいと思います。
カンタンに「愛してる」なんて、言えないのです。
忍耐を美徳とする時代はとうの昔に終わったのであって、「自分の気持ち至上主義」時代に生きる我々が、奉仕「しつづけること」を、「自分の一番したいこと」にすることは、本当に難しいことだと思います。
しかしながら、この「対象を限定した上での愛」をも、己のワガママ・エゴだと言い切り、自分を戒める仏陀やイエス・キリストには、敬服してもしきれることはありません。。
