------------
↓『江川達也のニッポンを鍛えろ!』(江川達也著、ぶんか社、2004)より引用(02)
自衛隊の存在やイラク派遣に対して、絶対反対を唱える者も多い。
しかし、それはまるで、世の中に悪人は存在しないなどと言って、警察組織を作らないで、家にカギもかけないでいるようなものなのだ。
悪人はいて、人様のモノを盗む輩は存在しているのだから、そのような理想論を振りかざしていたのでは、泥棒にどうぞ入ってくださいと言っているのも同然である。そんなことは子どもでもわかるだろう。
軍事力は外交と並んで国家の大事な柱である。歴史を振り返ってみて、軍事力をもたない国が安穏と存在し得たことは一度たりともない。
オレはタカ派ではないが、軍事力は当然もつべきだと考える。
もった上で、戦争を回避するよう戦略的に国際社会を立ち回ることが重要なのである。しかし、今の自衛隊に反対する人間は、軍事力の何たるかを理解しないまま反対しているだけである。
「戦争反対! だから軍備も反対」では、単細胞過ぎる。子どものリクツだ。
どういう戦略をとれば、外交上どのような結果となって表れるのかを学ぶ一番の素材は歴史である。
しかし、今の日本人は時刻の歴史を知らなさすぎる。
とりわけ、日本が開国して外交を積極的に繰り広げるようになったここ100年、200年の近代史について、正しい理解をもっている人間はほとんどいない。
これで自立した国家・国民であると言えるのだろうか。
もちろん、小学校の頃から歴史の勉強はしてきただろう。
だがそこで教わる「事実」は、やはりバイアスがかかっている。
戦前の日本の歴史は、一つは戦勝国であるアメリカの占領政策としてのマインドコントロールにより、一つは自分たちの消し去りたい過去という思いにより、改ざんされ、それを我々は事実として教え込まれているわけである。
オレは、『日露戦争物語』を描くために『日露戦記』などさまざまな昔の文献に当たっているが、これらを熟読すると、どれほど多くの事実が日本の歴史から消されているかが、よくわかる。
くわしくは1章で述べることにするが、「戦争と平和」について、明らかに我々は偏った情報でマインドコントロールされている。
現実を知らされていないということを目の前に突きつけられても、まだあなたは自分が自立した人間であると言い切れる自信があるだろうか。
↑(引用ここまで)
------------
…「戦争反対」「平和の大切さ」などと、いい歳した大人や、子どもまでもが言い出すニュースなんかを見ると、なんだかとても違和感を感じます。
おまえらが戦争と軍備の何を知っているのか、と。
どうにも私には、「戦争は人が死ぬ → 悲しい → だから戦争反対!」程度の短絡思考以上のものは、そこに見えてきません。身近な人に被爆者や戦争体験者がいる人でも、現代日本の「軍備」と外交のあり方について考えをめぐらせて「戦争反対!」と言っているようには、とても思えません。
そりゃあ、誰だって、身近な人が死ぬのは、イヤです。
だからといって、『「戦争反対! だから軍備も反対」では、単細胞過ぎる。子どものリクツだ』と思うのです。
なぜ今でも紛争が絶えないのか。
宗教的、歴史的背景や、領土問題はどうだったのか。
これまでの各地の紛争に対する日本の対応、各国の対応はどうだったのか。
世界が「軍事力」のバランスをどうとらえていて、それが国際的な経済格差と信用にどう影響しているのか。
そういった情報ソースを自分で確立し、「自立した人間」であるべく「勉強」を継続していない人間に、はたして「戦争反対!」などと軽々しく言う資格があるのでしょうか。
…私も、中東やユダヤ人の歴史や、中世以降の先進国による侵略・植民地化などの過去を勉強すればするほど、「こりゃあ、今さら100%の解決なんて不可能やろ」とか、「今日の晩飯や寝床が約束されている日本人が、コンビニ弁当片手に『戦争反対!』なんて言ったところで、高見の見物以上のものにはならんやろ」とか、問題の難しさと自分の無力さを痛感するのです。。
日本にはどういった軍備と外交が必要なのか。
または、どういった軍備や外交をおこなっている国とつきあっていくべきなのか。
「軍国主義の復古」などと誤解されない「軍事力」のパワーバランスの必要性について、「平和妄信派」の方々とどう折り合いをつけていけば「自立した国家」を目指していけるのか。
…日本が「独立国家」であるためには、国民すべてが「自立した人間」になる必要があると、江川氏は言います。
私が今回書いたことなど当然と思える知識があり、書物にしろインターネットにしろ独自の情報ソースと大企業や圧力団体のバイアスを見抜く洞察力と経験をもち、「事実上アメリカの属国である日本」について自分なりの意見を言える人間なんて、どれほどいるでしょう?
私とこんな話をまともにできるのは、私の周りでは父親くらいしかいません。
あなたの周りや、あなた自身はどうですか。今日も「勉強」してますか?
