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↓『気がきく女性・55の秘訣』(里中李生著、三笠書房、2005)より引用(01)


親しくなってくると、途端に言葉遣いが豹変する人も多い。
私のファンの女性にもいた。
最初に出会った頃は、私のことを「先生」と言い、敬語だった。飲み会で会うときも、お辞儀をして、「こんばんは」と丁寧だった。それが今は、「里中さん、遅刻してきた。おそーい」と挨拶もなければ敬語もなく、まるで旧来の友達である。何度か飲み会で会って、メールを交換しているうちに、ため口になってしまったのだ。男にしてみれば信じられないことで、私は彼女に注意をしたものだ。


言葉遣いは、敬語と普通の話し方の二通りにしているのが、もっとも嫌味がない。相手が友達以下だからといって、乱暴に話していいわけがないし、仲がよくなったからといって、かなり離れた目上の人に、ため口もおかしい。
女性の敬語は特に美しい響きを奏でる。何か、上品に感じるし、郷愁も漂う。
私は、自分が偉いと思って、「敬語を使え」とは言ったことがない。
「あなたの美しい言葉が聞きたいんだ」
と思うだけである。


↑(引用ここまで)
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…『あなたの美しい言葉が聞きたいんだ』。
いい理由です。


敬語を使うこと。
挨拶をきちんとすること。
礼節をわきまえること。
気遣いを怠らないこと。


…こういった「失礼」を友人や恋人、子どもに指摘したとき、「おまえが優越感を感じたいから言っているんだろう」「おまえが実益を得たいから言っているんだろう」と勘繰られる場合は、少なくないと思います。
その場にいる第三者が「失礼なのは、おまえの態度の方だろう」と言ってくれればそれに越したことはないのですが(笑)、そんな「失礼」を指摘しなければいけない場面で、いつも都合よく良識ある第三者がいることなんて、まずありません。。


私は、いつもそんな場面に出くわしたとき、「どう言ったら勘繰られずに自分の思いを伝えることができるだろう?」と言葉のセレクトによく悩みます。
その人に気遣われて自分が気持ちよくなりたいのではなく、「あなたには、礼節のわきまえられる人であってほしい」「あなたとは、気遣いを忘れない関係でありたい」と心から思っているということを、どうしたらうまく伝えられるんだろう、と。


「礼節を大事にしたい」と思うこと自体、おまえのワガママ・押し付けだろう、と言われたら、これ以上何も言うことはありませんが、そのくらいの思いさえも身近な人にうまく伝えられないような奴が、子どもや次代を担う若者に何を教えられるんだろう? 、とも思うのです。
自分はいったい、何を伝えて死んでいくのか、と。
ちょっと大げさですかね…(笑)。


そういう意味では、里中氏の『あなたの美しい言葉が聞きたいんだ』という「理由」は、その言葉自体美しく、「優越感」を目的にしていないことも伝わりやすい表現だと、素直に感動しました。ちょっとキザですが…(笑)。


親が、子どもに。
先生が、教え子に。
先輩が、後輩に。
上司が、部下に。
恋人が、恋人に。
まれに、その逆だってありえます。


誰かが怒っているのを傍から見て、「そんな理由付けじゃあ、『優越感』を勘繰られるだけなのになあ。相手はガキなんだから、多少強引でも、言葉に説得力を持たせなきゃ。ヘタクソだなあ」と思うことは多いです。
その一方で、「じゃあ、自分はどんな理由付けができるだろう?」と、他人事ながら、緊張もします。
自分の思う「美しさ」「大事なこと」を相手に伝える(押し付ける?)説得術。
目下、訓練中です。。


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