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↓『30独身女、どうよ!?』(岡田斗司夫著、現代書林、2001)より引用(22)



岡田氏:うさぎの友達の親だったら、僕よりちょっと上でもおかしくない。今45才、娘が25というのはある話だし。その世代が、親から言われてたことっていうのは「男は立てなさい」だよ。マジで。
その前は戦前だから「賢い女は男を立てる」がバーンとそびえてるわけ。本人らは男女同権と教えられてたりしてきて、そういうのは古いなんて戦ってきたはずなんだ。でも、結局自分の生き方に後悔があったわけだよね。若くて愚かだったと。こうしときゃよかったと。
でもこうしたら得だったっていう損得は今はあんまり通用しない。ある一面の真実かもわからないんだけど、それだけを真実として生きられるほど私はまだ世の中に絶望していないっていう(笑)。


うさぎ:そうそう。もうちょっといろんな夢を持っているし……。


岡:あんたたちが夢を持っていないのは勝手だけど(笑)。


う:そうなんだよね。私たちの母親の世代というのは、最初の過渡期の世代だったんだろうな。


岡:フェミも入ってきた。戦争に負けて、価値観がめまぐるしく変わるのについていった。経済的にも、貧しいところから、その繁栄までを年齢と共にやってきた。そういう変化の中で、自分のやりたかったことでやれなかったことがいっぱいある。そういう思いが強いから、過剰に子供にサービスする。


う:自分は残り物を食べても、子供にはいい教育を受けさせる。自分はボロを着てても、子供にはいい服を着させる、みたいな。


岡:子供自身もそれを知っている。いい子であればあるほど、親の犠牲の上に自分が成り立っているっていう罪悪感を持っちゃってる。だから、正面切って戦争できないんだよね。


う:そうなんですよね。「ありがとう」というのもあるし、申し訳ない気持ちもしている。そういう面では、今の方が絶対楽だから。ご飯も好きなものを食べられる。好きなところへも遊びに行ける。女だと、それに加えて、男に気を使ったり、ヘコヘコしなくていい。


岡:ようするに、自分のお母さん達にそういう逆コンプレックスがある。「お母さんたちは大変だったけど、私たちは楽をしている」っていう。


う:私たちの時代だったら、そんなの通らないわよ、って言われちゃう。彼女たちはお気の毒に、大変だったんだろうなとは、思うわけ。男女平等を習ったのに、夫を立ててというのは絶対にやんなきゃいけなかったし。


岡:もうありとあらゆる恩を着せてくるよね。「お前達、こんなにボキャブラリーがあったの?」っていうぐらい、恩着せボキャブラ天国(笑)。


う:多分まじめな人ほど、自分の中にそういうスーパーエゴじゃないけど、スーパーママみたいなものを仕込んでいると思う。ことあるごとに、そういう母親的な倫理観と自分を照らし合わせて親に申し訳ないとか。せっかく大学までやってくれたんだし、とか。


岡:そんなことを聞かされるもんだから、みんな大人にはなりたくないし、結婚したくない訳だよ、今の女の人は。つまり「あの苦労を私もする。そんな順番がまわってきたの?」って考えたら嫌になっちゃう。
かと言って、結婚しないっていうのは約束破りな気がするし。義務を果たしてないカンジってやつ。おまけに自分が「なりたい大人」のモデルすら見えない。はっきり言うと、母親みたいに生きたいとは、腹の底では叫べない。申し訳ないと思いながら……(笑)。



↑(引用ここまで)
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…『そういう面では、今の方が絶対楽だから。ご飯も好きなものを食べられる。好きなところへも遊びに行ける。女だと、それに加えて、男に気を使ったり、ヘコヘコしなくていい』。


…『私たちの時代だったら、そんなの通らないわよ、って言われちゃう』。


『恩着せボキャブラ天国』とは言わないまでも、『お母さんたちは大変だったけど、私たちは楽をしている』という私たちの世代が持つ『逆コンプレックス』につけ込んだ、お小言や考え方の押しつけは色々なところで受けている気がします。

「昔はこんな美味しい物食べられなかった」だの「今の若者は苦労を知らない」だの、「苦労をしてきた自分は偉い」と言わんばかりの人たちに出くわすたびに、「だから何だ?」と言いたくなります。
それもこれも、私たちの世代が「楽をさせてもらっている」意識を多少なりとも持たされてしまっているところに起因していると思うと、頷けます。


そんな「恩着せ」話なんか一切せずに、私たちに「こんな大人になりたい!」と思わせるような素敵なおっちゃんやおばちゃんっていないもんですかね? …なんて思う一方で、そんな素敵な中年に自分もなりたい・ならなきゃなあ~と、自分を戒める今日この頃です。。


少なくとも、苦労話を自慢げにするようなおっさんにはならないように!



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